中学地理〜近畿地方の自然〜(自主学習用教材「こころの窓」第47回)

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目次

1 はじめに

本記事は、東近江市の元中学校校長で現在は小学校講師を務める雁瀬徳彦さんが作成した「こころの窓」の内容を引用・加筆させていただいたものです。「こころの窓」は中学生向けの地理教材で、不登校の生徒や、学校に登校できても教室に居られず別室で過ごす生徒が一人で勉強できるように作られています。雁瀬さんの取り組みに関しては、こちらの記事もご参照ください。

本記事では、第47回「近畿地方の自然」の内容について紹介しています(教材の本文は編集せずに掲載しております)。ほかの単元の記事をご覧になりたい方はこちら

2 「こころの窓」について

教材の一枚目を見ていただくと分かりますが、教材の文章を読むと歴史の流れがよく分かります。現在使用されている学校の教科書は写真も多くとても見やすいように思いますが、初めて歴史を学ぶ子どもたちにとって、とても難しい写真や資料です。また、教科書の文章には事実が羅列されているだけなので、歴史の事象がドラマティックであることや、当時の武将がどんな思いで戦いや政治を行っていたかという感動が伝わってきません。だから、不登校の子どもたちが学校の教科書だけを使って一人で勉強しようと思ってもなかなか続かないのです。

そこで、子どもたちが一人で楽しく歴史の勉強ができるようにプリントを作成しました。また、次のページには復習問題があります。ほかの教材だと、「794年に何がありましたか」という語句を答えさせる問題が主流です。このプリントには語句を答えさせる問題ではなく、「なぜ、都を奈良から京都に移したのですか」という問題が載っており、起こった事実に対して、その原因や結果について子どもたちに考えさせる問いになっています。

解説編

こんにちは。今日もこころの窓を開けてくれてありがとう。では始めましょう。

今日のお題は「近畿地方の自然」です。

近畿地方には、古い歴史のある京都や奈良や大阪があります。そして、日本一大きな琵琶湖もあります。下の地図を見てください。近畿地方は季節風の影響を受けるために、日本海側の北部と、京都や滋賀や奈良などの中央部と、和歌山や三重などの南部に分かれます。中央部は近江盆地や京都盆地などの山にかこまれた盆地が多いです。そして、南には大きな紀伊山地がそびえています。また、三重県の海岸は、入り江が入り組んだリアス式海岸となっています。

それでは、近畿地方の名所(有名な観光地)をいくつか紹介します。

まずは、北部の京都にある天橋立(あまのはしだて)です。まるで海に橋が架かったように、海と海の間を白い砂浜と松林が走っています。小高い山の上から見ると絶景(ぜっけい・・・すばらしい景色のこと)です。

その次に古都(こと)京都と奈良です。これは今度の「こころの窓」でくわしく紹介します。

では次は兵庫県姫路市にある姫路城(ひめじじょう)です。この城は別名、白鷺城(しらさきじょう)と呼ばれ、見れば分かりますが城壁が真っ白なので、まるで白鷺のように見えることからそう呼ばれています。この城は何人もの城主(じょうしゅ・・・城の主人)が変わりましたが、最後1600年に池田輝政が城主になり、この時に白く塗られたと言われています。

次は、神戸の異人館(いじんかん)です。神戸港は横浜港と名古屋港にならぶ大貿易港として昔から栄えてきました。そのためにたくさんの外国人がこの神戸にやってきました。だから、外国人が住んだ家が今も異人館として大切に残されているのです。ひとことで言えばものすごくおしゃれな街です。

次は、「天下の台所」大阪です。あの豊臣秀吉さんの大阪城をはじめ、道頓堀や通天閣で有名な街です。歴史でも勉強しますが、江戸時代には日本中の米や農産物や海産物などの食べ物がこの大阪に集められ、大阪の商人達によって日本中に売りさばかれたのです。だから、大阪は天下の台所といわれるようになったのです。

その他にも、たくさんの観光名所が近畿にあります。行ってみたいところを調べてみてくださいネ。

復習問題

1.近畿地方の自然の特長をまとめてください。

近畿地方は季節風の影響を受けるために、日本海側の北部と、京都や滋賀や奈良などの中央部と、和歌山や三重などの南部に分かれます。中央部は近江盆地や京都盆地などの山にかこまれた盆地が多いです。そして、南には大きな紀伊山地がそびえています。また、三重県の海岸は、入り江が入り組んだリアス式海岸となっています。

2.遠いところに住んでいる友達や、外国の人に近畿地方を紹介するとしたら、どんなところを紹介しますか。紹介したいところと、その場所の特長をまとめてください。

<例を挙げます>

  1. 北部の京都にある天橋立です。まるで海に橋が架かったように、海と海の間を白い砂浜の松林が走っています。小高い山の上から見ると絶景です。
  2. 兵庫県姫路市にある姫路城です。この城は別名、白鷺城と呼ばれ、見れば分かりますが城壁が真っ白なので、まるで白鷺のように見えることからそう呼ばれています。この城は何人もの城主が変わりましたが、最後1600年に池田輝政が城主になり、この時に白く塗られたと言われています。
  3. 神戸の異人館です。神戸港は横浜港と名古屋港にならぶ大貿易港として昔から栄えてきました。そのためにたくさんの外国人がこの神戸にやってきました。だから、外国人が住んだ家が今も異人館として大切に残されているのです。ひとことで言えばものすごくおしゃれな街です。

3 ダウンロードはこちらから

こころの窓 第47回「近畿地方の自然」

ほかの単元の記事もご覧になりたい方はこちら

4 おわりに

不登校の子どもたちにとって一番大切なことは、何が何でも学校に登校させることではなく、家であろうが別室であろうが自立の力をつけてあげることだと考えます。誰かに言われて取り組む学習を重ねるのではなく、自分で考えて自分で学習できる力をつけることが大切です。その上で、学力をつけていくことが「生きる力」につながっていくと思います。

この「こころの窓」は、一人で勉強するために作ったプリントです。閉ざした『こころの窓』を開けて、社会に出て行くための勉強をがんばってほしいと考えてこの題名をつけました。

不登校に悩む子ども達の力になることを祈っております。

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