神様になって「カレーライス」(重松清)の登場人物にアドバイスを送る

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語り手に共感できるか

「カレーライス」は多くの家族の物語を執筆してきた重松清が光村図書6年国語に書き下ろした作品です。作中人物「ぼく」の1人称で物語は語られます。この辺りのことは、下のリンクにも書かれていますので、是非お読みください。

視点の種類を知る~カレーライスの学習より~

さて、この物語を教材として取り上げる場合、まず、「ひろし」が読み手である子供たちと同じ6年生であり、思春期を迎えてやや反抗的になっているということを理解させなければなりません。子供たちに聞いてみるといいと思います。

「みんなはひろし君と同じように親に対して反抗的になっていますか?」
挙手。人数をざっと数える。
「そうか、どんな時に?」
具体的な状況を3~4人に聞いてみる。

中には反抗期に差しかかっている子供もいれば、「親に逆らうなんてよくわかんないなあ」と思っている子供もいると思います。とりあえず、ひろし君は反抗期・思春期であり、こういう状態を「こどな」もしくは「ことな」と呼んで解説してあげてもいいですね。詳しくは下↓のリンクで。

「こどな」「ことな」~思春期の自分の状態を客観的に考えさせる

小学校高学年から中学校にかけては大人と子供の中間の状態で、みなそれぞれに「子供度」「大人度」が違います。でも、今回は「神様」として授業に参加してもらいます。

神様になって3人にアドバイスをあげましょう

「みなそれぞれに「子供度」「大人度」が違うし、みなそれぞれに性格も違いますので、ひろし君に共感できる場面もできない場面もあると思いますが、今回は物語の視点、つまり「ひろし君の一人称」からぐっと離れて、みなさんは神様の視点に立って登場人物にアドバイスをしてあげましょう。」

① おふざけにならないように
② 誰かの味方になる必要はありません
③ 神様なんだから、ソフトな語り口でね

と、あまり無茶な神様のアドバイスにならないように釘を刺しておきましょう。

物語はいきなり、「ぼくは悪くない。」から始まります。これを神様はどうアドバイスるのか、クラスの友達の意見と比べてみるのは結構楽しいです。ひろしを否定するばかりのアドバイスではなく、ひろしに共感しながらアドバイスできた子供には、注目させて賞賛しましょう。また、お父さんの良くないところもあります。いつまでもひろしを子供扱いするお父さんに子供たちが神様になってどんなアドバイスをおくるのかにも注目していきましょう。
また、指名するときには「山本の神、どうぞ」とか、「田中の神、どうかんがえましたか?」などと少しユーモアを交えながら進めるのもいいでしょうね。
そして、子供の意見が食い違うときには、「神様同士でも、考え方が違うんだねえ。いろんな神様がいていいねえ。」と、感心してあげるといいと思います。

神様は場面ごとにツッコミを入れてもいいし、途中の場面から登場させてもいいですし、学習のまとめとして神様視点で子供に振り返りをさせてもいいと思います。

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