「コラボチーム」による地域との関わり〜彩都の丘学園の取り組み〜

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目次

1 はじめに

この記事は、大阪府にある箕面市立彩都の丘小学校・中学校(通称:彩都の丘学園)の取材をまとめたものです。副校長である髙田康之先生にお話を伺いました。本記事では、学校から積極的に地域と関わるにはどうすれば良いか、またどんな実践があるのかについてインタビュー形式で紹介していきます。

2 取り組みについて

「コラボチーム」という考え

Q.「コラボチーム」とはなんでしょうか?

A.本校では、「繋がり」を教育目標に掲げ、その実践を子どもたちを取り巻く地域の方々や企業の方々とできるように様々な活動を行なっています。その際に、設置しているのがコラボチームです。コラボレーション(共同)の略の「コラボ」に、チームでやっていこうという願いを込めて「チーム」を組み合わせて名付けました。コラボチームの活動では、地域が学校を、学校が地域を活性化するというサイクルをいかに創るかをテーマにしています。そして、「できる人ができる時にできることを」というフレーズを大切にしてきました。

Q.なぜ、そのような取り組みをなさっているのですか?

A.私たちの学校がある箕面市彩都はいわゆるニュータウンで歴史ある街ではありません。7年前の開校と同時に住宅が整備されたような歴史の浅い街です。他の地域から来た人ばかりの集合体ですので、学校が中心になって横とのネットワークを繋げていくような仕掛けをしていかければなりません。コミュニティづくりというのは、ニュータウンに限らずどこの街でもやっていかないといけないことです。

Q.先生はどのようなコミュニティが理想だとお考えですか?

A.自分たちのことは自分たちの力で解決できる、そういったコミュニティです。もし、子どもたちが街で悪い行いをしていたら、親や教師でなくても注意できるコミュニティでありたいなと思うのです。幼いころから知っている大人であれば、挨拶くらいはするでしょうし、言うことも聞くでしょう。そのコミュニティの子どもたちを放任してしまうようでは、進学や就職で一度離れてしまった場合、結婚や子育てを機に再びその街に帰ってこようとは考えにくいでしょう。そこで、私たちは地域の学校という立場から、子どもたちが帰ってきたいと思えるコミュニティを作っていこうと考えています。

具体的な取り組み例

Q.具体的には、どのような取り組みがありますか?

A.大阪大学の学生との交流や「花いっぱいプロジェクト」のへの参加、「ロバの音楽座」楽団とのコラボなどがあります。そのほか、地域の企業や地域の方々と様々な取り組みをしています。イベントを行う際にこんな活動がありますよとアドバルーンをあげ、そこに応募するような仕組みにしています。そこには、負担を感じず細く長く続いていくような取り組みができたらという思いがあるからです。


http://blog.goo.ne.jp/minohblog/e/cea88374dfa53eeed121b3ccaa3c7678より引用

 <関連リンク>
・箕面市公式ブログ「彩都の丘小校区に「青少年を守る会」が発足!箕面市内すべての小学校区に「青少年を守る会」が結成!」
http://blog.goo.ne.jp/minohblog/e/cea88374dfa53eeed121b3ccaa3c7678
・大阪府「花いっぱいプロジェクト」
http://www.pref.osaka.lg.jp/ikedo/kyodo/hanapro.html
・彩都(国際文化公園都市)建設推進協議会「彩都の丘学園で「環境×運動会」が実施されました!」
http://www.saito.tv/news/info/entry-400.html
 

Q.学校に地域の方が来られることは多いでしょうか?

A.はい。地域の防災訓練でも、実際に学校に避難してみたりしています。たまたまAEDのメーカーに勤めている方が地域にいらして、講師として使い方を教えてもらったこともあります。色々な面で「こんな人が地域にいたんだ」という気づきもあります。

3 取り組みから得るもの

Q.学校から積極的に地域に関わりを持っていくことで、たくさんの繋がりが生まれているのですね。

A.そうですね。私たちの活動の根底には、どうせやるなら楽しくやろうというコンセプトがあります。そして、コラボチームで関わった地域の方々をはじめ、大阪大学の学生やロバの音楽座などの繋がりが出来上がりつつあります。
 色んなイベントをコラボしながらなど行っていますが、徒労に終わるということはほとんどありません。子どもたちの笑顔など必ず何かが返ってきますので、大人たちはやってよかったなと次回も進んで協力をしているといっても過言ではありません。

4 彩都の丘小学校・中学校について

 大阪府箕面市立彩都の丘小学校・中学校

愛称は彩都の丘学園。2011年に開校し、夢・未来に向けて、自ら「学ぶ・鍛える・つながる」子どもの育成を教育目標に掲げている。小学校と中学校が一体となっており、1年生から9年生と割り振り、長期的な学びができることが特徴。大阪大学外国語学部や近隣の教育機関、ライフサイエンス企業と連携をしており、学外の学びも大切にしている。そして、地域の方々とともにつくる学校を目標に積極的な関わりを続けている。

5 編集後記

 
 ネット社会を生きる私たちは、以前より地域との関わりが薄れつつあるのではないでしょうか。そんな時こそ、学校が主体となって子どもたちと地域との関わりを見直してみてはどうでしょうか?関わりを持つことで、今までになかった発見や新たな取り組みへの第一歩になるかもしれません。
(取材・編集:EDUPEDIA編集部 潮龍太、石川桃子、宮嶋隼司)

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