【オンライン社会科見学】新しい形の社会科見学を考える【コロナと向き合う】(キリンビバレッジ株式会社様インタビュー)

GOOD!
654
回閲覧
5
GOOD

作成者: Miyu (Edupedia編集部)さん

1 はじめに

本記事は、2021年3月31日にオンラインで行った、キリンビバレッジ株式会社 湘南工場様 へのインタビューを記事にしたものです。

今回は、コロナ禍におけるオンラインでの社会科見学についてお話を伺いました。

2 オンライン社会科見学

オンラインによる社会科見学の概要

キリンビバレッジ株式会社の湘南工場では、これまで社会科見学の受け入れをしてきました。しかし、新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言も発令され、昨年(2020年)の3月頃から対面での実施が厳しいものとなっていました。そのため、地域貢献の一環として社会科見学をオンラインで実施すれば、教育プログラムの助けになるのではないかと考えました。具体的なやり方としては、Zoomを用いて小学校の教室と工場とを繋いでライブ中継で社会科見学を行うというものです。

オンラインによる社会科見学のメリット

今までであれば近隣の小学校の子どもたちや先生方にしか社会科見学をしていただくことができなかったところを、オンラインになったことによって北海道から沖縄県までの全国どこにでも社会科見学の魅力をお届けできるというメリットがあります。

オンラインによる社会科見学における工夫

対面での社会科見学はこれまでお手洗いの時間も含めて120分間で実施してきました。しかし、オンラインでの社会科見学を実施することになってからは、長時間座って社会科見学の話を聞くために集中し続けることが苦手な子どももいるのではないかと考えたので、45分間で見学及び説明が終了するようにプログラムを変更しました。

オンライン社会科見学実施に向けた、教育委員会や学校との連携

実際にプログラムを作ってから教育委員会の方に見ていただいてアドバイスをもらったり、対面の社会科見学とどのような点で違う印象を受けるのかや、どのような教育的効果が見込めるのかについて話し合ったりしました。その中で、「製造ラインについてはもっとしっかり見たい」等、プログラムを作る企業の立場からは想定できていなかったことについてご意見をいただきました。

実際に参加した学校の先生方や、子どもたちからの声

オンライン社会科見学では、先生方から「外に出られない状況の中でも子どもたちが楽しそうにしている様子を見ることができて良かった」という声をいただきました。参加していただいた子どもたちからも、「本当に楽しかった!」という声の他にも、「こんなに飲み物のペットボトルがリサイクルされているとは知らなかった」という声をいただきました。こちらとしては、環境に対する取り組みについて考察を深めてほしいという狙いもあったので、一度のオンライン社会科見学でいくつもの視点を養ってもらえたことにやりがいを感じました。

オンライン社会科見学に際して、商品の名前の由来や会社名の由来について子どもたちからも質問が挙がり、子どもたちが将来飛び込んでいく社会に対して関心を持つ機会を作ることができているように感じました。

3 キリンビバレッジ株式会社湘南工場の社会科見学

工場内の一番の見どころ

工場内の一番の見どころとしてはやはり、製造ラインなのではないかと思います。昨年、近隣の小学校の先生方や子どもたちにオンラインで社会科見学をしていただきました。製造ラインの見学に差し掛かったときにはオンラインで見学をしてくれている子どもたちからは歓声が上がっていました。

社会科見学から子どもたちに学んでもらいたいこと

キリンビバレッジ株式会社の湘南工場では、「ボトルtoボトル」というペットボトルをリサイクルする取組みを行っています。それらの様子についてオンライン社会科見学を通して学校の先生方や子どもたちが見ることによって、教科書で学んだ「3R」等諸々の環境に関する知識が、実際に社会の中でも行われている取り組みなのだということが実感として蓄積されたら良いのではないかと考えています。

未来の飲み物について考えようというプログラムについて

私たちの工場ではペットボトルも作っているのですが、実際に飲み物を作っているところを見学した後に一つの工場で行われていることの種類やその背景にある工夫について学んでもらいます。そのうえで、「将来このような飲み物があると良いのではないか」「このようなパッケージであれば手に取ってもらえやすくなるのではないか」といったように「未来の飲み物」を自由に創造してもらうというプログラムになっています。

商品開発という意味での「未来の飲み物」の創造をしてもらうだけではなく、「環境への影響を加味したらこのような形の容器にしたほうが良いのではないか」といった具合に、様々な視点が盛り込まれた「未来の飲み物」を考えてもらうことができます。この取り組みをすることによって、社会科見学の振り返りもできるところが魅力なのではないかと考えています。

社会科見学と一般見学の違い

一般向けの工場見学は、「キリン 午後の紅茶」のおいしさの秘密を知っていただくことを目的に実施しています。それに対して、子どもたちに向けた社会科見学は学習指導要領の内容を参照し、それに沿えるようにしています。具体的には、飲み物が作られる過程における環境への影響や安心・安全な飲み物を作るための品質管理について等、小学生の社会科についてのプログラムを展開しています。

社会科見学以降の学校との連携について

対面での社会科見学をしていた頃は、社会科見学の後に子どもたちが書いた感想をまとめたものを学校の先生方からお送りいただいたこともあったので、工場内に掲載していました。フィードバック等についてはこちらからすることはありませんが、それらを見て子どもたちが大人になったときに「働いている大人の姿を社会科見学で見たなあ、楽しかったなあ」と思ってもらえたらと思いを馳せています。

4 今後のオンライン社会科見学の展望

今の時点でオンライン社会科見学にどこまで需要があるのか分からないというのと、今後新型コロナウイルスのワクチンが作られ、近々対面での社会科見学の実施が見込めるようになる可能性も鑑みて、現時点では「キリン 午後の紅茶」のみでオンライン社会科見学を推進していこうと考えています。

新型コロナウイルスの影響でなかなか外に出られない状況にあると思いますが、対面のときと同じように社会科見学をしていただけるようにプログラムを作っているので授業の中で是非とも活用していただけたらと考えています。

5 取材先

キリンビバレッジ株式会社 湘南工場
1973年に創業し、ペットボトル入り清涼飲料の製造及びペットボトルの元となる「プリフォーム」の製造を行っています。詳しくは公式サイトをご覧ください。
公式サイト

6 編集後記

人が集まることが難しい今だからこそ、オンラインでの社会科見学は大きな意味を持つのではないかと思いました。
オンラインでの学びが、今後どのように進化していくのか楽しみです。

(編集・文責 EDUPEDIA編集部)

コメント

コメントはまだありません

    より良い実践のためには、あなたの励ましや建設的な対案が欠かせません。
    ログインして、ぜひコメント欄をご活用ください。