中学地理〜中部地方の自然〜(自主学習用教材「こころの窓」第51回)

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目次

1 はじめに

本記事は、東近江市の元中学校校長で現在は小学校講師を務める雁瀬徳彦さんが作成した「こころの窓」の内容を引用・加筆させていただいたものです。「こころの窓」は中学生向けの地理教材で、不登校の生徒や、学校に登校できても教室に居られず別室で過ごす生徒が一人で勉強できるように作られています。雁瀬さんの取り組みに関しては、こちらの記事もご参照ください。

本記事では、第51回「中部地方の自然」の内容について紹介しています(教材の本文は編集せずに掲載しております)。ほかの単元の記事をご覧になりたい方はこちら

2 「こころの窓」について

教材の一枚目を見ていただくと分かりますが、教材の文章を読むと歴史の流れがよく分かります。現在使用されている学校の教科書は写真も多くとても見やすいように思いますが、初めて歴史を学ぶ子どもたちにとって、とても難しい写真や資料です。また、教科書の文章には事実が羅列されているだけなので、歴史の事象がドラマティックであることや、当時の武将がどんな思いで戦いや政治を行っていたかという感動が伝わってきません。だから、不登校の子どもたちが学校の教科書だけを使って一人で勉強しようと思ってもなかなか続かないのです。

そこで、子どもたちが一人で楽しく歴史の勉強ができるようにプリントを作成しました。また、次のページには復習問題があります。ほかの教材だと、「794年に何がありましたか」という語句を答えさせる問題が主流です。このプリントには語句を答えさせる問題ではなく、「なぜ、都を奈良から京都に移したのですか」という問題が載っており、起こった事実に対して、その原因や結果について子どもたちに考えさせる問いになっています。

解説編

こんにちは。今日の気分はどうですか。ではボチボチ始めましょう。

今日のお題は「中部地方の自然」です。

中部地方には、飛騨(ひだ)山脈・木曽(きそ)山脈・赤石(あかいし)山脈の、3000m級の山々が連なった山脈がそびえています。この三つの山脈をまとめて日本アルプスといい、日本の屋根といわれています。

さらに、山梨県と静岡県の県境には、標高3776mの富士山があります。富士山は日本一高い山というだけでなく、どこから見ても綺麗な三角形の美しい山です。その名前は全世界に知れ渡っています。

その他、日本海に面した石川県には左手の人差し指を立てたような形をした能登半島(のとはんとう)があり、美しい自然と温泉があります。また、日本アルプスから流れ出て新潟に流れ込む日本一長い信濃川(しなのがわ)もあります。

それから、南の太平洋岸には、川端康成(かわばたやすなり)の小説「伊豆の踊子」で有名な伊豆半島(いずはんとう)があり、ここにも美しい自然とたくさんの温泉があります。

では次に、北陸(新潟県、富山県、石川県、福井県)と中央高地(長野県、岐阜県、山梨県)と東海(とうかい・・静岡県から愛知県にかけての地域)の気候の特長をお話しします。まず、北陸は冬に冷たくしめった季節風が日本アルプスにぶつかって、日本海側にたくさんの雪を降らせます。そのためにこの北陸は日本有数の豪雪地帯(豪雪地帯・・・何メートルもの雪が積もるところ)です。富山県の立山には、立山黒部アルペンルートといって、道路の両側が雪の壁になっていて、この雪の壁の間をバスで通るという観光ルートになっています。

中央高地は、内陸になるので一年を通して降水量が少ないです。しかし、冬の寒さが厳しく夏は盆地なので気温が高くなります。つまり気温の年較差(ねんかくさ・・・夏と冬の気温の差)が大きいのです。しかし、長野県の軽井沢(かるいざわ)のような高原地帯は、夏が涼しく昔から日本の避暑地(ひしょち)として有名で、ここにはたくさんの別荘(べっそう)があります。

東海は、夏に太平洋から暖かくしめった季節風が吹くので降水量が多いです。しかし、冬は比較的温暖な気候で、静岡県はミカンやお茶がたくさん栽培されています。

はーい。今日もしっかり勉強しましたね。では、復習問題に進んでください。

復習問題

1.中部地方の自然の特長をまとめてください。

中部地方には飛騨山脈・木曽山脈・赤石山脈の、3000m級の山々が連なった山脈がそびえています。この三つの山脈をまとめて日本アルプスといい、日本の屋根といわれています。さらに、山梨県と静岡県の県境には、標高3776mの富士山があります。富士山は日本一高い山というだけでなく、どこから見ても綺麗な三角形の美しい山で、その名前は全世界に知れ渡っています。その他、日本海に面した石川県には左手の人差し指を立てたような形をした能登半島があり、美しい自然と温泉があります。また、日本アルプスから流れ出て新潟に流れ込む日本一長い信濃川もあります。それから、南の太平洋岸には、川端康成の小説「伊豆の踊子」で有名な伊豆半島があり、ここにも美しい自然とたくさんの温泉があります。

2.北陸、中央高地、東海それぞれの、気候の特長をまとめてください。

北陸は日本海に面しており、さらに日本アルプスがそびえているので、冬に冷たくしめった季節風が日本海側にたくさんの雪を降らせます。この北陸は日本有数の豪雪地帯です。富山県の立山には、立山黒部アルペンルートといって、道路の両側が雪の壁になっていて、この雪の壁の間をバスで通るという観光ルートになっています。

中央高地は、内陸になるので一年を通して降水量が少ないです。しかし、冬の寒さが厳しく夏は盆地なので気温が高くなります。つまり気温の年較差が大きいのです。しかし、長野県の軽井沢のような高原地帯は、夏が涼しく昔から日本の避暑地として有名です。

東海は、夏に太平洋から暖かくしめった季節風が吹くので降水量が多いです。しかし、冬は比較的温暖な気候で、静岡県はミカンやお茶がたくさん採れます。

3 ダウンロードはこちらから

こころの窓 第51回「中部地方の自然」

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4 おわりに

不登校の子どもたちにとって一番大切なことは、何が何でも学校に登校させることではなく、家であろうが別室であろうが自立の力をつけてあげることだと考えます。誰かに言われて取り組む学習を重ねるのではなく、自分で考えて自分で学習できる力をつけることが大切です。その上で、学力をつけていくことが「生きる力」につながっていくと思います。

この「こころの窓」は、一人で勉強するために作ったプリントです。閉ざした『こころの窓』を開けて、社会に出て行くための勉強をがんばってほしいと考えてこの題名をつけました。

不登校に悩む子ども達の力になることを祈っております。

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