中学地理〜中国・四国地方の自然〜(自主学習用教材「こころの窓」第44回)

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目次

1 はじめに

本記事は、東近江市の元中学校校長で現在は小学校講師を務める雁瀬徳彦さんが作成した「こころの窓」の内容を引用・加筆させていただいたものです。「こころの窓」は中学生向けの地理教材で、不登校の生徒や、学校に登校できても教室に居られず別室で過ごす生徒が一人で勉強できるように作られています。雁瀬さんの取り組みに関しては、こちらの記事もご参照ください。

本記事では、第44回「中国・四国地方の自然」の内容について紹介しています(教材の本文は編集せずに掲載しております)。ほかの単元の記事をご覧になりたい方はこちら

2 「こころの窓」について

教材の一枚目を見ていただくと分かりますが、教材の文章を読むと歴史の流れがよく分かります。現在使用されている学校の教科書は写真も多くとても見やすいように思いますが、初めて歴史を学ぶ子どもたちにとって、とても難しい写真や資料です。また、教科書の文章には事実が羅列されているだけなので、歴史の事象がドラマティックであることや、当時の武将がどんな思いで戦いや政治を行っていたかという感動が伝わってきません。だから、不登校の子どもたちが学校の教科書だけを使って一人で勉強しようと思ってもなかなか続かないのです。

そこで、子どもたちが一人で楽しく歴史の勉強ができるようにプリントを作成しました。また、次のページには復習問題があります。ほかの教材だと、「794年に何がありましたか」という語句を答えさせる問題が主流です。このプリントには語句を答えさせる問題ではなく、「なぜ、都を奈良から京都に移したのですか」という問題が載っており、起こった事実に対して、その原因や結果について子どもたちに考えさせる問いになっています。

解説編

こんにちは。今日もこころの窓を開けてくれてありがとう。では、一緒に始めましょう。

今日のお題は「中国・四国地方の自然」です。

中国地方には山口県があります。ここは江戸時代には長州藩(ちょうしゅうはん)と呼ばれ、吉田松陰(よしだしょういん)、木戸孝允(きどたかよし)、伊藤博文(いとうひろぶみ)、高杉晋作(たかすぎしんさく)などの幕末から明治にかけて活躍した人たちの出身地なのです。また、広島は太平洋戦争の終わりにアメリカによって、世界ではじめて原子爆弾が落とさせた都市です。その他、四国の高知県は土佐藩(とさはん)と呼ばれ、坂本龍馬をはじめとする幕末に活躍した人たちの出身地でもあります。ここはそんな歴史のある地域です。

また、中国・四国地方は、北は日本海があり、南には太平洋があり、真ん中には瀬戸内海があります。そのために、中国山地より北を山陰(さんいん)、四国山地より南を南四国(みなみしこく)、真ん中を瀬戸内(せとうち)と呼びます。瀬戸内は中国山地と四国山地に挟まれているので、夏も冬も季節風の影響を受けにくく、一年を通して晴れの日が多く降水量も少ないところです。

それから、地図を見ると分かりますが、四国は海にかこまれた一つの島なので交通の便が悪く、かつては四国へ行くには船に乗らなくてはなりませんでした。しかし、本州四国連絡橋(ほんしゅうしこくれんらくきょう・・・赤い線)がつくられたために、自動車で行き来することができ大変便利になりました。また、淡路島を挟んでつながっている明石海峡大橋(あかしかいきょうおおはし)と大鳴門橋(おおなるときょう)には電車が走っているので、たくさんの人が行き来できるようになりました。

さらに、中国地方と四国地方にはたくさんの高速道路もつくられました。以前は中国自動車道だけだったのですが、日本海側には松江自動車道や米子自動車道、瀬戸内には山陽自動車道、四国には松山自動車道、高松自動車道、徳島自動車道、高知自動車道などがあり、ものすごく交通の便が良くなっています。

ところで、瀬戸内海にはかつて、水上水軍(みなかみすいぐん)などの海賊がたくさんいたのです。この海賊にまつわるお話がたくさんあります。また、瀬戸内海には美しい島が数多くあります。古い歴史と美しい自然が残された瀬戸内へ、ぜひ一度遊びに行ってみてくださいネ。

では、次の復習問題に進んでください。

復習問題

1.中国・四国地方の特長のある歴史を、簡単にまとめてください。

中国地方の山口県は、江戸時代は長州藩と呼ばれ、吉田松陰、木戸孝允、伊藤博文、高杉晋作などの幕末から明治にかけて活躍した人たちの出身地なのです。また、広島は太平洋戦争の終わりにアメリカによって世界ではじめて原子爆弾が落とさせた都市です。その他、四国の高知県は土佐藩と呼ばれ、坂本龍馬をはじめとする幕末に活躍した人たちの出身地でもあります。

2.中国・四国地方の自然の特長をまとめてください。

中国・四国地方は、北は日本海があり、南には太平洋があり、真ん中には瀬戸内海があります。そのために、中国山地より北を山陰、四国山地より南を南四国、真ん中を瀬戸内と呼びます。瀬戸内は中国山地と四国山地に挟まれているので、夏も冬も季節風の影響を受けにくく、一年を通して晴れの日が多く降水量も少ないところです。

3.交通の便が良くなったの中国四国地方を、具体的な例を上げて説明してください。

四国は海にかこまれた一つの島なので交通の便が悪く、四国へ行くには船に乗らなくてはなりませんでした。しかし、本州四国連絡橋がつくられたために、自動車で行き来することができ大変便利になりました。また、淡路島を挟んでつながっている明石海峡大橋と大鳴門橋には電車が走っているので、たくさんの人が行き来できるようになりました。さらに、中国地方と四国地方にはたくさんの高速道路もつくられました。

3 ダウンロードはこちらから

こころの窓 第44回「中国・四国地方の自然」

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4 おわりに

不登校の子どもたちにとって一番大切なことは、何が何でも学校に登校させることではなく、家であろうが別室であろうが自立の力をつけてあげることだと考えます。誰かに言われて取り組む学習を重ねるのではなく、自分で考えて自分で学習できる力をつけることが大切です。その上で、学力をつけていくことが「生きる力」につながっていくと思います。

この「こころの窓」は、一人で勉強するために作ったプリントです。閉ざした『こころの窓』を開けて、社会に出て行くための勉強をがんばってほしいと考えてこの題名をつけました。

不登校に悩む子ども達の力になることを祈っております。

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