中学地理〜関東地方の産業〜(自主学習用教材「こころの窓」第56回)

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目次

1 はじめに

本記事は、東近江市の元中学校校長で現在は小学校講師を務める雁瀬徳彦さんが作成した「こころの窓」の内容を引用・加筆させていただいたものです。「こころの窓」は中学生向けの地理教材で、不登校の生徒や、学校に登校できても教室に居られず別室で過ごす生徒が一人で勉強できるように作られています。雁瀬さんの取り組みに関しては、こちらの記事もご参照ください。

本記事では、第56回「関東地方の産業」の内容について紹介しています(教材の本文は編集せずに掲載しております)。ほかの単元の記事をご覧になりたい方はこちら

2 「こころの窓」について

教材の一枚目を見ていただくと分かりますが、教材の文章を読むと歴史の流れがよく分かります。現在使用されている学校の教科書は写真も多くとても見やすいように思いますが、初めて歴史を学ぶ子どもたちにとって、とても難しい写真や資料です。また、教科書の文章には事実が羅列されているだけなので、歴史の事象がドラマティックであることや、当時の武将がどんな思いで戦いや政治を行っていたかという感動が伝わってきません。だから、不登校の子どもたちが学校の教科書だけを使って一人で勉強しようと思ってもなかなか続かないのです。

そこで、子どもたちが一人で楽しく歴史の勉強ができるようにプリントを作成しました。また、次のページには復習問題があります。ほかの教材だと、「794年に何がありましたか」という語句を答えさせる問題が主流です。このプリントには語句を答えさせる問題ではなく、「なぜ、都を奈良から京都に移したのですか」という問題が載っており、起こった事実に対して、その原因や結果について子どもたちに考えさせる問いになっています。

解説編

こんにちは。今日もこころの窓を開けてくれてありがとう。

ではボチボチ始めましょう。

今日のお題は「関東地方の産業」です。

関東地方には大きな工業地域がいくつも広がっています。なかでも工業生産額が日本第2位の京浜(けいひん)工業地帯は、東京から神奈川県にかけて早くから発達した工業地帯です。特にその中心の東京には、新聞社や出版社が多いので、印刷業が盛んに行われています。

下の地図を見てください。東京から千葉県にかけて広がった工業地域を京葉(けいよう)工業地域といいます。ここは東京湾の埋め立て地を利用し、大規模な製鉄所屋火力発電所がたくさん建ち並び、ここも古くから発達してきました。

次に新しく発展してきた北関東工業地域があります。ここは、栃木県や茨城県や群馬県といった北関東に広がった工業地域です。現在は、電気機械や自動車などの工業が発達し、関越(かんえつ)自動車道や東北自動車道や北関東自動車道などの高速道路の近くにたくさんの工場が集まっています。

下の主な工業地域の出荷額のグラフを見てください。7つの工業地域の中に関東地方は3つの工業地域が入っていることが分かります。つまり、関東地方は日本の工業の中心であるということですね。

話は変わりますが、電機メーカーの東芝は知っていますか。あの東芝は、東京港区にある芝浦というところに、芝浦製作所という電気の工場がつくられ、後に東京芝浦電気株式会社となったのです。これが東芝の始まりです。また、茨城県に日立市というところがあります。ここにモーターの会社としてつくられた製作所が日立製作所の始まりです。いずれも世界的に有名な電機メーカーですが、はじめてつくられた会社の場所の地名が、会社の名前になっているんです。おもしろいですね。

はーい!お疲れ。では復習問題に進んでください。

復習問題

1.京浜工業地帯の特長を簡単にまとめてください。

京浜工業地帯は工業出荷額が日本第2位を誇っています。この工業地帯は東京から神奈川県にかけて早くから発達したところです。特にその中心の東京には、新聞社や出版社が多いので、印刷業が盛んに行われています。

2.京葉工業地域の特長を簡単にまとめてください。

東京から千葉県にかけて広がった工業地域を京葉工業地域といいます。ここは東京湾の埋め立て地を利用し、大規模な製鉄所屋火力発電所がたくさん建ち並び、ここも古くから発達してきました。

3.北関東工業地域について特長をまとめてください。

戦後、新しく発展してきたのが北関東工業地域です。ここは、栃木県や茨城県や群馬県といった北関東に広がった工業地域です。現在は、電気機械や自動車などの工業が発達し、関越自動車道や東北自動車道や北関東自動車道などの高速道路の近くにたくさんの工場が集まってきています。

日本の代表的な工業地域は九州から関東地方までです。東北地方や北海道には、工業地域として工場が集中しているところはあまりありません。しかし、東北や北海道には、特色をいかした産業が盛んに行われているので、これから学習していきましょう。

3 ダウンロードはこちらから

こころの窓 第56回「関東地方の産業」

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4 おわりに

不登校の子どもたちにとって一番大切なことは、何が何でも学校に登校させることではなく、家であろうが別室であろうが自立の力をつけてあげることだと考えます。誰かに言われて取り組む学習を重ねるのではなく、自分で考えて自分で学習できる力をつけることが大切です。その上で、学力をつけていくことが「生きる力」につながっていくと思います。

この「こころの窓」は、一人で勉強するために作ったプリントです。閉ざした『こころの窓』を開けて、社会に出て行くための勉強をがんばってほしいと考えてこの題名をつけました。

不登校に悩む子ども達の力になることを祈っております。

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