「『鳥獣戯画』を読む」教材研究(国語・説明文)~日本の漫画・文化を評価する~

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本記事は、国語・説明文(光村6年)「『鳥獣戯画』を読む」(高畑勲)の教材研究です。
 本文では、作品を「絵」と「絵巻物」として細かく読み解きながら解説を進め、最後に日本文化としての絵巻物を評価し、『鳥獣戯画』を「人類の宝」と評価しています。
 社会科の歴史文化や図工の鑑賞、国際教育にも関連させることで、学習が深まる単元です。

目次

1 単元目標

2 教材文の読解

3 文章構成図

4 読み方を振り返る

5 関連記事

目次

1 単元目標

・目的に応じて、文章の内容を的確に押さえて要旨をとらえる。

・事実と感想、意見などとの関係を押さえ、筆者の考えと自分の考えを比較し、共通点や相違点を見付ける

・非連続型テキスト(絵)と連続型テキスト(文章)を照らし合わせて読む

2 教材文の読解

◎『鳥獣戯画』は、どうして「漫画の祖」「アニメの祖」と言えるのでしょうか。

1.線のみで描かれ、大きさが違うはずの兎と蛙が相撲をとっていて、どこか、おかしくて、おもしろい。

2.動きを生み出したり、場面をうまく転換したりして、時間を前へと進めながら、お話を語っていく。
 絵巻物を巻きながら見ていくと、蛙と兎が本当に相撲をして動いているように見える。

3.漫画のふき出しがある。

4.ちょっとした筆さばきで、細かい動き・表情を表現している。

5.登場人物が、どのような気持ちでいるのか、読み手に想像させるポーズや表情、動きが描かれている。

6.『鳥獣戯画』が描かれた十二世紀から今日まで、言葉だけでなく絵の力を使って物語を語るものが、とぎれることなく続いている。

◎「日本文化の大きな特色」とは、どのようなことですか。

1.十二世紀から今日まで、言葉だけでなく絵の力を使って物語を語るものが、とぎれることなく続いている。

2.絵が、実に自然でのびのびとしている。自由闊達。

3.描いた人は、きっと何物にもとらわれない自由な心を持っていた。

4.そのころの絵で、これほど自由闊達なものは、世界にも例がない。

5.『鳥獣戯画』が今では世界でも人気な日本アニメにつながっている。日本の誇りである。

6.表現の素晴らしさだけでなく、それがずっと続いてきたことにも価値がある。

7.先祖の努力により『鳥獣戯画』が今でも残り、現在に伝わっている。

3 文章構成図

4 読み方を振り返る問い

どのように文章を読んでいったのか、ペアやグループで読み方を振り返る。
文章を読む際に自分の読み方を意識する習慣をつけ、目的に合った読み方ができるようにする。

(段落のまとまり)
・なぜここがはじめなのか?
・なぜここが中なのか?
・なぜここがまとめなのか?

(段落の役割)
・段落同士の関係はどう説明できる?
・この文章(段落)の要点(主張)を一言で言うと?

(表現・内容について)
・筆者の説明の仕方で気になったことはある?
・筆者の表現の特徴はあった?
・意味が分かりづらかった箇所はある?
・読んでいて分からない時はどうしたか?

(その他)
・どんなことに気を付けて読んだ?
・今までの読み方と違ったところ・同じところはある?
・次から使ってみようと思う読み方(書き方)はある?
・読んで浮かんだ新しい疑問・発見はあった?(この場合はどうなの?似たことがあったぞ)

5 関連記事

説明文の記事一覧

「兎や蛙だけではありません。猿や狐のほか鹿、猪、猫や鼠も登場」(JapanMatrix)

「鳥獣人物戯画」の甲・乙・丙・丁の4巻から、教科書にも取りあげられている甲巻について、大きく5つの場面に分けて解説されています。
 また、「日本四大絵巻」と言われる、「鳥獣人物戯画」「源氏物語絵巻」「信貴山縁起」「伴大納言絵詞」について、その概略と絵の一部分も紹介されています。

【海外マンガフェスタ取材】 世界の漫画事情ってどんなの? 海外の漫画家・関係者に聞いてみた!(ロケットニュース24)

海外で出版された世界各国の漫画の特徴や、世界で読まれている漫画が紹介されています。
 他にも世界から見た日本の漫画・アニメの反応サイトも多数あります。子どもたちの身近な題材から、日本文化を考えるきっかけになるかもしれません。

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