1 はじめに
本記事では、小学校5年の「わたしたちの国土」の単元より【国土の地形の特色】に関する指導案や参考になる資料について、EDUPEDIAサイト内、またはインターネットで閲覧できる記事を紹介いたします。
各教室の実態や先生方のスタイルに合わせてアレンジすることで、より良い授業のヒントになることと思います。
※本単元について、学習指導要領の第5学年では、次のように示されています。
目標(1)我が国の国土の様子,国土の環境と国民生活との関連について理解できるようにし,環境の保全や自然災害の防止の重要性について関心を深め,国土に対する愛情を育てるようにする。
内容(1)我が国の国土の自然などの様子について,次のことを地図や地球儀,資料などを活用して調べ,国土の環境が人々の生活や産業と密接な関連をもっていることを考えるようにする。
ア 世界の主な大陸と海洋,主な国の名称と位置,我が国の位置と領土
イ 国土の地形や気候の概要,自然条件から見て特色ある地域の人々の生活
ウ 公害から国民の健康や生活環境を守ることの大切さ
エ 国土の保全などのための森林資源の働き及び自然災害の防止
2 目次
- ささやかな教育技術「季節風とくらし(5年生)」
- スクールTV「3.国土の気候の特色 わたしたちの国土」
- 未来広告ジャパン!(NHK for school)「日本の国土を調べよう」
- 嵐元秀「『日本の地形と気候』にプラスワン」
- EDUPEDIA「国土」というキーワード の学習指導案・授業案・教材 一覧
3 実践紹介
①ささやかな教育技術「季節風とくらし(5年生)」
日本の季節に大きく影響を与える季節風。すでに学んできた大人には常識に思えても、初めて勉強する子どもたちが、教科書の図や説明からその仕組みを理解するのは難易度が高いかもしれません。それをわかりやすく学べるのがこちらです。
子どもたちは日本の地形を学んできているので、山地が多いことを把握しています。
そこで、山地の写真をプリントアウトして貼り付けたものを山地に見立て、日本地図の上に設置します。
そこにうちわと紙片を用いて、北西から日本列島に吹き込む冬の季節風がどのような影響を与えるのかを実験してみます。
この実験を通して、冬の季節風が日本海を通ることで空気が水分をたくさんふくみ、その空気が山地にあたることで、日本海側に多くの雪が降る。その一方で、太平洋側では晴天になるということがイメージできます。冬の季節風による現象の理解も深まるのではないでしょうか。
②スクールTV「3.国土の気候の特色 わたしたちの国土」
日本の気候には季節の変化があり、南北に細長い国土のため地域差が大きいことが特徴です。南北で寒暖差があることを、桜の開花時期に着目して説明しています。春から夏にかけて降る雨である梅雨、夏から秋にかけて影響を与える台風、冬の日本海側に降る雪。その変化をもたらす季節風が人々のくらしに大きな影響を及ぼしていることを、わかりやすく説明しています。実際に講師の方が講義を展開しているので、授業の組み立ての参考になるのではないでしょうか。
③未来広告ジャパン!(NHK for school)「日本の国土を調べよう」
日本の国土について10分間でコンパクトにポイントもわかりやすくまとめてあります。まず、日本の領土を考える上で欠かせない北端の択捉島・南端の沖ノ鳥島・東端の南鳥島・西端の与那国島。単に島の名前を覚えるのではなく、その島がなぜ日本にとって重要なのかを海洋資源の面から考えさせてくれます。また、人の住んでいない小さな沖ノ鳥島を守るために、国がどのような対策をしているのか、その様子も興味深いです。そして、山地が国土の3/4を占めていることと、そこから海にそそぐ川の流れが人々の生活にどのような変化をもたらすのかという様子を映像で紹介しているので、今後の人々の生活の単元へとつなげる導入にもなるでしょう。
④嵐元秀「『日本の地形と気候』にプラスワン」
「日本の地形と気候」の配当時間が3時間。この中で日本の気候と地形の特徴をつかむための授業の進め方とポイントが記載されています。例えば、日本の気候の違いと地形の関わりを学ぶうえで、桜前線と紅葉前線の資料から入りますが、読み取りの苦手な子どももいるので、導入に次のような工夫を加えます。「外国から来た人に日本はどんな所かをどう説明しますか」という答えやすい発問から入ることで、関心を引き寄せます。
その発言から目的とする桜前線と紅葉前線の資料に目を向け、新たな発問→発言を繰り返すことで、日本の地形の特色が気候の違いと関わっていることへの気づきへとつながっていきます。
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