アクティブラーニングを意識する際に、板書で気をつけたいポイントをまとめてみました。よろしければ、ご覧ください。
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1 ■ポイント■
黒板を参加の場にするコツ①早く「チョーク」を渡す
「チョーク」という名のバトンを渡しましょう。
●「どんな授業が望ましい」かを考える
あなたにとって、次のどちらの授業が望ましいでしょうか。
(ア) ずっと先生が説明している授業
(イ) 先生と子どもたちもいっしょになって考えている授業
私が答えを書くまでもなく、(イ)の授業を選ぶ方がほとんどだと思います。つまり、アクティブ・ラーニングが話題になる前から、子どもたちが参加できる授業が好ましいと、私たち先生は本能的にわかっているのです。
●子どもたちが自ら考える「きっかけづくり」をする
では、実際に子どもたちに積極的に授業に参加してもらうためにはどうしたらいいのでしょう。いろいろな手法がありますが、そのうちの一つとして、子どもにチョークを渡すというのがオススメです。
なぜなら、チョークを渡された子どもたちは自ら考え、自ら書くという行動をすることになるからです。いろいろと難しく考えずに、子どもたちにチョークを渡す授業展開を考えてみてはいかがでしょうか。
2 ■ポイント■
黒板を参加の場にするコツ②参加できる「仕組み」をつくる
言葉だけでなく、「仕組み」を作ってあげることが大切です。
●授業に参加しやすい「仕組み」が必要な理由とは?
1つ前のテーマで、チョークを渡すという具体例を挙げました。
これと同じように、子どもたち全員が授業に参加してもらうためには、ただ、「みんなで考えましょう」と声がけするだけでなく、そうできるような仕組みをつくることが重要です。
たとえば、
★グループや班で考えてもらってから、発表する
★子どもたちが興味を持ちそうな話題を授業内容に絡める
★どうやったらやりやすいか、子どもたちに聞いてみる
すべて特別なことではなく、すでにあなたも実践していることばかりかもしれませんね。もちろん、そんなことをしなくても子どもたちが自分たちで学習できればそれに越したことはありません。しかし、どんな場面でも、自分が考えていたプランAがうまくいかなったときのプランBは必要です。
子どもたちがなかなか授業に参加しづらそうにしているときには、上記のことを意識してみてください。子どもたちの表情が少しずつ変わってくることを実感できますよ。
3 ■ポイント■
黒板を共有の場にするコツ①「書いてから」書かせる
黒板に自分の意見を書く心理的ハードルを下げてあげる。
●子どもたちに発表してもらうときに「大切なこと」
授業中、子どもたちに自分の考えや意見を黒板に書いて発表してもらう場面があると思います。そのときに大切なことは、まず、自分のノートなどに自分の考えを書いてもらうことです。理由を説明します。
たとえば、A,B,Cの3人の子どもに発表してもらうとしましょう。
事前に何も書かずにいきなり発表させると、
A:「(自分の意見)だと思います」
B:「Aくんと同じです」
C:「私もAくんと同じ意見です」
ということが起こりえます。もちろん、3人とも自分の意見を言っているとも考えられるのですが、それぞれ多少なりとも自分の考えがあり、まったく同じということはないわけです。
それに対し、まず自分の考えをノートに書いてから発表をすると、たとえ同じ意見だったとしても、多少なりの違いを含めて発表することができます。発表するときにも、ノートという台本をもとに伝えればいいので、心理的ハードルが下がります。ぜひ、あらかじめ書かせてから黒板に書かせるという流れを意識してみてくださいね。
4 ■ポイント■
黒板を共有の場にするコツ②板書を「みんなで」確認する
板書は「書くだけで終わり」ではありません。
●みんなで「共有」してこそ、板書は意味がある
本書を手に取るような熱心なあなたであれば、釈迦に説法かもしれませんが、板書は書いて終わり、ではありません。
クラス全体で板書に集中するタイミングをあなた自身がつくる必要があります。たとえば、次のような方法があります。
★みんなで板書内容を読み上げる
★「顔を上げてください」「筆記用具を置いてください」など
板書に集中する魔法の一言を伝える
★板書内容についての発問をする
●これまで以上に板書を「学びのきっかけ」にする
板書の目的の一つは、子どもたちがノートに書く内容を伝えることですが、それだけではもったいないのです。アクティブ・ラーニングでは、これまで以上に学び合いが求められます。板書内容をきっかけにして、子どもたち同士の学び合い、学習活動を活発化させていきたいものですね。
以上です。何かの参考になれば幸いです。
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