【カードゲーム型防災教材】災害協力シミュレーションゲーム「ダイレクトロード」(神戸市消防局)

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作成者:津田 佳歩 (Edupedia編集部)さん

1 はじめに

本記事では、神戸市消防局の提供している災害協力シミュレーションゲーム「ダイレクトロード」についてご紹介します。「ダイレクトロード」は、ジグソーメソッドの要素を取り入れたカードゲーム型の教材です。災害が発生した際にどんな行動を取るべきか、子どもたちはこのゲームに取り組みながら学ぶことができます。
ここでは、岩手県立北上翔南高等学校の吉田武夫先生によるアレンジが加えられたゲーム形式をご紹介します。1時限50分×2コマで実施することができ、かつ指導者1名で実施できるなど、学校の授業でも活用しやすいように工夫が施されています。

また、本記事にはダウンロードして使用できる教材データも添付しております。ぜひ、明日からの授業にお役立ていただければと思います。

以下、こちらの内容に沿ってゲーム内容をご紹介します。
いわて国際理解教育研究会改変版 ダイレクトロード「海辺の町」.pdf

※「防災教育」に関するその他の記事は、こちらからご覧いただけます。
https://edupedia.jp/articles/keyword/53233f7c059b682d585b47a5

2 ゲーム概要のご紹介

 ①概要

舞台は、巨大地震が発生し、混乱した町。それぞれが持ち寄った情報を基に、町の位置関係や被害状況を把握して、被害への対処方法を見つけます。そして、周りにいる人(役)に、4種類の的確な指示を出すことを目指します。ただし、それぞれの情報は、全て口頭で伝え合うのがルールです。

 ②対象および人数

このゲームの対象および人数は、以下の通りです。
対象:中学2年生以上
人数:1グループ5~7人(複数のグループで同時実施可能)

 ③必要なもの

このゲームに必要なものは、以下の通りです。
「海辺の町」地図:グループに1枚
情報カード(28枚): グループに1セット
指示書(4枚)・宣言書(1枚):グループに1セット
採点表:グループに1枚
筆記用具:グループに鉛筆数本・消しゴム
Looking back用紙:人数分
タイマー:1個
リングベル:1個
おもちゃマイク(うまく話せない子どもがいるときに使用する。なくても良い。)

※各種教材データについては、本記事の末尾からダウンロードしていただけます。

3 実施方法(1時限目)

 ①グループ分け・教材配布

生徒を5~7名ずつの班に分け、各班にゲームセット(地図・情報カード・指示用紙)を配付します。

▼地図

▼情報カード
※グループのメンバーに、情報カードを裏向けの状態で1枚ずつ全て配ります。

▼指示用紙(消火指示・救護指示・救助指示・避難呼びかけ指示)

 ②ゲーム説明(①②合わせて5分)

配布物が行き渡ったら、下記の内容を説明します。
1.想定
2.課題
3.約束
4.その他のポイント

 <1.想定>

ここは瀬戸内海に面した美しい海辺の町。

ある日、とうとう南海トラフ地震が発生し、この町にも大きな被害が出ています。すでに地震発生から15分が経過していますが、残念ながら外部からの救援隊の到着は期待できません。皆さんは、消防隊員、消防団員として、それぞれが持ち寄った町の情報や知識を基に、周りにいる人たちと協力して、行動すべき事を宣言、指示として示し、さまざまな被害に対処してください。

なお、この町には、地震発生から80分で津波が到達すると予測されています。したがって、自分たちが避難する時間も考慮すると、救援のために活動できる時間は45分間です。

 <2.課題>

(1)グループのみんなが持っているカードの情報をもとに町の位置関係と被害状況を把握しながら、被害への対処方法を見つけてください。

(2)1つの宣言と4つの指示書を作成して、できるだけ早く提出して下さい。

 <3.約束>

このゲームでの約束は、以下の通りです。

○自分のカードは、他の人に見せてはいけません。書かれてある情報は、全て言葉にして口頭で伝えてください。ただし、No.2・24・26・27のカード(暗号カード)は、みんなで見て構いません。なお、カードを折ったり、カードに書き込みをしたりしないでください。

○カードの情報をそのまま書き写したり、一覧表を作ったりしてはいけません。ただし、地図の中に分かった情報を書き入れていくのは構いません。 

 <4.その他のポイント>

他にも、以下のような点についてあらかじめ押さえておきます。
○活動結果には得点がつきます。宣言書、指示書は作成後、提出されて得点になります。
○このゲームは、時間との闘いです。
○宣言や指示の中には、一定の時間内に提出しないと0点あるいは減点になるものがあります。
班名を決め、宣言書、指示書、採点表に記入しましょう。採点表は回収します。

 ②ゲーム実施(45分)

ゲーム開始後は、リングベル等で注意を促し、以下の内容を指示します。

また、宣言、指示書が提出されたらグループ名を確認し、提出時間を採点表に記載します。 このとき、班ごとに提出するBOXなどを用意し、提出場所を決めておくと、記名を忘れた班があっても取り違えにくくなります。

 <指示内容>

ゲーム中は、経過時間に合わせて、子どもたちに以下のような指示を出していきます。

〇開始前
宣言書、指示書が提出されたことでその内容が実行されたとみなします。優先順位を考え、提出して下さい。なお各書に班名ももれなく書いて下さい。

〇5分後
青いカード(FIRE)は最初にすべきこと(消火活動)を示しています。

〇15分後
井上さんに関する情報を持っている人は、その内容を仲間に伝えて下さい。そして、井上さんの居場所が分かったらすぐに、「井上さんは自分が助けに行ってきます」と宣言する救出宣言書を書きましょう。

〇20分後
皆さんの持っている情報は全員に共有されました。ここからは全員でカードを見て結構です。

〇25分後
井上さんの自宅は、隣の家の火事の延焼で焼け落ちました。救出宣言、または消火指示のいずれも出ていない場合は、残念なことに井上さんは死亡です。

〇30分後
確認します。最重要カードはNo.24のカードです。このカードをよく見ると、誰の家がどこにあるかが分かるヒントになります。

〇45分後(ゲーム終了)
ゲーム終了の時間です。全ての活動をやめて、全員高台に避難ということで今日の授業は終わります。

4  実施方法(2時限目)

 ①相互採点(10分)

各班で相互採点をします。

宣言書、指示書、採点表をひとまとめにして採点する班に渡し、採点表に従って採点させます。なお、間違いはマイナス点として減点していきます。

▼採点表

 ②得点発表・順位発表(5分)

採点表を回収し、順位をつけます。黒板等に表の形で、得点と順位を示すと良いでしょう。採点表などは、実施した各班に返します。

 ③振り返り(20分)

グループごとに振り返りをしたのち、そこで出た意見をクラス全体に共有します。

 <1.話し合い>

次の点について班ごとに話し合います。
○ 配点の意味
例)救出宣言書の得点獲得の条件が厳しいのはどうして?
  なぜマイナス点がつくのか?
○ クイズのようなカードが含まれている理由
○ 活動して分かったこと
○ 難しかったこと

 <2.全体共有>

話し合ったことに班ごとに発表します。このとき、出た意見を黒板などに書き取っていくと良いでしょう。

 ④意見交換(5分)

振り返りを踏まえて、さらに意見がないか、子どもたちどうしで意見交換をします。

 ⑤Looking back用紙への記入を行います。(10分)

▼Looking back用紙

5 教材データ

各種データは、こちらからダウンロードしてご利用ください。

※地図・Looking back用紙はこちらから
DIRECTROAD「海辺の町」4タイプ共通部分.pdf

※情報カードはこちらから
DIRECTROAD「海辺の町」情報カード(Basic).pdf
DIRECTROAD「海辺の町」情報カード(Basic)フリガナ付き.pdf
DIRECTROAD「海辺の町」情報カード(Serious).pdf
DIRECTROAD「海辺の町」情報カード(Standard・Master共通).pdf

※指示書はこちらから
DIRECTROAD「海辺の町」指示用紙(Basic).pdf
DIRECTROAD「海辺の町」指示用紙(Standard・Serious共通).pdf
DIRECTROAD「海辺の町」指示用紙(Master).pdf

※授業の流れ・宣言書・採点表・ゲーム解答はこちらから
いわて国際理解教育研究会改変版 ダイレクトロード「海辺の町」.pdf

※フィードバック用紙はこちらから
フィードバック用紙.xlsx
実施後は、フィードバック用紙で結果やご意見・ご感想をお送りください。取りまとめが大変な場合は、Looking Back用紙をそのまま送っていただいても構いませんので、ぜひお願いします。
 
◇備考◇
Basic:中学生向け
Standard:中学生、高校生向け
Master:防災関係者向け
Serious:暗号カードを含まない(難易度はBasicに近い)

*********

ダイレクトロードは、防災知識の幅広い普及啓発を目的として、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス 表示-非営利-継承(CC BY-NC-SA)のもとに神戸市消防局が提供しています。無料でご自由に使用・転載・複製・改変して構いませんが、改変またはダイレクトロードをベースに別のゲームを作成した場合は、そのデータを誰でも使用できるように公開し、神戸市消防局サイトとの相互リンクをお願いします。

また、ホームページ等に実施結果等を掲載する場合は、ダイレクトロードの名称および神戸市消防局サイトのアドレスの掲載をお願いします。  

6 サイト紹介

神戸市消防局 災害協力シミュレーションゲーム「ダイレクトロード」紹介ページ

http://www.city.kobe.lg.jp/safety/fire/bousai/directroad.html

7 編集後記

災害時の対応について学ぶことのできるゲーム型の授業アイデアについてご紹介しました。地震をはじめとする災害は、もはや誰にとっても他人ごとではありません。この「ダイレクトロード」を活用して、自分や周りの人の命を守るために何をすべきか、子どもたちと一緒に考えてみるのはいかがでしょうか。

(編集:EDUPEDIA編集部 津田 佳歩)

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