【ZEP QUIZ】 最先端ICT活用による教員の負担軽減と生徒の学習の変化

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本記事は、韓国の教育機関で幅広く取り入れられているクイズプラットフォームであるZEP QUIZの基本情報と、ZEP QUIZを取り入れることによる教員と生徒の変化について、ZEP QUIZの担当者の方にお話を伺ったインタビュー記事です。
(取材日:2026年7月22日)

目次

ZEP QUIZとは

ZEP QUIZは、教科書や動画、デジタル資料などを元に、AIが問題を自動的に作成する技術ツールです。

主な機能としては、AIによる問題作成、メタバース空間での学習体験、 学習データの可視化が挙げられます。具体的には、先生方は資料のPDFやYoutube動画のURLを入力するだけでAIによって数分で問題を自動作成することができ、生徒は2Dメタバース空間でアバターを動かしながらゲーム感覚で楽しく問題を解けるという機能です。さらに、個別の正答率や所要時間といったクイズの回答結果が自動的に集計されるため、先生方にクラス全体の理解度を一目で把握していただけます。
 

ZEP QUIZは『ノーチャイルド レフト ビハインド(子どもたちを誰1人取り残さない)』というミッションのもと、教員の激務を問題意識として開発されているため、先生の問題作成時間を大幅に削減しつつ、子どもたちが楽しく主体的に学べる工夫が施されています。

多くの年代年齢層で使われていますが、特に小学生5年から中学生までの方に、授業の冒頭における事前の理解度確認や単元のまとめでの小テストの代わりとしてご利用いただいています。

これらの機能や特徴から、累計利用者数が約 1500万人、作成されたクイズ数は約 1300万、累計プレイ回数は約8,200万回を記録しており、韓国では全体の約70パーセントの学校で使われています。

ZEP QUIZによる教員の変化

Q. 近年、教員の長時間労働が問題視される中で、今回の新機能である「YouTube動画やWebページ、PDFからAIが問題を自動生成する機能」をはじめとする、ZEP QUIZのシステムを活用することで、具体的にどのように教員の業務負担を削減できるとお考えですか?

先生方の業務の中で、「授業の準備」が最も大きな比重を占めていますが、その中でも、子どもたちの理解度を確認するための問題作成、採点、そして結果の集計の負担が特に大きいと考えています。そして、今回の「Youtube動画やWebページ、PDFからのAI自動生成機能」などのZEP QUIZの機能を活用いただくことで、具体的に3点の業務負担を軽減することができます。

一つ目は、「ゼロから問題を作る負担」の解消です。ZEP QUIZでは、デジタル教科書やPowerpoint資料、Youtubeの動画、Webページ、PDFのURLを入力するだけで、AIが内容を分析して一瞬でクイズの下書きを作成できる機能があり、問題作成の負担を軽減することができます。これはAIへの丸投げを推奨するのではなく、先生方が目の前の生徒の理解度に合わせて、自由にアレンジするためのベースとなる機能です。そのため、生成段階での学年・難易度の選択はもちろん、生成後も内容や順序を自由に変更できるシステムになっています。将来的には、AI側から「どのように修正しますか?」と問いかけ、調整ができる対話型の形式を導入することで、「ゼロから問題を作る負担」をさらに軽減することを目指しています。

二つ目は、「授業中のICT指導の手間」の削減です。端末を授業で使用する際に、アプリのインストールや複雑なログインが必要だと、操作がわからない生徒への対応だけで授業時間が削られ、先生方の精神的な負担にもなります。ZEP QUIZは、基本的にアプリのインストールが不要で、ブラウザのみで最大 200人まで接続できるため、操作指導の手間を削減することが可能です。

三つ目は、「採点と集計の自動化」です。子どもたちがクイズを解き終わった瞬間、採点とクラス全体のデータ集計がリアルタイムで表示されます。クラス全体がどこでつまづいているのか、誰がサポートを必要としているのかが瞬時に自動で可視化されるため、先生方は採点作業に追われることなく、次にどのような授業をすべきかについて判断することができます。

ZEP QUIZではこれらのシステムを通じて、授業前・授業中・授業後での事務的な作業時間を削減し、先生方が「子どもたち一人一人に寄り添い、ぴったりの授業を提供する」お手伝いをしております。

Q. ZEP QUIZによって授業内の負担が減ることで、授業中にどのようなゆとりが生まれ、先生方の立ち回りや子どもたちとの関わり方はどのように変わると想定されていますか?

従来のペーパーテストや授業スタイルでは、先生方は常に問題の配布・進行・回収・採点に追われ、授業を管理・運営する役割が中心となっていました。しかし、ZEP QUIZによってその負担を削減することで、先生方は子どもたちを観察し、支える役割に集中できると考えております。

具体的には、ZEP QUIZの学習レポートの画面を見ることで、生徒たちがつまづいている箇所や学習内容が理解できていない生徒に気づくことができ、その場で重点的に説明をすることができます。また、従来のテストのように、「何時何分までに終わらせてください」と一律に生徒たちを管理する必要がなくなり、データを見ながら難しさを感じていそうな生徒へ歩み寄り、「一緒に考えてみようか」と優しく声をかけることが可能となります。

このように、事務的な業務を削減することで、単なる時間短縮だけでなく、「教室内で先生方と生徒が目を合わせて、対話するコミュニケーション」の時間を最大化し、一律に授業を管理する立ち回りから、目の前の生徒に合わせて臨機応変に対応する関わり方に変わると考えております。

ZEP QUIZによる生徒の変化

Q. 従来のペーパーテストや一斉授業のスタイルと比べて、ZEP QUIZを導入することで、子どもたちの学習意欲にはどのような変化が生まれるとお考えですか?

従来のペーパーテストでは、常に「評価される」という圧迫感や緊張感があると思います。点数をつけられ、「バツ」をつけられる感覚に、生徒は萎縮してしまいます。もちろん、その環境でも「100点を取りたい」とモチベーションを保てる生徒もいますが、私自身の過去を振り返っても、苦手な科目は「どうせ勉強しても点数が良くないからやりたくない」と、自信をなくしてしまうことがありました。

ですが、ZEP QUIZでは、アバターを動かしながら友達と遊ぶ感覚で問題を解くため、生徒はこれをテストや評価と捉えにくく、のびのびと学ぶことが可能です。実際に、韓国の先生方からは、「これまでは授業に全く意欲的でなかった生徒が、ZEP QUIZを始めてからは、クイズに正解するために、自分から教科書を開いて予習・復習をするようになった」という声をいただきました。特に幼い子どもたちにとって、ゲームとしてのアプローチは、学習意欲を高めるきっかけへと繋がります。また、ZEP QUIZは2Dのメタバース空間をベースにしており、アバターを介して絵文字で反応することができるため、勉強に苦手意識がある生徒や、人前での発言が得意でない生徒にとって、発言の心理的なハードルが下がり、自然と学習意欲を引き出すことができます。

もう一つの大きな違いは、「一人で孤独に解くテスト」から「みんなで協働する学び」への変化です。ZEP QUIZでは、クラスの友達と同じ空間で一緒に動きながら問題を解くため、クイズを早く解き終えた生徒が、自発的にアバターを動かしてつまづいている生徒の方へ向かい、自然に教えあったり、応援しあったりすることができます。周りの応援があることで、「自分も早く解きたい、追いつきたい」と勉強に苦手意識を持つ子どもの意欲も向上できると考えております。

このように、従来のテストや授業形式と比較して、学びに対する心理的なハードルを下げることで、全員が主体的に楽しくクイズ・授業に参加することができ、学習意欲も向上させることが可能となります。

Q. ZEP QUIZは、子どもたちがゲーム感覚で熱中できる反面、単に「楽しかった」というエンタメだけで終わってしまう懸念もあります。ZEP QUIZでは、この楽しさを生徒の確かな学びの定着に繋げるために、どのような工夫をされていますか。

ゲームとしての楽しさで終わらせず、ZEP QUIZで「確かな学び」を得られるようにするために、私たちは「問題形式」と「回答後の解説」を工夫しています。

まず、問題形式においては、選択式・短答式・⚪︎×問題・記述式という4つの出題形式を導入しています。従来の4択の選択肢による選択式だけでは、どうしても勘や偶然による正解を防ぎきれず、子どもたちの本当の理解度を測ることが難しいという課題がありました。そのため、ZEP QUIZでは、算数の計算や英語の単語テストに最適な「短答式」や、テンポよく自身の知識をセルフチェックしたい時には「⚪︎×問題」など多様な問題形式を取り入れています。さらに、子どもたちが自分の頭で考え、言葉で表現する力を育てるために「記述式」も導入しています。現在のシステムでは、一言一句一致していないと不正解となる機械的な判定の課題もありますが、今後はAIが記述式の回答の意図や文脈までを正しく読み取り、自動で柔軟に採点できる仕組みへと機能を改善していく予定です。多様な出題方式を導入することで、「単に勘で答えられる楽しいゲーム」でなく、子どもたちの思考力を引き出し、本当に理解しているかを正確に測定することで「確かな学び」を得られるような工夫をしています。

そして、多様な形式で問題を解いた後、学びを確実に定着させる工夫として、日本でも今後導入を予定している「AI学習サポーター」機能があります。これは、クイズを解いた直後に、AIによる解説を確認できる機能です。これによって、子どもたちは正解・不正解という結果だけでなく、そこに至る過程までしっかりと確認することができます。そのため、AI学習サポーターを活用することで、答えをただ暗記してクイズを楽しむことが目的となる学習から、回答の理由や背景まで理解できる本質的な深い学びへと繋げることができます。

このように、多様な問題形式と回答後のAIによる丁寧な解説によって、ゲームとしてただ楽しいだけでなく、子どもたちが思考力を深め、回答の理由や背景まで理解して、確かな学びを得られるような工夫をしています。

EDUPEDIA読者 及び ZEP QUIZを活用される先生方へのメッセージをお願いします。

現在の学校は、これまで以上に多様な背景やニーズを持つ子どもたちが共に過ごす場所になっています。だからこそ、ZEP QUIZが先生の時間を節約する道具になると同時に、子どもたちが誰一人取り残さず参加できる学びの場に貢献できることを心から願っています。

私たちが導入しているAIなどの先端技術は、決して先生に取って代わるものではありません。むしろ、先生方が本来最も得意とされる「子どもたち一人一人としっかりと目を合わせて、その歩みに寄り添う」という最も大切な教育の本質に集中していただくためにあります。ZEP QUIZを活用して、問題の作成・採点にかかる事務的な負担を削減することで、先生方には教室の中で子どもたちと過ごすかけがえのない時間に心を注いでいただきたいです。

ZEP QUIZが、先生方と子どもたちの双方にとって、楽しく、意味のある豊かな学びの時間を生み出す助けとなれるように、私たちは進化を続けてまいります。今後もさらなる改善に努めてまいりますので、日々の実践の中でお気づきの点やご不明点がございましたら、お気軽にご連絡いただけますと幸いです。

編集後記

今回のインタビューを通して、教員の多忙化が深刻化する中で、先生方が仕事をすべて自力で抱えるのではなく、事務業務を削減し、「先生にしかできない仕事」の時間を最大化していく重要性を強く実感しました。

また、授業内におけるクイズの活用は単なる楽しさにとどまらないかという懸念がありましたが、記述式問題や丁寧な解説といった工夫によって、ZEP QUIZは楽しさを維持したまま思考力を刺激し、深い理解へと導くツールであることを学びました。

今後は、ZEP QUIZをはじめとする教員の負担削減や生徒の学びを深める技術やツールを、どのように実際の学校現場へより浸透・定着させていき、より良い教育の実現へと繋げていくかについて、考えていきたいです。

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 南さくら)

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