Edcamp方式の校内研修のすゝめ ①(高校での取り組み)

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作成者:Jun Mizushima (Edupedia編集部)さん

1 はじめに

 テーマを予め決めて行う研修、参加者には一種のやらされ感はありませんか?
また、テーマを設定する側は、参加者の最大公約を考えるのが負担になっていませんか?

 Edcamp方式の校内研修は、気楽にできる一方で参加者の満足度が高い研修です。
 ※Edcamp自体の説明は本記事最下部で紹介をします。

2 方法

 研修担当者が準備するのは、基本的には模造紙と付箋とペンのみ。

 参加者は当日自分たちで議題を出し、それをホワイトボードや黒板に張り出していきます。
同じような議題はまとめたりしながら、同時に行うセッションの数と時間帯の分け方次第で、研修テーマはいくつにも広がっていきます。右の例では4つのセッションを同時に行い、2つの時間帯が設けられているので全部で8つのテーマについて話せる形となります。
 たとえ自分で議題が思いつかなくても、出た議題の中から興味のあるものを選ぶことができます。

 各セッションでは議題を出した人がファシリテーターとしてそのセッションをまとめ、書記や記録はセッションの中で分担してもよいし、皆が模造紙に協力して書いていく形でも構いません。
 セッション中、話の途中でも別のセッションに移ることも可能です。興味あるテーマが同時間帯に二つ以上ある場合や他のセッションの盛り上がりが気になる場合は移っても構いません。
 最後は、まとめに変えて、「本日の学び」の共有を行ったり、向こう1カ月の「Next Action」を宣言します。

3 取り組みの結果

 ある自治体の高校でこの方式に取り組み始めました。その高校ではベテラン教員がまもなく大量に退職を迎える時期を迎えていて、若手中堅教員での研修が必須になっていました。ただ、高校は教科もばらつきがあり、興味関心も多岐にわたる中で共通のテーマが見出しにくく、研修の在り方を模索していました。
 そこで、Edcamp方式を取り入れてみると、自分で議題を出したり、選ぶことができたので、若手の主体性が上がり、今までの研修に比べて個々人の課題や問題意識に近い内容のテーマで話し合いができ、満足度があがりました。

 現在、学校の課題は山積しています。今までの方法では解決できず、それがまた多忙感を生み出します。若手に指導する部分ももちろんありますが、一方で若手の柔軟な発想を尊重して一緒になって課題解決をしていく時代になってきたと思います。Edcamp方式は、学校内で若手ベテラン関係なく、情報の共有や課題解決の糸口を見つけるための話し合いの場になる可能性を秘めていると思います。

4 Edcampとは?

Edcampは、参加する教育の実践者が中心となって、明日からの学校・学びをもっとワクワクさせるために自分たちでテーマを決め、セッションを自分で選択し、様々な立場の人が枠にとらわれず、自由に発言できる、参加者同士がアクティブラーニングできる場です。日本での取り組みはこちらから見られます。
Edcampの動画(英語版)はこちらです。

どこでどのような意図ではじまったのか

「公的な研修の機会は、面白くない」そんな問題意識を持ったアメリカのフィラデルフィアの先生がこの取り組みをスタートしました。
教育現場の課題は様々で、それぞれの教育関係者が学びたいこと、議論したいことが違っているのに、「かゆいところに手が届く」「すぐに活用できる」ような経験が得られない。
だから、自分が議論したいテーマと同じ問題意識を持った関係者が自然に集まり、学校の先生が、民間企業や保護者、行政など、様々な立場の人とつながり、アイデアをシェアし、意見を交わし、学ぶことができる場をつくりたい。
そうした思いから、
・ いくつものセッションを同時に開催する形態で行う。
・ セッションのテーマは、当日カンファレンスの冒頭に、参加者が案を出し合い決定するう。
・ 参加者は多数のセッションの中から、自分の興味のあるテーマのセッションに参加する。
・ セッションは、提案者がファシリテーターとなり、参加者全員が主体的に参加する。
というルールで第一回のカンファレンスが開催されました。
以来、80以上の国と地域で、教育の実践者たちの共感を得て、これまでに1000回以上が開催されてきました。

コメント
  • 模造紙やプロッキーなどを準備し、場所と時間を決めて人を集めるだけで出来るところが良いですね。 問題は教員をどうやって集めるか。「校内研修会」ということならちゃんと集まる学校はいいのですが、そうではない場合、年度初めの茶話会とか新人歓迎のお茶会とか、集まる必然性を作ってしまった上で、いつの間にかedcamp方式のセッションに導くようなデザインが必要かもしれません。そういう意味でも、集まった直後、トピックを出す前のアイスブレイクが大事ですね。

  • Jun Nonaka (1/13 8:56)

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