中学地理〜アフリカの産業〜(自主学習用教材「こころの窓」第19回)

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目次

1 はじめに

本記事は、東近江市の元中学校校長で現在は小学校講師を務める雁瀬徳彦さんが作成した「こころの窓」の内容を引用・加筆させていただいたものです。「こころの窓」は中学生向けの地理教材で、不登校の生徒や、学校に登校できても教室に居られず別室で過ごす生徒が一人で勉強できるように作られています。雁瀬さんの取り組みに関しては、こちらの記事もご参照ください。

本記事では、第19回「アフリカの産業」の内容について紹介しています(教材の本文は編集せずに掲載しております)。ほかの単元の記事をご覧になりたい方はこちら

2 「こころの窓」について

教材の一枚目を見ていただくと分かりますが、教材の文章を読むと歴史の流れがよく分かります。現在使用されている学校の教科書は写真も多くとても見やすいように思いますが、初めて歴史を学ぶ子どもたちにとって、とても難しい写真や資料です。また、教科書の文章には事実が羅列されているだけなので、歴史の事象がドラマティックであることや、当時の武将がどんな思いで戦いや政治を行っていたかという感動が伝わってきません。だから、不登校の子どもたちが学校の教科書だけを使って一人で勉強しようと思ってもなかなか続かないのです。

そこで、子どもたちが一人で楽しく歴史の勉強ができるようにプリントを作成しました。また、次のページには復習問題があります。ほかの教材だと、「794年に何がありましたか」という語句を答えさせる問題が主流です。このプリントには語句を答えさせる問題ではなく、「なぜ、都を奈良から京都に移したのですか」という問題が載っており、起こった事実に対して、その原因や結果について子どもたちに考えさせる問いになっています。

解説編

お元気ですか。今日も一緒にがんばりましょう。

今日のお題は「アフリカの産業」です。

アフリカは、カカオや綿花やコーヒー豆やお茶の生産がさかんです。まずカカオ(右の絵を見てください)というのは、みなさんも大好きだと思いますが、チョコレートの原料です。アフリカのコートジボワールとガーナという国で世界の半分以上を生産しています。

次に綿花です。綿花というのは綿(めん・・・コットン)の原料です。右の絵を見てください。こんなふうに木の枝の先に花が咲いて、そのあとに綿が出てくるのです。ちょっと不思議ですね。綿花といえばインドや中国が有名ですが、このアフリカでも生産されているのですよ。

最後にコーヒー豆です。みんなはまだ飲まないかもしれませんが、コーヒーは世界中でたくさん飲まれています。右下の絵を見てもらうと分かりますが、コーヒーもこんなふうに木の枝に豆ができるのです。そして、その豆を乾燥させてできたのがコーヒーなのです。

次にモノカルチャー経済という言葉について説明します。このモノカルチャー経済というのは、ひとつの作物だけを栽培する農業や産業のことを言います。たとえば、コートジボワールという国では、生産しているものは、ほとんどココアだけということです。このやり方だと、ココアの値段が急に値下がりしたり、不作でココアがほとんど採れなかったりしたら、まったくお金儲けできないということが起こってくるわけです。だからすごく不安定な農業だということです。ではどうすればいいかというと、いろんな作物をたくさん作ることが大切なのです。ひとつの作物の値段が下がったり不作になっても、他にも作物を栽培しているので、他のものでお金儲けをしたらいいのです。

次はアフリカで採れる鉱産資源(こうさんしげん)を紹介します。まずはダイヤモンドの原石が、ボツワナやコンゴという国で世界の4分の1が採れます。また、南アフリカ共和国では、プラチナが世界の半分以上採れ、クロムという希少金属も世界の半分近く採れます。さらに金もたくさん採れるのです。他にも、コバルトという金属はコンゴで世界の半分以上が採れます。このようにアフリカでは、価値のある金属やダイヤモンドがたくさん採れるのですよ。

今日の勉強はどうでしたか。 では、復習問題に進んでください。

復習問題

1.アフリカのカカオの生産についてまとめてください。

アフリカは、カカオの生産がさかんです。カカオというのは、みなさんも大好きだと思いますが、チョコレートの原料です。アフリカのコートジボワールとガーナという国で世界の半分以上を生産しています。

2.モノカルチャー経済とは何ですか。例を上げて説明してください。

モノカルチャー経済というのは、ひとつの作物だけを栽培する農業や産業のことを言います。たとえば、コートジボワールという国では、生産しているものは、ほとんどココアだけということです。このやり方だと、ココアの値段が急に値下がりしたり、不作でココアがほとんど採れなかったりしたら、まったくお金儲けできないということが起こってくるわけです。だからすごく不安定な農業だということです。ではどうすればいいかというと、いろんな作物をたくさん作ることが大切なのです。ひとつの作物の値段が下がったり不作になっても、他にも作物を栽培しているので他のものでお金儲けをしたらいいのです。

3.アフリカの鉱産資源について説明してください。

ダイヤモンドの原石が、ボツワナやコンゴという国で世界の4分の1が採れます。また、南アフリカ共和国では、プラチナが世界の半分以上採れ、クロムという希少金属も世界の半分近く採れます。さらに金もたくさん採れるのです。また、コバルトという金属はコンゴで世界の半分以上が採れます。このようにアフリカでは、価値のある金属やダイヤモンドがたくさん採れるのです。

3 ダウンロードはこちらから

こころの窓 第19回「アフリカの産業」

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4 おわりに

不登校の子どもたちにとって一番大切なことは、何が何でも学校に登校させることではなく、家であろうが別室であろうが自立の力をつけてあげることだと考えます。誰かに言われて取り組む学習を重ねるのではなく、自分で考えて自分で学習できる力をつけることが大切です。その上で、学力をつけていくことが「生きる力」につながっていくと思います。

この「こころの窓」は、一人で勉強するために作ったプリントです。閉ざした『こころの窓』を開けて、社会に出て行くための勉強をがんばってほしいと考えてこの題名をつけました。

不登校に悩む子ども達の力になることを祈っております。

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