褒め言葉のシャワーで発言力の向上②

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作成者:福山 浩平 (Edupedia編集部)さん

1 はじめに

本記事は、岡篤先生のメルマガ「教師の基礎技術~褒め言葉のシャワー追試~792号~798号」から引用・加筆させていただいたものです。
褒め言葉のシャワーによりみられた発言力の向上とそれによって問題が起きたときの対処法、クラスの子ども全員が1周した後もマンネリ化しないための工夫が紹介されています。
岡篤先生のメルマガはこちらを参照ください。→http://archive.mag2.com/0001346435/index.htm

2 実践内容

発言力の向上

「褒め言葉のシャワー」は、前に立つ子どもに対して全員がコメントをつけるという菊池先生の実践です。日番の子が前に立ち、聞き手側が一人一人コメントをつけます。そのことによって得られる効果を期待します。その中で発言力の向上が見られることがいくつかあります。

からほめ

発言する子の中で他の子の参考になるような言い方をする子がいます。相手のよいところを言った後に「ぼくも○○さんのように、二重跳びがたくさんできるようになりたいです」と続けた子がいました。これを取り上げて他の子にも意識させたいと思いました。そのことから「相手のことをいってから、自分のことを褒める」ため「からほめ」と名付けました。

のびほめ

中には習字の字について「4月に書いたときはそれほどでもなかったけど、この前書いた左右は払いがとてもきれいに書けていました」と伸びをほめる子も出てきました。これは、「のびほめ」と呼ぶことにしました。単級なので、子ども達は1年生のときからお互いを知っています。私も聞いていて、「へえ」ということが何度もありました。

会話を入れる

他に発言内容で向上したことに、会話を入れるというものもあります。「昨日、いっしょに帰っていて~」と話したことを発言に入れます。このことにより聞いている方はわかりやすくなります。これは、作文の指導などと共通する内容です。

褒める以外でもみられる発言力の向上

あるとき、一人の女の子が褒め言葉のシャワーを始める前になって「最後にいいたい」といってきました。私のクラスでは、席順に発表させています。
その女の子が最後に回してほしいと言ってきたことを全員に伝え、「今日は順番が少し変わります」と加えました。特に反応は無く、「へえ」という子がいるくらいでした。他の子の発言が終わり、最後を希望した子が立ちました。何をいうのかとみんなが一瞬静かになって注目しました。

■気持ちの伝え方

その子はちょっと恥ずかしそうな表情を浮かべながら話し始めました。「私たちは、幼稚園のときからずっと仲良しでした。4年生になっても一緒で楽しいです。
これからもずっと親友でいて下さい」というような内容でした。ときどき間が開いたり、言葉をゆっくり選んだりしていたため、発言の時間がゆっくりと過ぎました。それが感動的に伝わったようです。前に立っている女の子は、目に涙が浮かんでいました。

■感覚で捉える

あえて最後を希望した女の子は、それだけ自分の思いを伝えたいという気持ちがあったからと推測されます。みんなの発言の途中に伝えても、印象が薄くなってしまうと感覚的に感じ取ることができたからです。予想外の展開に教室は少々感動的な雰囲気が流れました。

■同じ内容が続くときの対処

子ども達なりに友達に感動を与えられるというよさを理解したようです。しばらくの間、この展開が続きました。最初は感動的でありました。また、私は「よいところはまねしなさい」と教えています。しかし、感動的な展開を連日行っていては、聞いている側がしんどくなってきます。「最初は感動したけどずっと続くと聞いている側もしんどくなるからこれからちょっと考えようか」と話しました。この後は全く同じ内容ということや、連日ということはなくなりました。

2周目を行うかどうか

初めて取り組んだ褒め言葉のシャワーの1周目が終わりに近づきました。時間はかなり費やし、指導も多く入れました。クラスの実態からいくとそれだけの価値はあったと思いす。ここで時間も手間もかかるということも分かった褒め言葉のシャワーの2周目も行うかどうかです。

■2周目への期待

褒め言葉のシャワーを授業時間内にしたことは、クラスの実態からいって間違いでは無かったと考えました。休み時間が少しでもつぶれたり、帰る時間が遅れたりすると不満の声を上げる子が何人もいるたためです。そのため2周目も授業時間を使うことになります。やるからには成果を出す必要があります。少なくともマンネリ化してだらけることは避けないといけません。

■2周目に向けて

褒め言葉のシャワーは子ども全員を対象にすることができました。褒め言葉を受けることを子ども達は素直に喜んでいます。褒め言葉を言うことも私が考えていたよりはスムーズに言えていました。褒め言葉を聞くことで自分もうれしくなるという感想を日記に書いていた子もいました。ただし、2周目を1周目と同じようにしていては、おそらくだらけてくるとも考えました。

  • 褒め言葉の内容がパターン化しつつある
  • 同じ言葉がふえれば、聞いている方もだらけてくるはずである
  • 2周目になると、「褒めることがない」と言い出す子が出てくる可能性がある

といったことが予想されました。

■2周目に向けての改善

改善策としては次のようなことを思いつきました。

  1. 発言側は、あらかじめ隣と自分の褒め言葉を話す。
  2. 相手の褒め言葉に自分が知っていることがあればアドバイスする。

例えば、「そうじをいつもがんばっています」ならば、「廊下の隅まで掃いているところを見たよ」と知っていることを教え合うのです。もし教え合える部分がなかったとしても、あらかじめ人に話すことで内容がより明確になります。

3 執筆者プロフィール

岡 篤(おか あつし)先生
1964年生まれ。神戸市立小学校教諭。「学力の基礎をきたえどの子も伸ばす研究会(略称学力研)」会員。硬筆書写と漢字、俳句の実践に力を入れている。(2017年8月17日時点のものです)

4 書籍のご紹介

『読み書き計算を豊かな学力へ』2000年

『書きの力を確実につける』2002年

『これならできる!漢字指導法』2002年

『字源・さかのぼりくり返しの漢字指導法』2008年

『教室俳句で言語活動を活性化する』2010年

5 編集後記 

褒め言葉のシャワーによってどのような効果があったのか、またどのように解決してさらに発展していくことができるかが紹介されていました。
クラスで褒め言葉のシャワーを実践しようとお考えの方の参考になれば幸いです。
(文責・編集 EDUPEDIA編集部 福山浩平)

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