けんかが多かった子の成長エピソード~思いを伝え続けること~

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作成者: EDUPEDIA編集部さん

はじめに

私が先生の仕事をしていて一番嬉しいのは、1年間を通して子どもが変わっていく姿をみることです。本記事では、クラスでよくけんかをしていた子が、1年間でどのように変化したのか、大人の働きかけと共に紹介します。

エピソード

小学4年生の男の子(A君)の話です。外で遊ぶのが大好きな元気な子で、感情表現も豊か。しかし、自分の思い通りにいかないことがあると、カッとなり手が出てしまう場面もありました。

4月、5月は、新しい環境になじめなかったのか、けんかがよく起こりました。本人に理由を聞いても、
「あいつが悪いから」
「俺が殴りたかったから殴った」
「俺は悪くない」
と答えるだけでした。

夏休み前の個別面談で、家の方に彼の学校での様子を伝えると、「毎年先生からそう言われるんですが…。どうしたらいいんでしょう。」と困った様子でした。

私は、「すぐには変わらないかもしれませんが、A君に学校で大事にしてほしい事を、ご家庭でも伝えてもらえますか。一緒にがんばりましょう。」とお話しました。そして、家の方と『けんかしても、手を出さないこと』という目標を立ててもらい、家庭でも学校でも、それを伝え続けました。

それから、彼のけんかは減りませんでしたが、自分から手を出すことは減っていきました。けんかの後に話を聞くと、「手を出さないように頑張ったけど、あっちがやってきたから我慢できなかった。」と話してくれることもありました。決めた目標を守ろうとする、一生懸命な思いが伝わってきました。

家の方も、彼がけんかをして帰って来た時は、「あなたは嫌だったかもしれないけど、相手の子はあなたがした事が嫌だったんじゃない?それで怒ったのかもしれないよ。」と、相手の立場になって考える大切さを、伝え続けてくださいました。

1年の仕上げの三学期。年が明けても、けんかは減りませんでした。しかし、A君はどんどん変わってきました。けんかの後に、冷静になって話を聞くと、
「あっちが手を出してきたけど、俺は手を出さない約束だから、手を出せないのが悔しい。」
「相手にこうされて嫌だったから俺は怒った。でも、相手は俺がこうしたから怒ったのかもしれない。俺がしなかったら、けんかにならなかったかも。」
と、客観的に自分と相手の事を考えて話せるようになりました。

年度の初めは自分勝手な理由で手を出し、相手の話を聞こうとしなかったA君ですが、家の方や学校の友だちなど、いろいろな人と関わる中で、A君は変わりました。「けんかがなくなった」「性格が変わり、とても優しくなった」という劇的な変化ではありませんが、確実に前に進めたと思います。

先生が、子どもに大切にしてほしいことを伝える。時間はかかるかもしれないけど、その子を信じて伝え続ける。そうすることで、少しずつ子どもは成長していくのだと感じた1年間でした。

おわりに

教育は成果が見えにくいと言われますが、子どもの成長とは、さまざまな人間関係や環境との関わりの中で、自分が変わっていくことだと思います。人が変わることには時間がかかるのは当然です。その変化を見守り、ゆっくりでも一緒に変わっていくことが先生の仕事ならば、これからも、子どもたちと共に一歩ずつ歩んでいきたいと思います。

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