中学歴史〜元禄文化〜(自主学習用教材「こころの窓」第31回)

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作成者: EDUPEDIA編集部さん

1 はじめに

本記事は、東近江市の元中学校校長で現在は小学校講師を務める雁瀬徳彦さんが作成した「こころの窓」の内容を引用・加筆させていただいたものです。「こころの窓」は中学生向けの日本史教材で、不登校の生徒や、学校に登校できても教室に居られず別室で過ごす生徒が一人で勉強できるように作られています。雁瀬さんの取り組みに関しては、こちらの記事もご参照ください。

本記事では、第31回「元禄文化」の内容について紹介しています(教材の本文は編集せずに掲載しております)。ほかの単元の記事をご覧になりたい方はこちら

2 「こころの窓」について

教材の一枚目を見ていただくと分かりますが、教材の文章を読むと歴史の流れがよく分かります。現在使用されている学校の教科書は写真も多くとても見やすいように思いますが、初めて歴史を学ぶ子どもたちにとって、とても難しい写真や資料です。また、教科書の文章には事実が羅列されているだけなので、歴史の事象がドラマティックであることや、当時の武将がどんな思いで戦いや政治を行っていたかという感動が伝わってきません。だから、不登校の子どもたちが学校の教科書だけを使って一人で勉強しようと思ってもなかなか続かないのです。

そこで、子どもたちが一人で楽しく歴史の勉強ができるようにプリントを作成しました。また、次のページには復習問題があります。ほかの教材だと、「794年に何がありましたか」という語句を答えさせる問題が主流です。このプリントには語句を答えさせる問題ではなく、「なぜ、都を奈良から京都に移したのですか」という問題が載っており、起こった事実に対して、その原因や結果について子どもたちに考えさせる問いになっています。

解説編

お元気ですか。今日も一緒にがんばりましょう。

今日のお題は「元禄文化(げんろくぶんか)」です。

江戸時代は二つの文化に別れます。前半が元禄文化で、後半は化政文化(かせいぶんか)といいます。

江戸時代と言っても前半は、まだまだ上方(かみがた・・・大阪や京都のことを言う)が日本の中心でしたので、この上方を中心に広まった文化を元禄文化といいます。この 文化を代表する人が何人かいます。そのひとりが、井原西鶴(いはらさいかく・・下の絵)です。彼は、浮世草子(うきよぞうし・・・世間話し)といわれる小説をたくさん書きました。中でも「日本永代蔵(にほんえいたいぐら)」では、普通の町人がお金持ちになっていく様子を、おもしろおかしく書きました。

その他には、近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)という人がいます。彼は今でいう脚本家(きゃくほんか・・お芝居の台本を書く人)です。特に、男女の恋愛が多く、初と徳兵衛の悲しい恋物語である「曽根崎心中(そねざきしんじゅう)」は、今でもお芝居で上演され続けています。

さらに、俳句(はいく)で知られている松尾芭蕉(まつおばしょう)も有名です。芭蕉さんは、ある時、江戸を出発して、東北地方から北陸地方を旅行しました。この旅行で詠んだ俳句を「奥の細道(おくのほそみち)」としてまとめました。たとえば、岩手県の平泉(ひらいずみ)という町で詠んだ歌に次のようなものがあります。

「夏草や 兵どもが 夢の跡・・・なつくさや つわものどもが ゆめのあと」。この歌の意味は、「このあたりは、今は夏草が茂っているだけだが、昔は、源義経が平和な国づくりを夢見て、戦いをしていたところです。今はそんな夢も消えて、夏草だけしか見えないのが、少しむなしいなあ」というものです。

どうですか?あんまり感動しませんでしたか。でも、めっちゃ有名な俳句なんですよ!下の絵の左にいる人が松尾芭蕉さんです。右の人はお弟子(でし)さんの曾良(そら)さんです。この二人で旅をされたんですヨ。

さて、最後にこの頃の年中行事(ねんじゅうぎょうじ)を紹介します。1月のお正月に始まり、2月には節分(せつぶん)、3月はひな祭り、5月は端午の節句(たんごのせっく・・・こどもの日・・・これはもともと中国から伝わったものですが、江戸時代に将軍に男の子が生まれると5月5日にお祝いをしたことから、男子を祝う日になり、それが今では、こどもの日になったのです)。7月は七夕(たなばた)、11月には七五三(ひちごさん)などがあります。いずれも江戸時代に一般の人々の行事になったようです。

今日の歴史はどうでしたか。では、復習問題にチャレンジ!

復習問題

1.元禄文化の特長や、具体的な内容についてまとめてください。

上方を中心に広まった文化を元禄文化といいます。

井原西鶴は、浮世草子といわれる小説をたくさん書きました。中でも「日本永代蔵」では、普通の町人がお金持ちになっていく様子を、おもしろおかしく書きました。

近松門左衛門は、今でいう脚本家です。特に、男女の恋愛が多く、初と徳兵衛の悲しい恋物語である「曽根崎心中」は、今でもお芝居で上演され続けています。

松尾芭蕉は、ある時、江戸を出発して、東北地方から北陸地方を旅行しました。この旅行で詠んだ俳句を「奥の細道」としてまとめました。たとえば、岩手県の平泉という町で詠んだ歌に次のようなものがあります。「夏草や 兵どもが 夢の跡」。この歌の意味は、「このあたりは、今は夏草が茂っているだけだが、昔は、源義経が平和な国づくりを夢見て、戦いをしていたところです。今はそんな夢も消えて、夏草だけしか見えないのが、少しむなしいなあ」というものです。

2.江戸時代に定着した一般の人々の年中行事について、具体的な例を上げて説明してください。

1月のお正月に始まり、2月には節分、3月はひな祭り、5月は端午の節句。これはもともと中国から伝わったものですが、江戸時代に将軍に男の子が生まれると5月5日にお祝いをしたことから、男子を祝う日になり、それが今では、こどもの日になったのです。7月は七夕、11月には七五三などがあります。いずれも江戸時代に一般の人々の行事になったようです。

8月には盆踊りがありますが、これも室町時代頃から始まったと言われている日本の行事です。ご先祖様を供養(くよう・・亡くなった人にお祈りをすること)するという意味があるようです。

3 ダウンロードはこちらから

こころの窓 第31回「元禄文化」

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4 おわりに

不登校の子どもたちにとって一番大切なことは、何が何でも学校に登校させることではなく、家であろうが別室であろうが自立の力をつけてあげることだと考えます。誰かに言われて取り組む学習を重ねるのではなく、自分で考えて自分で学習できる力をつけることが大切です。その上で、学力をつけていくことが「生きる力」につながっていくと思います。

この「こころの窓」は、一人で勉強するために作ったプリントです。閉ざした『こころの窓』を開けて、社会に出て行くための勉強をがんばってほしいと考えてこの題名をつけました。

不登校に悩む子ども達の力になることを祈っております。

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