【高校英語】writingの指導〜SSCC(同時自己添削英作文)の実践について〜

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作成者:ryuta ushio (Edupedia編集部)さん

1 はじめに

本記事は、2018年6月20日に行われた「立命館中学校・高等学校 公開授業研究会」における高校英語科を取材・記事化したものです。授業担当者は、今井康人先生です。

本授業は、"Simultaneous Self-Check Composition" 通称SSCC (同時自己添削英作文)という、自由・課題英作文の実践となっています。4技能5領域の統合を図るWritingの指導となっており、特にSpeakingとの関連を意識させています。ぜひ一度ご覧ください。

2 SSCC(同時自己添削英作文)の実践

SSCCの実践は以下の流れで行いました。

①先生の日本語文を聞きながら、英作をノートに行う
②全員で音速を行う
③シャドーイングを行う(ペアワーク)
④もう1度全員で音読する
⑤クイズを行う
⑥日本語から英語へ翻訳(ペアワーク)
⑦意見交換をする(ペアワーク)

①先生の日本語文を聞きながら、英作をノートに行う

まず最初に、生徒たちは先生が話す日本語の文を聞き取ってから、その内容を英訳します。本授業の題材はmobile phoneに関する文章で、1文あたり8~15words程度です。全て合わせると約110wordsになります。英訳をする時は、間違えても良いので辞書等は用いないようにします。今井先生は、生徒たちの英作が終わったら正解を板書し、解説を行って次の文に移ります。生徒たちは、解説を聞きながら自分の英作文を添削していきます。一方的に解説するのではなく、文法の用法について問いかけを行うことで生徒たちを巻き込むようにしていました。

②全員で音読を行う

完成させた英文を全員で音読します。全て音読し終えたら、最初に戻って3回ほど繰り返します。1回読むごとに音読のスピードを上げ、さらに黒板の英文を徐々に消していきます。このようにすることで、英文を生徒の頭の中へ落とし込む「内在化」を図っています。

③シャドーイングを行う(ペアワーク)

続いて、生徒たちはペアでシャドーイングを行います。立ち上がって2人1組になり、じゃんけんで音読の順番を決めます。1人は、黒板を見ながら音読をします。もう1人は、黒板に背を向けて、耳で聞いた音声をそのまま声に出していきます。終えたら、立場を反対にして繰り返します。

④もう1度全員で音読する

ペアワークが終わると全員で音読をします。この時、黒板の英文をほとんど消してしまいます。

⑤クイズを行う

次に、生徒たちは今井先生から出されるクイズに答えていきます。生徒たちは立ち上がり、先生は穴あきの音読をしていきます。英作で触れたポイントや穴あきの部分のクイズを出題します。解答できた人から着席ができます。音読やシャドーイングのおかげか、生徒たちは非常に素早く解答をしていました。

⑥日本語から英語へ翻訳する(ペアワーク)

③と同様に、じゃんけんをして順番を決めます。1人は本文の日本語訳を音読します。もう1人は、聞いた日本語を英文に翻訳し音読します。この際、出来るだけノートを見ないようにします。日本語で音読する人は、英訳する人がつまずいた時にヒントを与えていました。終えたら、立場を交代して繰り返します。

⑦意見交換をする(ペアワーク)

授業の最後に、生徒たちは「13歳以下の子どもが携帯電話を持つことに、賛成か反対か」についてどちらかの立場を決めます。次に、その立場を支持する意見を述べていきます。今井先生は、先ほど作成した英作文に使用したフレーズを積極的に使うように働きかけていました。

3 プロフィール

今井 康人(いまい やすひと)先生

1960生まれ。立命館中学校・高等学校(京都)教諭(マイスターティーチャー)として勤務。
*マイスターティーチャーは立命館グループ付属校の教職員に対する指導教員

1982年札幌大学外国語学部英語学科卒業
1982年に北海道立高等学校教員採用試験に合格してから3校(上の国高校5年、札幌拓北高校8年、函館中部高校15年)で29年勤務したのち、立命館慶祥中学校・高等学校(札幌市)に3年勤務し、その後、立命館中学校・高等学校(5年目)に勤務している。どの学校でも英語科主任として英語教員のリーダー的存在として活動することができた。特に2003~2010年までの8年間、北海道立函館中部高校SELHi研究主任などを務め、音読・暗写を核とした英語学習法「HCラウンドシステム」をチームで開発・実践し、注目された。2006年8月バスケットボール世界選手権(札幌)において通訳業務を行った。また、1996年から2013年まで実用英語技能検定面接委員を務めた。2006年6月東日本地区ALT約1000人にプレゼンテーションを実施し、好評を得る。英語授業研究学会会員。

現在、37名の英語教員と共に指導的立場で教育活動を行っている。34年間、高等学校で教鞭をとっている。2014年6月に新英作文指導法「SSCC(同時自己添削英作文)とCOC(連鎖意見英作文)」を研究開発。その指導法は全国に広がっている。また、各出版主催の英語教育セミナーを全国(東京、大阪、札幌、仙台、名古屋、福岡など)で1年に10回程度行っている。さらに、英語教育今井塾(現職英語教員対象)を展開し、1年に3回程度英語教育セミナーをボランティアで開催し、後輩の育成に尽力している。趣味は写真撮影、映画鑑賞。日々、充実した教育実践、著作、講演活動を行っている。

著書一覧




『Hokkaido - A wonderful world』(共著、文英堂)

DVD
『北の英語大学~英語教育実践の達人から学ぶ~(今井康人先生の講義)』(ジャパンライム)
『COMET英単語』(数研出版)(執筆)
『Rapid Reading Level 1~3』(美誠社)英文速読教材(単著)
『Active Writing』(啓林館)英作文問題集(監修・分担執筆)

4 編集後記

SSCCにおける授業の流れについてご紹介させていただきました。音読だけでなく、ペアワークやクイズなどを用いることで、生徒たちがアウトプットをできる工夫がされていました。本記事の実践が、writingの指導の一助となれば幸いです。

(編集・文責:潮 龍太、倉橋 俊平)

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