学校と地域を結ぶ「地域コーディネーター」ー地域協働・教員の負担軽減に貢献ー

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作成者:来間 れいな (Edupedia編集部)さん

1 はじめに

学校教育における地域連携とはどのようなものがあるのでしょうか。今回は、東京都武蔵野市の市立小・中学校に導入されている、地域コーディネーターについてご紹介します。本記事は、2020年1月31日に武蔵野市教育委員会教育部指導課教育推進室学校支援コーディネーターの長村康司さんへの取材をまとめたものです。

2 地域コーディネーターとは

地域コーディネーターは、学校と地域の橋渡し役を担います。地域の志ある人たちと学校が一体となって、公立の小・中学校の教育活動を支援していきます。



 地域コーディネーターは、このような学校支援活動に必要な人材を地域から探し出し、学校へ紹介します。また、地域コーディネーターを取りまとめているのが学校支援コーディネーターで、上図の統括的なコーディネーターにあたります。

3 インタビュー概要

①学校と地域との関係作りについて教えてください。

学校は、保護者にとっても地域住民にとっても学び合いの場です。子どもは大人から、大人は子どもから、互いに多くのことを学びます。現在、地域のコミュニティの希薄化が問題となっていますが、子どもたちの活動支援に積極的に協力する大人が増えています。学校支援に集まった大人たちは、学校支援だけでなく活動を通して得られたネットワークを基に新たな「地域での学び」や「地域での活動」につなげ、人と人を結び付けていきます。

②学校と地域住民双方が抱える課題や地域コーディネーター設置の経緯を教えてください。

・学校…地域にどこまで協力を求めてよいのか、どのような方々がいるのか分からない。
  ・地域住民…学校への関わり方が分からない。協力できることはしていきたい。
 そこで、武蔵野市では2016年4月から全市立小・中学校に各校1名ずつ地域コーディネーターが配置されていす。原則1年の任期で、地域に精通した住民が校長先生に推薦され教育委員会が委嘱しています。例として、外国語学習支援のための人材発掘、職場体験先との連絡調整、登下校時の見守り、昔遊びなどの活動があります。
*活動の詳細につきましては、武蔵野市教育委員会教育推進室が発行する「地域と学校の協働通信」をご覧ください。
http://www.city.musashino.lg.jp/kurashi_guide/kyoikui/kyoikusuishinshitsu/1024640.html

③武蔵野市ならではの取り組みがあれば教えてください。

ビオトープを生かした校外学習があります。ビオトープとは植物や昆虫、魚など多様な動植物が共生している場所です。市内全12校の小学校に整備されています。校内の敷地に整備することで、子どもたちが自然環境と触れ合う機会を作ることができます。
 武蔵野市立千川小学校が管理するビオトープに行くためには道路を渡る必要があり、道路横断のための誘導人員が欠かせません。そこで、地域コーディネーターが地域の方々やPTA の方に安全誘導を依頼したり、地域の方々と協力してザリガニ釣りの体験などを実施したりしています。こうした取り組みにより、休み時間における安全管理も実現しています。

④地域コーディネーターの魅力とは何ですか。

子どもたちと触れ合えることではないでしょうか。学校に出入りし子どもたちと顔を合わせることで、子どもたちは次第に心を許し地域コーディネーターの方々に接するようになります。

⑤課題やそれに関する改善策はありますか。

現在の設置人数は各校1名ずつですが、複数人体制で活動する地域もあります。人数を増やすことは一人当たりの負担軽減につながるため、複数人体制を検討したいです。また、地域コーディネーターの方々が学校側の要望を聞くのみになりがちです。今後は、事前に十分な協議をする時間の確保が必要になります。来年度以降、事前に双方の意見を聞く制度を整えたいと考えています。

4 編集後記

今回の取材を通して、学校教育における「地域連携」の実践例を学ぶことができました。本記事が地域コーディネーターの認知度向上や活用促進につながる契機となれば幸いです。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 来間)

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