特別支援学校での書画カメラ使用事例

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作成者:hanako yamada (Edupedia編集部)さん

1 はじめに

こちらは、特別支援学校高等部に勤務なさっている菅野智美先生が行った、書画カメラ(実物投影機)を用いた授業に関する記事です。ICT機器を用いたその他の授業実践は、下記URLから閲覧することが可能です。

http://jp.communication.aver.com/Case-Study/tokubetusien

2 書画カメラ(実物投影機)を使用

授業内容

今回の授業では、いろいろな水溶液の水質を調べるためにリトマス紙を使用して酸性・アルカリ性を調べました。その際に書画カメラ(実物投影機)を用いました。

利点

書画カメラを用いることで、生徒の活動をその場で観察することが出来ます。教室の1ブロックでは、知的に障がいが無く肢体不自由のある生徒が、高等学校に準じた教育(教科教育)の授業を受けています。大学受験を視野に入れている生徒も数多く、車いすなどの移動時間が無くなることは大幅に授業の質を上げ、効率の良さがアップします。
 また、移動中、心臓や肺などに大きな負担になってしまう生徒さんにとってはその場で観察することが可能になるので、生徒さんの安全面を考慮した授業になるでしょう。

3 これからのICTについて

書画カメラの利便性は高く、小学部・中学部でも用いられるようになるでしょう。生徒の中には車椅子移動等のため行動範囲が限られてしまう生徒もいます。そのため、草花や生き物に触れ合う経験が少なくなってしまい、実際の被写体に対して躊躇してしまうことも多々あります。そんな時書画カメラを通してワンクッションを置くことにより興味を持って観察することが可能になることでしょう。

4 見える情報を的確に伝えるために一視知覚

視力が弱い生徒のためにプリントを拡大して配布した場合、それを生徒たちが情報として取り入れているかは疑問があります。私たちは目だけで見ているのではなく、脳や他の感覚を使って見ているのです。プリントを拡大し、既に認識している文字(平仮名など)を拡大されても意味がありません。必要な情報だけを拡大したいのです。
 山中の景色の電波塔を認識するのに全てを拡大して映し出すことほど無意味な作業はないでしょう。それと同時にプリントや見えているもの自体の書式や全体像も把握することが大事です。そこで書画カメラを道具として活用していくことは必要な情報だけを拡大するだけでなく、全体的な流れを確認することが可能になることでしょう。

5 書画カメラの利用について(和歌山大学教育学部 附属教育実践総合センター 豊田充崇教授)

フレキシブルのようなヘッドがアームタイプになった書画カメラは、「ここだ」という箇所を拡大するのに適しています。これは、シャーレの中の生物などを映す場合にも重宝されますし、特に立体物に対しては、側面や裏面に回りこませることも容易です。生徒たちが書画カメラを使う場合においても、カメラヘッド部分を拡大したいところへ自分で持っていくことで、実感の湧く観察活動になると思います。
 また、当事例においては、障がいを持った生徒一人ひとりの学習ニーズを見極めた上で、書画カメラの機能を活かした使い方がなされていることが印象的です。先生方が、生徒たちの学びの質的向上のために妥協のない指導の工夫をされている様子がうかがえます。書画カメラは、そういった先生方の思いを叶えるツールになり得る可能性を抱えているということが改めて実感できました。

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