【施設紹介】特別支援教育の総本山 国立特別支援教育総合研究所

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目次

1 はじめに

本記事は、国立特別支援教育総合研究所(特総研)で、平成29年11月11日(土)に行われた研究所公開における取材及び施設見学の記事です。特別支援教育の総本山である特総研では、どのような施設があり、研究がされているのか、特総研総務部総務企画課 筒井純さんに語っていただきました。

2 国立特別支援教育総合研究所とは?

特総研では、障害者権利条約で唱えられているインクルーシブ教育システムの構築に向けて、特別支援教育を一層推進するため、日々研究、研修、情報普及等に尽力されています。ここでは、インクルーシブ教育システム推進センターや発達障害教育推進センターが設置されています。その中で、地域や学校が直面する課題、そして国の施策や学校現場の課題に対応しています。

3 研究所公開にあたって

今回の研究所公開をした意図は、2つあります。

「特別支援教育」について理解啓発

特別支援教育では、支援機器を使用したり専属の先生がついたり、一見して「特別扱い」を受けているように見えています。しかし、これは特別扱いではなく、他の子と同じように教育を受けるために必要な支援なのです。研究所を一般公開することで、この事実を周囲の子どもや保護者に知ってもらう場を設けています。

支援機器の紹介

「教育現場では、どのような機器が使用されているのか。」や、「どんな環境が形成されているのか。」など、普段目にすることがない特別支援教育の実態を、一般の方でも触れることができます。

4 支援機器って?

今回は各障害領域で使用できる支援機器について紹介されているなかから、2つご紹介します。

専用スペース

ADHD等に当てはまる子どもたちが癇癪を起こしてしまった後、もしくはその予兆がでた時に休憩のスペースとして使用することができます。予備校等の自習スペースのような形状をしていて、一人ひとりが落ち着ける場となっています。

今までは、別教室に出て対処をする・落ち着くことが主流ではあったのですが、これを教室内に設けることによって、児童・生徒の出入りによって教室の雰囲気が切れずにわかるので、自分の机に戻りやすくするのが狙いです。

スヌーズレン

オランダ発祥で生まれた活動とその理念のことです。オランダ語で「スニッフレン:クンクンとあたりを探索する」と「ドゥースレン:ウトウトくつろぐ」が組み合わさってできた造語であり、「自由に探索したり、くつろぐ」様子を表しています。どんな障害を持っていても楽しめるように、光や音、匂い、振動、温度、触覚など、様々な刺激を体感することができるコンテンツで構成されています。

障害を持つ方のほかにも、高齢者支援施設関係者からも注目されている施設・環境であります。

特総研が運営している支援教材ポータルサイトでは、様々条件を選択することで、その子にあった支援機器を抽出することができます。是非ご覧になってください。
支援教材ポータル:http://kyozai.nise.go.jp/

5 先生を助ける「実践実例」

この記事をご覧のみなさま、「インクルDB」はご存知ですか?

インクルDBとは、インクルーシブ教育システム構築支援データベースを省略した名称になります。このサイトには、特総研が情報収集したインクルーシブ教育の実践例が掲載されています。検索の際には、キーワード検索もしくは障害種や在籍状況、学年などを選択することができ、必要な情報を得ることができます。

実際に現場でインクルーシブ教育に直面されている先生方にとって参考にしやすいのではないかと思われます。支援教材ポータルと合わせて是非ご活用ください。

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