替え歌ゐんゐん

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目次

1 概要

パブリックドメイン音読集「替え歌♪ゐんゐん♪」(かえうた・うぃんうぃん)のPDFデータおよび音源(YouTube動画)を紹介します。

替え歌ゐんゐんのPDFデータ

重要語句や数列などを替え歌にしました。
替え歌の元曲は、童謡・唱歌など馴染みのある曲です。
韻を踏んだり、語呂に合わせたりして、楽しく覚えることができます。

なお、替え歌に使用している歌詞・曲は 全て「パブリックドメイン」(著作権保護期間が切れたフリー素材)を使用しています。
 教室でも家庭でも、安心して 利用することが可能です。

2 指導者のねらい

「替え歌ゐんゐん」は、学校現場にいたときから今日にいたるまで、コツコツ作りだめてきた 替え歌によるオリジナル音読集 です。

当初、有名詩文の音読・暗唱を中心に実践を積んできた私です。しかし、有名詩文でなくとも、韻(いん・ゐん)を踏んだようなリズミカルな文 であれば、楽しく読んだり覚えたりできるということが次第に分かってきました。

また、リズミカルとは言えない 散文や単語の羅列であっても、頭韻や脚韻を利用しながら替え歌に乗せる ことで、子どもたちは楽しく学習できるということも明らかになりました。読んで歌うことそれ自体が楽しければ、繰り返しは苦ではなくなります。楽しみながら重要語句を覚えることも可能になるのです。

題材中のことばを覚えると、子どもはそれに興味を持つようになります。「あ、それ知ってる!」「替え歌ゐんゐんに出てきた」と、実際に見たり出会ったりしたときに、ますます興味を持って調べるようになります。興味・関心があるから覚えるのではなく、覚えるから興味・関心を持つ こともあるのです。

コロナ禍により、声に出して読んだり歌ったりする学習を行うことがたいへん難しい学校があります。モジュール授業はもちろん、休校中の課題や家庭学習等で、替え歌ゐんゐんを活用いただければ幸いです。

3 対象

  • 全学年(小学校1~6年生)
  • 題材の漢字には全てルビ(ふりがな)が振ってあります。
  • 難しい漢字ばかりの題材も、1年生から楽しむことができます。

4 場面

  • モジュール授業
  • 家庭学習(音読・暗唱)
  • 休校中の自由課題 等

5 教材づくり

  ① 替え歌ゐんゐんのPDFデータをダウンロードする。

  ② 必要なページを印刷する。
  (内容や順番に決まりはありません)

  ③ 児童の実態や学級に応じて、児童数分、印刷する。

  • 左右見開きになるページもありますので、ご注意ください。
  • 印刷は文字写真モードが良いでしょう。
  • ルビが読みにくい場合、白黒モードや濃いめで印刷してください。

6 学習の際、あると便利なもの

  • カスタネット(必要に応じ)
  • YouTube音源(必要に応じ)

「なちゅーる」というチャンネルに「替え歌ゐんゐん」という再生リストがあります。
https://www.youtube.com/channel/UCOQOStVZPfD1ezcJeYnan2w

7 学習の進めかた

まずは、YouTube音源を聴きながら、一緒に口ずさんでみることをお勧めします。
替え歌の原曲や、カスタネットでリズムを取るイメージが分かるからです。

なお、音程は気にする必要はありません。
リズム良く読むことが大切です。

最初はゆっくり読み(歌い)、慣れてきたらスピードを上げていきましょう。

繰り返すうちに、音源や冊子無しでも歌えるようになります。

歌えるようになったら、メロディなしでの暗唱にも挑戦しましょう。

8 Q&A ~よくある質問と その回答~

Q 声に出さなくても、音源を聴くだけ・見るだけで、覚えられる?

  A 聴き覚えや映像記憶が特に優れている場合、聴いたり見たりするインプット(入力作業)だけで、覚えられる人もいます。しかし、一般的には声に出して、アウトプット(出力作業)を強化したほうが、忘れにくく記憶に残りやすくなります。

Q おすすめの題材は? 覚えていないのに、読みすすめても大丈夫?

  A 「数の単位」、「SI接頭辞」、「都道府県名」、「二十四節気」など、短くて、リズムの良いものが覚えやすい題材でしょう。また、覚えていなくとも、繰り返し読みすすめているうちに、少しずつ覚えられるようになります。また、簡単過ぎる題材は読み飛ばしても構いません。


 数の単位。難しい漢字が並ぶので最初は声が出ないかもしれない。しかし、読むのは意外と簡単。自習時間に漢字で書かせるのもオススメ。


 SI接頭辞。「メガギガ~♪」以降をすぐに覚えるはず。コンピュータの学習にも便利。覚えておいて損はない。


 都道府県名。1~47まで順番通りに覚えれば、地図指導もラクラク。時間を捻出できる。


 二十四節気。国語、生活科、朝会、小ネタ等で使える。黒板の日付や週予定表などに入れてみたい。季節の移り変わりに興味・関心を持つ子どもに育つ。

Q 題材が簡単過ぎて、飽きてきたという場合は? 

  A クラスで扱っていて、簡単だという声が多いと感じた場合、読むスピードを速めるなどして、負荷を増やしていくと良いでしょう。それでも「飽きた」「簡単過ぎる」という場合、実態に応じてその題材を扱うのはやめましょう。そして、ちょっと難しそうな題材に挑戦してみてはいかがでしょうか。

Q 題材が難し過ぎるのでは?

  A 難しそうに見える題材の見た目と、実際の難易度は一致しないというのが私の経験による持論です。難しそうに見える題材も、実際にやってみると、子どもはあっさり覚えるものです。低学年の子ほど、偏見を持たずにやってみようとする傾向があるようです。いろいろと試してみてください。

Q 覚える必要のない題材が多いと感じるのだが・・・

  A 学習指導要領に載っていたり、学年相応であったり、試験に出たりする題材が覚える必要のある題材であって、そうでない題材は覚える必要がない、そういう意味かと察します。子どもの判断基準は、「覚える必要があるか」ではなく「面白いかどうか」です。子どもはリズミカルで音の響きに特徴のある題材を特に「面白い」と感じる傾向があります。「多角形」「重・倍」「重奏」などは、おまけ程度に作ったつもりが、子どもたちには人気だったので、驚きでした。


 子どもたちには、なぜか人気の「重・倍」と「重奏」。大人が望む「大事だから覚えて欲しい」題材とはズレがある。

Q 替え歌にしなくても覚えている題材の場合、替え歌に乗せる必要はないのでは?

  A 覚えることが目的の場合、わざわざ替え歌に乗せて行う必要はないと思います。モジュール授業、朝の歌、国語の音読など、1日のリズムを作るのが目的の場合、すでに覚えていても歌ってみると良いのではないでしょうか。覚えている題材は、安心して声に出すことができるので、不安を解消したり、落ち着いたりする効果があるのではないかと考えています。

Q 意味が分からない難しいことばなのに、どうして覚えられるの?

  A 脳の記憶を司ると言われる「海馬」は、私たちが思うように、ことばの意味や価値、重要度を判別することができません。しかし、繰り返したことばを重要だと勘違いする傾向があると言われています。この脳の仕組みをうまく利用したいものです。繰り返し声に出していると、耳に残り、実際に聴いていなくとも、頭の中でぐるぐると再生されていることが多いと思います。替え歌ゐんゐんは、繰り返したくなるような曲とフレーズ、耳に残りやすい語呂などを意図的に用いています。

Q 意味を理解していないのに、読んだり覚えたりする必要があるの?

  A 覚えてから意味を理解するということがあります。また、覚えることによって、興味・関心を持ち、深く探求することがあります。興味・関心がないことに子どもを振り向かせるコツは、まず覚えさせることです。覚えることで、それが引き金となって、もっと分からないことが増え、調べてみたくなるものです。また、周囲から褒められ、認められる機会が多くなるので、それが自信にも繋がるでしょう。

Q 音源は、覚えて歌っているの? それとも見ながら歌っているの?

  A 録音時は歌詞を間違えないよう、念のため冊子を見ながら歌っていますが、もちろん暗唱できます。題材の歌詞(ことば)よりも、正しい音程で歌うことが難しく、そちらに苦労しました。なお、暗唱の際はもっと速く唱えています。

Q 正しい音程で歌わなければならないの?

  A 音程にこだわっていては、声を出すことが楽しくなくなってしまいます。正しい音程で歌う必要はありません。教師も子どもも、音程を気にせずに読んでみましょう。もちろん、正しい音程で歌うことを否定するものではありません。音楽の時間に行い、正しい音程で歌うことが目的の一つであるならば、音程に気を付けてみるのも良いでしょう。

Q 読むだけではなく、視写するのも有効なのでは?

  A ノートなどに視写してみることで、新たな発見もあるでしょう。「こうしなければならない」という使い方はありません。いろいろと試していただければ幸いです。

Q どうやれば、主体的な学びになる?

  A 好きな題材を選んで工夫して読んだり、題材について詳しく調べてみたりする活動はどうでしょうか。教師が一方的に決めるのではなく、子どもに「選ばせる」ことで、主体性を伸ばすことにつながるのではないかと思います。

Q どうやれば、対話的な学びになる?

  A たとえば、3~4人程度のグループを作り題材を選ぶ、グループ内で読み方を工夫する、小グループによる発表を聴き合う、といった少人数による対話的な学びがあります。これは、横の対話です。一方、一つの題材に焦点を当て、掘り下げて調べることも考えられます。先哲との対話と言われています。こちらは、縦の対話です。

Q どうやれば、深い学びになる?

  A 題材について、ただ読むだけでは「浅い学び」なのかもしれません。しかし、何度か繰り返し読んでいるうちに題材のことばを覚え、暗唱するようになってきます。そうなると、「〇〇は~という意味か」「ということは・・・」というように、新しい発見や疑問が次々と生まれてきます。既存の知識・技能を生かし、自らの考えを深め、広める状態になれば、それは「深い学び」と言えるのではないでしょうか。

Q どうやって評価すればいい?

  A 当たり前のことですが、指導したことを評価してください。リズムに乗って読むことを指導したのであれば、リズムに乗って読んでいることを評価します。口の形に気をつけて読むことを指導したのであれば、口の形に気をつけて読んでいることを評価します。一つずつ、少しずつ指導・評価することが大切です。一度にいくつも指導・評価しようとしないのがコツです。

Q コロナ禍で、どうやって授業で行えばいい?

  A 地域や学校の実態にもよります。従来の音読指導でも同様ですが、必ずしも大きな声を出す必要はありません。マスクをしていても、教師の手振りや目の表情、息を吸う鼻息といったジェスチャーで、タイミングを揃えることは可能です。十分に間隔を広げ、距離を保った状態でも、工夫次第でダイナミックな音読・朗読発表をすることはできます。また、学校の判断にもよりますが、意図やねらいを明確にしたうえで、家庭学習や宿題等で行うということも考えられるでしょう。その際は、YouTube音源を参考にしてください。

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