読書は指導できるの?~子どもと味わう読書の楽しみ~

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作成者:大和 信治 (Edupedia編集部)さん

はじめに

「言葉を覚えたり、自分の世界を広げたりするために読書が大切だ」とよく耳にしますが、学校ではどのような読書活動が行われているのでしょうか。本記事では、子どもに読書を楽しんでもらうための、先生の働きかけについて体験談を紹介します。

学校の図書室

図書室にはたくさんの種類の本があります。教科書に出てくる物語、絵本、詩集、説明文、図鑑、百科事典、遊び辞典などなど。教科書には活字が多いですが、休み時間の自由読書では、イラストや写真が多い料理やお菓子の本も人気です。折り紙を持って行って、本を見ながら折る子もいます。

しかし、休み時間に図書室に行くのは、もともと本が好きな子が多いのも事実です。あまり本に興味を持っていない子に対しては、図書の時間での、先生の働きかけが大事になります。授業で図書室を利用する時に、私が意識して行っていることは、主に次の3つです。

・一緒に本を探す

・一緒に本を読む

・一人で本を読む

一緒に本を探す

読書が苦手な子は、図書室にあるたくさんの本を目の前にして、自分の読みたい本が分からなかったり、何を読めばよいのか迷ったりしてしまうこともあります。シリーズ本やいつも決まった本を読む場合はよいですが、「怖い話が読みたい」「おもしろい本が読みたい」と漠然としたイメージを持っている子は、本のタイトルだけで読む本を決めるのは難しいです。

そこで、先生から子どもに「この本はこんな話だよ」とあらすじを紹介したり、「怖い話はこのコーナーにあるよ」とジャンルがまとまっている箇所を教えてあげたりします。図書室の司書の先生は、本の内容を分かりやすく、楽しく勧めてくれるので、声をかけると助けてもらえると思います。

本選びに迷う子は、こちらが気付かないと、本を探すのに迷っていたら授業が終わった、ということもよくあります。そうならないために、図書室に行ったら、初めの数分間は全体を見渡して、全員が本を読んでいるという状態を整えます。ただ、早く読ませたいからと言って、無理に本を押し付けるのはよくないでしょう。どの本を読もうかあれこれ迷うのも、図書室での楽しみの1つではないかと思います。

一緒に本を読む

中には、先生が本を勧めてみても、どれも読みたくないという子もいます。これは、活字が苦手な子に多いです。そんな時は、絵本や図鑑など字が少ない本を選んで、先生が一緒に読みます。ページごとに交代で読んだり、「この次はどうなるかな?」「なんでこうなったんだ!?」とお話したりしながら一緒に楽しむことで「本って楽しいな」と思ってもらえると嬉しいです。

国語学習の目標にある「読書習慣を身につける」という言葉を見ると、物語や説明文を意欲的に読む姿をイメージしますが、その第一歩として、どんな種類でもよいので、本を楽しめる経験を増やしてあげることが大切だと思います。

気を付けることは、いつも先生が子どもと一緒に読むのではなく、タイミングをみて「じゃあ、ここからは一人で読んでみようか」と少しずつ一人で読めるようにしていくことです。一緒に本を読みながらその子の読書傾向(どんな本を楽しむのか、適切な文章量、文字の大きさなど)を掴んで、一人でも読めそうな本を勧めるなど、少しずつ一人で読書に向かえるようにサポートします。

一人で本を読む

ここでの一人で読むは、「先生が一人で本を読む」ということです。ただし、図書の授業中に、ずっと一人で読んでいるわけではありません。上で述べたように、一緒に本を探したり読んだりして、子どもたち全体が自分で本と向き合える状態が整ったら、私は自分の読みたい本を読みます。

子どもの隣で読んでいるので、初めは大人が本を読んでいる姿が珍しいのか、「先生、何を読んでるの?」と興味を持って見に来たりしますが、慣れてくると当たり前の状態になって気にしなくなります。

これは、私は本が好きだからということもありますが、「図書室に来たら、好きな本を楽しむ」ということを自分自身の行動で伝えたいという思いがあります。スポーツ観戦をすると自分も運動したくなったり、グルメ番組を見ると自分も料理を作ったり食べたくなったりします。それと同じように、先生が読書を楽しんでいる姿を見ることが、子どもが本に親しむきっかけになることもあると思っています。

これは図書室の授業に限った事ではなく、私は休み時間や朝読書など、いろいろな時間に教室で本を読むことがあります。「読書は図書の時間に図書室でするもの」というイメージを持っている子も少なくありません。気軽に、いつでも、どこでもできる楽しみの1つとして、読書を楽しんでもらえるよう、これからも本の楽しさを子どもたちと一緒に味わっていきたいです。


(お気に入りの公園で『ぞくぞく村のミイラのラムさん』を読む筆者)

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