中学歴史〜室町時代の文化〜(自主学習用教材「こころの窓」第20回)

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作成者: EDUPEDIA編集部さん

1 はじめに

本記事は、東近江市の元中学校校長で現在は小学校講師を務める雁瀬徳彦さんが作成した「こころの窓」の内容を引用・加筆させていただいたものです。「こころの窓」は中学生向けの日本史教材で、不登校の生徒や、学校に登校できても教室に居られず別室で過ごす生徒が一人で勉強できるように作られています。雁瀬さんの取り組みに関しては、こちらの記事もご参照ください。

本記事では、第20回「室町時代の文化」の内容について紹介しています(教材の本文は編集せずに掲載しております)。ほかの単元の記事をご覧になりたい方はこちら

2 「こころの窓」について

教材の一枚目を見ていただくと分かりますが、教材の文章を読むと歴史の流れがよく分かります。現在使用されている学校の教科書は写真も多くとても見やすいように思いますが、初めて歴史を学ぶ子どもたちにとって、とても難しい写真や資料です。また、教科書の文章には事実が羅列されているだけなので、歴史の事象がドラマティックであることや、当時の武将がどんな思いで戦いや政治を行っていたかという感動が伝わってきません。だから、不登校の子どもたちが学校の教科書だけを使って一人で勉強しようと思ってもなかなか続かないのです。

そこで、子どもたちが一人で楽しく歴史の勉強ができるようにプリントを作成しました。また、次のページには復習問題があります。ほかの教材だと、「794年に何がありましたか」という語句を答えさせる問題が主流です。このプリントには語句を答えさせる問題ではなく、「なぜ、都を奈良から京都に移したのですか」という問題が載っており、起こった事実に対して、その原因や結果について子どもたちに考えさせる問いになっています。

解説編

こんにちは。今日も、ボチボチ始めますか。

今日のお題は、「室町時代の文化」です。

室町時代には、猿楽(さるがく)や田楽(でんがく)という芸能がはやりました。猿楽は、ものまねをしたり、おもしろい歌や踊りを踊るのです。これを現在の能(のう)に作り上げたのが、観阿弥(かんあみ・・・父)と世阿弥(ぜあみ・・・息子)という人です。また能の間に行われる狂言(きょうげん)も、演じられるようになります。これに対して、田楽は、田植えの時などに、豊作を願って踊った踊りです。あまり能を見ないので、ちょっとむずかしいですね。

また、室町時代には、「浦島太郎」や「一寸法師」などの、お伽草子(おとぎぞうし・・・今で言うとおとぎ話のことです)も、絵本として売り出されました。

さて、それでは、室町時代を代表する建物を紹介します。まずは、足利義満が建てた金閣寺です。正式には鹿苑寺(ろくおんじ)というお寺の中にある、金閣のことをいいます。この金閣をよく見ると3階建てになっています。これはなぜかというと、1階は貴族の部屋を表し、2階は武士の部屋を表し、3階は中国の王様の部屋を表しています。つまり、この世で一番偉いのが中国の王様で、次に武士で、その下に貴族がいるんだということで、武士の権力が強いことを表しているんですね。さらに、莫大なお金をかけて金を貼ったと言うことは、これだけ私は力があるのですよという意味も表しているのですね。

次は、足利義政が立てた銀閣寺です。これも正式には、慈照寺(じしょうじ)というと寺の中にある銀閣のことをいいます。この建物は、銀が貼っていないのになぜ銀閣というのだと思いますか。いろいろな説があるのですが、禅宗の影響を受けた落ち着いた文化をイメージしてつくられたので、もとから銀は貼る予定ではなかったようです。しかし、江戸時代になってから金閣に対して、こちらを銀閣とよぶようになったようですヨ。また、この銀閣は、武士の家造りのもとになる書院造り(しょいんづくり)が取り入れられています。

さて、もう一つ室町の文化で欠かせないのが、中国で水墨画の絵を勉強し、日本に広げた雪舟(せっしゅう)さんですね。右の絵がそうです。墨の濃淡だけで絵を描くのです。もともとお坊さんでしたが、いたずらをして和尚様に蔵(くら)に入れられた時、自分の涙で絵を描いて、それを見た和尚様が、この子は絵の勉強をさせた方がいいと考え、中国へ勉強に行ったのですヨ。

はい、今日はここまでです。では、復習問題に進んでくださ~い!

復習問題

1.なぜ、足利義満は、金閣(鹿苑寺)に、金を貼ったのだと思いますか。

この金閣をよく見ると3階建てになっています。これはなぜかというと、1階は貴族の部屋を表し、2階は武士の部屋を表し、3階は中国の王様の部屋を表しているのです。つまり、この世で一番偉いのが中国の王様で、次に武士で、その下に貴族がいるんだということで、武士の権力が強いことを表しています。さらに、莫大(ばくだい)なお金をかけて金を貼ったと言うことは、これだけ私は力があるんだよという意味も表しているのです。

2.平安時代に広まった寝殿造りと、室町時代に広がった書院造りの違いについてまとめなさい。

貴族の家の作り方を寝殿造りといい、武士の家の作り方を書院造りといいます。寝殿造りは母屋の周りに池をつくったり樹木を植えたりした、たいへん豪華な建物です。これに対して、書院造りは、禅宗の影響を受けた、たいへん質素で落ち着いた雰囲気の作りです。

今まで日本の歴史を勉強してきましたので、ここで少し復習をします。日本の歴史は、「旧石器時代」から始まります。そして、「縄文(じょうもん)」「弥生(やよい)」「古墳(こふん)」「飛鳥(あすか)」「奈良(なら)」「平安(へいあん)」「鎌倉(かまくら)」「室町(むろまち・・・前半が南北朝時代、後半が戦国時代)」まで、勉強しましたね。次からは、「安土桃山(あづちももやま)」「江戸(えど)」「明治(めいじ)」「大正(たいしょう)」「昭和(しょうわ)」「平成(へいせい)」「令和(れいわ)」と続きます。この時代の名前を順番に覚えてくださいね。これだけを頭に入れておくと、次に歴史を勉強したり、テストを受けたりしたときに、歴史がものすごくわかりやすいのです。がんばってみてください。

3 ダウンロードはこちらから

こころの窓 第20回「室町時代の文化」

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4 おわりに

不登校の子どもたちにとって一番大切なことは、何が何でも学校に登校させることではなく、家であろうが別室であろうが自立の力をつけてあげることだと考えます。誰かに言われて取り組む学習を重ねるのではなく、自分で考えて自分で学習できる力をつけることが大切です。その上で、学力をつけていくことが「生きる力」につながっていくと思います。

この「こころの窓」は、一人で勉強するために作ったプリントです。閉ざした『こころの窓』を開けて、社会に出て行くための勉強をがんばってほしいと考えてこの題名をつけました。

不登校に悩む子ども達の力になることを祈っております。

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