児童・生徒が主体的に運営する学級づくり(学級力向上研究会)

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作成者:藤原 康平 (Edupedia編集部)さん

1 はじめに

本記事は、2018年11月18日(日)に梅田センタービルで行われた「第10回学級力向上研究会」及び学級力向上研究会を支援している「公益財団法人理想教育財団」を取材し、編集させていただいたものです。学級力向上研究会では、アンケート調査に基づき、子どもたちに主体的に学級づくりをさせる学級力向上プロジェクトを実践している先生方がその成果を報告する場です。また公益財団法人理想教育財団は、学校・家庭・地域社会全般にわたる心の通い合うコミュニケーションを確立するために、学級力向上研究会の他にも様々な取り組みをされており、その内容を本記事で紹介します。


(学級力向上プロジェクトの際に行うアンケート調査の推移)

2 理想教育財団について

理想教育財団は、学校・家庭・地域社会全般にわたる心の通い合うコミュニケーションの確立を使命として、豊かな人間性涵養の基礎となるべき教育方法の探求と、教育現場でのより良い情報伝達の追求を目的に活動しています。学級や学校通信のコンクール、学級力向上研究会の支援、はがき新聞を利用した授業方法の提案(3.学級力向上研究会で後述)などを行っています。
学校から発信される学校通信や学級通信などは学校・家庭・地域を結ぶ重要なコミュニケーション手段です。ところが大学の教職課程にて通信づくりを教える学校はほとんど無く、教職員の多くは先輩の通信を見習うか参考図書による独学が主流です。よって、理想教育財団はこの「通信づくり」を支援する為に各種通信を対象にしたコンクールを開催しています。
また理想教育財団は、学校現場における「学級力」(=学び合う仲間としての学級をよりよくするために、子どもたちがつねに支え合って目標にチャレンジし、友だちとの豊かな対話を創造する。そうすることで、規律を守り安心できる環境のもとで協調的な関係を創り出そうとする力)の向上を目指し、学級力向上研究会を支援しています。

3 学級力向上研究会(関西部会)について

学級力向上研究会では学級力向上プロジェクトを実践している教員が集い、各々の実践について報告し合い、学級力向上プロジェクトの実践について子どもたちの主体性がどの程度発揮されているのか、自治的な運営がなされているのかなどを議論します。


(学級力向上プロジェクトの実践報告)

学級力向上プロジェクトとは
①クラス全員を対象にした学級力アンケート(自己評価アンケート)を実施することで、クラスの学級力の状況がどの程度かを診断する(=Research)
②学級力アンケートの結果を図示した学級力レーダーチャートでクラス全員共有・診断した上で、数値が低い領域・項目などについて、改善に向けたアイデアを話し合い計画するスマイルタイム(=Plan)
③学級力向上のために子どもたちが主体的にスマイルタイムで出た改善案を行動として実施するスマイル・アクション(=Do)
④スマイル・アクションで行ったことを評価する(=Check)
⑤スマイル・アクションを改善し、再度行う(=Action)
このR-PDCAサイクルを通して子どもたちに主体的に学級づくりに邁進してもらうのが学級力向上プロジェクトです。学級力向上プロジェクトを通して、子どもたちが目指す「よいクラス」が実現するだけでなく、その過程で、子どもたちは主体的・対話的な能力(次期学習指導要領でも大切にされている能力)を身につけることもできます。
個性的で生き生きしたアイデアが子どもたちや学級担任の教員の方から生まれることを期待しているため、固定されたスマイル・アクションは定められていません。しかし、どんなクラスにも効果が期待できる標準的なスマイル・アクションもあります。
スマイル・アクションをより、内省的に振り返らせたり、自分の考えを伝え合わせたりする方法がミニ新聞形式のはがき新聞の作成です。はがき新聞は、はがきサイズの原稿用紙に、青色の罫線があらかじめ印刷されており、きれいに書ける上、カラフルに彩色もできます。1時間もあれば、1枚のはがき新聞を完成させられるため、子どもたちの学習意欲を容易に高めることができます。また、子どもたちが書いたはがき新聞を教室に掲示すれば、クラスの連帯意識が高まります。そして、はがき新聞に自分の決意や感想を文字にすることで、より考えが定着します。このようなはがき新聞は学級力向上のためだけでなく、普段の教科の勉強にも利用することができます。理想教育財団は、このようなはがき新聞を普及するため、はがき新聞の原稿用紙の助成や実践事例の紹介を行っています。このはがき新聞の一例として、国語の授業で取り組まれたものを紹介します。国語の授業でごんぎつねの技法・表現を勉強した際にこのはがき新聞は書かれました。子どもたちは、年齢の異なる人の感想も読みあえるようにと思って書き、そして小さい人にも分かるようにルビをうつなど細部にまで気を配って書きました。

(はがき新聞の一例)

4 編集後記

関西学級力向上研究会代表の今宮信吾先生は、学級力向上プロジェクトを行う上で教員は、学級を自分が創り上げるのだという気持ちは大事だがそこから脱却することが必要であり、教師の子どもたちへの信頼度が問われるとおっしゃっていました。学級づくりが失敗した際に、R-PDCAサイクルのCheckでなぜ失敗したのかを子どもたちに考えさせることも大切であり、たとえ子どもたちの自主的な学級づくりが失敗しそうでも、教員は子どもたちの意見を尊重して子どもたちを見守ることも必要なのではないでしょうか。 何よりも一番変えていきたいと思っていることは、子どもの学校・学級、そして学習に対する学ぶ意欲を自ら高めてほしいということであると今宮信吾先生はおっしゃっていました。詳しくは以下のホームページを参照してください。
https://kansaigakkyu.amebaownd.com/

参考図書
『学級力向上プロジェクト3』金子書房、2016年
『マンガで学ぼう!アクティブ・ラーニングの学級づくり』金子書房、2017年
『若手教員の学級マネジメント力が伸びる!』金子書房、2018年

                      編集・文責:藤原康平、潮龍太

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