【著書紹介】『わたしはだれ?Who am I?』(ノーブスミーさん)〜絵本で学べるSDGs!〜

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目次

1 はじめに

本記事は、2020年12月発売の『わたしはだれ? Who am I?』(出版ワークス)について、著者のノーブスミーが皆さまに紹介する記事となっております。

2 書籍について

◎概要

コンセプト

本作のテーマは「地球は生きている!」。母なる地球の本当の価値やあるべき姿を多面的にやさしく描写し、子どもたちが「生命の大切さ」を学び、「自然を愛する心」を醸成することを願い、創作いたしました。また、日英文併記により、英語が学べる構成となっています。

企画背景

私共は、書店や学校・幼稚園などで数々の「子ども向けワークショップ」を行ってきました。そのなかで一つ感じたことがあります。それは「年齢が上がるにつれ、主体的な意見や考えを述べる率が低くなる」ということです。低年齢の子どもたちは、ワークショップのルールを逸脱した自由な発想を展開し、自身の独自性を周囲にPRします。一方で6、7歳くらいになると、周りの子たちの進捗や大人の評価を徐々に気にし始めます。「自分が創りたいことよりも、周囲の評価基準を優先させる」と「利他的に行動し、協調性を重んじる」ことは決して同じではないはずです。そこで私共が考えたのが、「子どもの主体性を誘発する絵本」の創作です。家庭での読み聞かせやワークショップでの体験をとおし、「自らの頭で考え、自らの意思で行動することの楽しみ」に子どもたちは気づきはじめます。

実際の授業の現場にて

先般、大阪府が主催する「オーサービジット事業」の講師として、阪南市立舞小学校を訪問し、授業を行いました。当日の児童は3年生の32人。授業テーマは「自分だけの世界を描こう」です。子どもたちには事前に『わたしはだれ?』を読んでもらい、自分が感じたままの「地球のイメージ」を膨らませてもらいます。ただ、絵画技術が未発達の段階ですから、参考資料の持ち込みも可としました。中には、図鑑のみならず他の絵本を座右に置いた子もいました。

子どもたちは八つ切り画用紙を真ん中で折り、画面左側に文字を入れ、画面右側に自分が想像した絵を描いていきます。そうやって、子どもたちは世界に一つのオリジナルストーリーを展開させます。物語の中盤あるいは結末を、自身の解釈で絵にしてみせるのです。

誰一人として、同じ結果にはなりません。「写実的な絵」「モノトーンの絵」「空想動物の絵」「植物の絵」など、多種多様でどれもが魅力的な作品でした。製作中、子どもたちのエネルギーがどんどん高まり、教室内が熱気に包まれていきます。まだまだ、授業内容のブラッシュアップは必要ですが、主体性や個性を育む取り組みとして、手応えを感じた次第です。

  • [対象年齢]小学校中学年~高学年
  • [判型]AB判
  • [ページ数]34
  • [本体価格]1,600円

◎類書との違い

従来のSDGsに関連した書籍の大半は、ファクトを列記し、読者に知識を与える構成になっています。本書ではテキストを短く詩的にすることにより物語の抽象度を高め、読み手がそれぞれ主体的にイメージできるよう配慮しました。登場キャラクターも擬人化し、さらに固有名詞をつけないことで、読み手を選ばないボーダレスな内容にしています。

◎こんな先生に読んでほしい

  • SDGsやESD(国連持続可能な開発のための教育,Education for Sustainable Development)にすでに取り組まれている方。また関心のある方
  • 子どもたちの自主性ならびに主体性を育てることに関心のある方
  • 青少年の健全育成に携わるすべての教育関係者・保護者

3 一部を紹介!

『わたしはだれ? Who am I?』(出版ワークス)より、一部を紹介いたします!
ある日どこからか、「わたしはだれ?」と声がした。「あなたは、さわやかなかぜ」と鳥たちが答えた。またある時、「わたしはだれ?」と声がした。「あなたは、なげきのうみ」と誰かが答えた。声の主は「わたしはだれ?」と何度も問いかける。はたして声の正体と呼びかけの目的とは……!? 「地球への思いやり」をテーマにした教育絵本。一般社団法人日本SDGs協会代表理事・堤晶子氏による寄稿文も掲載。

4 プロフィール

ノーブスミー (絵本作家)

ライターのノーブとイラストレーターのスミーからなるメルヘン創作ユニット。代表作に『たるとたたんのたいこまつり』『たるとたたんのくんくんぼうし』(出版ワークス)。2020年、『森のゲオルグ』(同社刊)が秋田県・埼玉県・神奈川県・沖縄県の4県で推奨優良図書に選定される。現在は、ファンタジー絵本・教育絵本・しかけ絵本などを中心に手がけている。

5 Amazonページ

6 読者へのメッセージ

ESDのスローガンが発生してから10年余が経過。近年、ESDの推進拠点であるユネスコスクールの数も飛躍的に増加しています。しかしながら、政府やユネスコ主導により局部的な盛り上がりを見せる一方、ESDが学校現場に浸透していないという意見も聞かれます。

研究者向けの学術書や指導者向けの手引書は徐々に整備されつつありますが、肝心の子どもたちに向けた書籍は少ないのが実情です。そこで私共は、幼い子どもたちにも理解しやすい「絵本」を制作しました。本書がESDの根っこを涵養する一助となることを願っています。

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