中学地理〜日本の気候〜(自主学習用教材「こころの窓」第32回)

0
目次

1 はじめに

本記事は、東近江市の元中学校校長で現在は小学校講師を務める雁瀬徳彦さんが作成した「こころの窓」の内容を引用・加筆させていただいたものです。「こころの窓」は中学生向けの地理教材で、不登校の生徒や、学校に登校できても教室に居られず別室で過ごす生徒が一人で勉強できるように作られています。雁瀬さんの取り組みに関しては、こちらの記事もご参照ください。

本記事では、第32回「日本の気候」の内容について紹介しています(教材の本文は編集せずに掲載しております)。ほかの単元の記事をご覧になりたい方はこちら

2 「こころの窓」について

教材の一枚目を見ていただくと分かりますが、教材の文章を読むと歴史の流れがよく分かります。現在使用されている学校の教科書は写真も多くとても見やすいように思いますが、初めて歴史を学ぶ子どもたちにとって、とても難しい写真や資料です。また、教科書の文章には事実が羅列されているだけなので、歴史の事象がドラマティックであることや、当時の武将がどんな思いで戦いや政治を行っていたかという感動が伝わってきません。だから、不登校の子どもたちが学校の教科書だけを使って一人で勉強しようと思ってもなかなか続かないのです。

そこで、子どもたちが一人で楽しく歴史の勉強ができるようにプリントを作成しました。また、次のページには復習問題があります。ほかの教材だと、「794年に何がありましたか」という語句を答えさせる問題が主流です。このプリントには語句を答えさせる問題ではなく、「なぜ、都を奈良から京都に移したのですか」という問題が載っており、起こった事実に対して、その原因や結果について子どもたちに考えさせる問いになっています。

解説編

こんにちは。今日もこころの窓を開けてくれてありがとう。ではボチボチ始めましょう。

今日のお題は「日本の気候」です。

日本列島は、北は北海道から南は沖縄まで、南北に細長い島国です。そのために、場所によってずいぶん気候がちがいます。また、夏には南から暖かい季節風が吹き、冬になると北から冷たい季節風が吹きます。だから、日本は四季(しき・・・春夏秋冬)の変化がはっきりしているという特長があります。

それでは、6つに分けられる日本の気候の特長を紹介します。

まずは、北から北海道の気候があります。ここは冷帯(れいたい・・・亜寒帯)に属し、冬の寒さが厳しく、1年を通して梅雨(つゆ)がありません。梅雨というのは、6月から7月にかけて長い間、雨が降る気候のことをいいます。

次に日本海側の気候です。ここは冬に雪が多いという特長があります。これは、ユーラシア大陸から吹いてくる北西の冷たい季節風が、日本海を渡るときに水分を十分に含んで、日本の山にあたってたくさんの雪を降らせるのです。でも、夏は南からの季節風が乾いた風を吹かせるので乾燥しています。

次は、太平洋側の気候です。夏に太平洋からしめった暖かい南東の季節風が吹き、これが山にあたってたくさんの雨を降らすという特長があります。また、冬は北からの季節風が日本海側に雪を降らすので、太平洋側には乾いた風が吹くために晴れた日が多く続きます。

次は、内陸の気候です。地図の緑色のところです。まわりが山に囲まれ、季節風によって運ばれる水分が少ないので、一年を通して雨が少ない特長があります。また、夏と冬の気温差や昼と夜の気温差が大きいのも特長です。

次は、瀬戸内の気候です。地図のオレンジ色のところの気候です。ここは、冬の季節風は中国山地にさえぎられ、夏の季節風は四国山地にさえぎられるために、一年を通して降水量(こうすいりょう・・・雨や雪の量)が少なく、晴れた日が多い気候です。

最後に、南西諸島(なんせいしょとう)の気候です。ここは沖縄をイメージしてくれると分かりますが、夏の気温は本州と変わりませんが、すぐ横を黒潮が流れているために、冬でも暖かいのが特長です。しかし、台風の通り道にあたるので、毎年たいへんな被害が出てしまいます。でも、冬に暖かいので、たくさんの観光客が訪れます。私も沖縄が大好きなので何度も旅行に行きました。これからも行きたいなあと思っています。

お疲れ様でした。では、復習問題に進んでください。

復習問題

1.日本の季節風の特長をまとめてください。

季節風というのは、大陸からと海からと一年で吹く方向が変わる風のことです。日本の季節風は、夏には南の太平洋側から暖かい季節風が吹き、冬になると北のユーラシア大陸から冷たい季節風が吹きます。この季節風の影響で、日本は四季の変化がはっきりしているという特長があります。

2.日本海側の気候の特長をまとめてください。

日本海側の気候は、冬に雪が多いという特長があります。これは、ユーラシア大陸から吹いてくる北西の冷たい季節風が、日本海を渡るときに水分を十分に含んで、日本の山にあたってたくさんの雪を降らせるのです。でも、夏は南からの季節風が乾いた風を吹かせるので乾燥しています。

3.瀬戸内の気候の特長をまとめてください。

瀬戸内の気候の特長は、冬の季節風が中国山地にさえぎられ、夏の季節風は四国山地にさえぎられるために、一年を通して降水量が少なく、晴れた日が多い気候です。

日本は小さな島国ですが、まわりの海を流れる暖流や寒流、それに、季節風の影響でいろんな気候があります。それから、四季の変化がはっきりしているのも日本の特長です。四季の変化はたくさんの美しい景色を見せてくれます。だから、日本に世界中からたくさんの観光客が訪れるのですよ。

3 ダウンロードはこちらから

こころの窓 第32回「日本の気候」

ほかの単元の記事もご覧になりたい方はこちら

4 おわりに

不登校の子どもたちにとって一番大切なことは、何が何でも学校に登校させることではなく、家であろうが別室であろうが自立の力をつけてあげることだと考えます。誰かに言われて取り組む学習を重ねるのではなく、自分で考えて自分で学習できる力をつけることが大切です。その上で、学力をつけていくことが「生きる力」につながっていくと思います。

この「こころの窓」は、一人で勉強するために作ったプリントです。閉ざした『こころの窓』を開けて、社会に出て行くための勉強をがんばってほしいと考えてこの題名をつけました。

不登校に悩む子ども達の力になることを祈っております。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次