教科書掲載以外の水溶液も使って
水溶液の実験でリトマス試験紙を使って酸性やアルカリ性を調べる実験が記憶に残っている大人は多いと思います。目に見える現象として色が変わるのは分かりやすく、それまでにはなかった「化学っぽかったな」という印象があるのでしょう。
一昔前の理科準備室には35%の塩酸や固形の水酸化ナトリウムが置いてありました。子ども時代、私は「何だかヤバそう」な塩酸・水酸化ナトリウムのムードに心を惹かれました。ところがきつい薬品(劇物)に関しては小学校からなくなっていく傾向にあります。現在(2026年)使用している東京書籍理科の教科書には「うすい塩酸」「炭酸水」「食塩水」「うすいアンモニア水溶液」「重曹水溶液」の5つの水溶液しか載っていません。もしもクラスが学級崩壊状態であれば、強酸や強アルカリの水溶液を扱うのは危険なので、仕方がないと思います。悪意がなくてもビーカーを渡して30秒もたたない内に割ってしまうような不器用な子どもも増えています。安全を確保した方がよいように思います。
ただ、教科書に載っている上記5つの水溶液を教科書通りに実験して終わってしまうのでは残念な気がします。教科書に掲載されていない様々な水溶液も、試させてあげたいものです。
何の水溶液を使うか
では、上記の5つの水溶液以外でどんな水溶液が適切なのかを考えてみましょう。以下にこの実験に適切な水溶液の条件を挙げます。
〇 安全に実験できる。・・・手に付いたり、目に入ったりしても水で洗い流せばよい程度の濃度の水溶液。
〇 そこそこ、反応が分かる。・・・弱酸性や弱アルカリ性でリトマス紙の色の変化が分かりにくいものは判別が難しいので少なめにしました。
〇 生活の中で見かける物質の水溶液。
〇 「酸性:中性:アルカリ性=2:1:2」ぐらいの比率で・・・中性の水溶液を調べさせることも大事ですが、変化がないことはあまり面白くないので少なめにしました。
これらの条件を踏まえて、下のようにリストアップしました。酸性が赤字、中性が黒字、アルカリ性が青字です。復習の意味も兼ねて、教科書に掲載されていたものもリストに入れました。各水溶液をシャーレに入れて3つずつ、8つの机の上に計24の水溶液を用意しました。

弱酸性や弱アルカリ性はリトマス紙では判断しにくいので、子どもたちには、
「弱酸性・弱アルカリ性と言って、酸性なのかアルカリ性なのかはっきりしない水溶液も多いんだよ。」
と、説明しておきましょう。リトマス紙て分からない水溶液については、実験後に教師側が反応の良い試薬を使って演示してあげるといいですね。

| 酢 | ミカン | せんたくのり |
| ホウ酸 | しょうゆ | うすい塩酸 |
| 炭酸水 | トイレ用せんざい(サンポール) | 梅干し |
| 消毒薬(マキロン) | ||
| 水 | 食塩水 | アルコール |
| 漂白剤(ハイター) | 石灰水 | 重そう水 |
| カビキラー | うすいアンモニア水 | 灰の水溶液 |
| 牛乳 | キレイキレイ(手洗い洗剤) | 台所用せんざい |
| 石けん水 | スティックのり |
3つずつの水溶液を置いたテーブルを子どもたちが班ごとに回りました。

リトマス紙は節約のため、少し小さめに切ってシャーレに入れておきました。立って実験をして、全員が実験できたら座って記録をします。上のリストは記録用にも使ったので、エクセルで添付しておきます。
「ハイター」「キレイキレイ」「トイレ用洗剤」「石けん水」「台所用洗剤」は、きれいな状態にするための水溶液というくくりで近くに置きました。これに「クエン酸」も加えてもいいように思います。
「ホウ酸水」「重曹水」「水」も1つの机の上に置きました。一か月ほど前に実験したスライム作りのセットです。

「アルカリ」は「灰」のアラビア語に由来しているそうです。灰は学習園の枯れている草を刈って燃やして、水に溶かしました(火気に注意)。けっこうはっきりと赤から青に変化しました。
子どもに持ってこさせるのも面白いのですが、そうすると中性・弱酸性・弱アルカリ性のものもけっこうたくさん集まります。変化に乏しいものが多くなると何だか分からなくなってしまいますので、こちらで準備しました。予算に余裕があれば子どもに赤・青のリトマス紙を3枚ずつぐらい渡して、自分で家にあるものを調べる機会を与えてあげられるといいですね。子どもたちもより興味を持つと思います。

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