『最先端の医学(臨死体験)で研究されている死後の世界』

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2026

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自殺問題の背景

 2024年、日本の子どもの自殺者数が統計史上最高の529人を記録しました。

 年々増える自殺者数は、コロナ禍を機に増加し、日本の子どものメンタルヘルス問題の深刻さを物語っています。

 子どもの自殺には、進路、人間関係など、さまざまな原因があるとされています。

 今回の記事では、心理学と医学を使って、子どもがどうすれば、生きたいと思えるようになるか分析していきます。

心理的衣食住と生存願望とは

 自殺願望の原因の一つに、人生への虚無感が挙げられます。

「自分の人生は意味があるんだろうか?」

「何のために人は生きているのか?」

 このような疑問に対して有益な答えが得られないと虚無感に陥り、死に対する気持ちが湧き上がることで、自殺願望は発生しやすいとされています。

 オーストリアの精神科医ヴィクトール・フランクルは、精神医学の立場から虚無感の研究を進め、生きる意思は人生の意味を理解していればいるほど高まる、と結論づけました。

精神科医ヴィクトール・フランクル

参照サイトhttps://jewishjournal.com/commentary/354741/survival-and-dignity-in-viktor-frankls-legacy/

 フランクルは、人間には生きるにあたって必要な3つの意味が存在すると述べています。言い換えるならば、衣食住が存在するように、心理的衣食住と呼ぶべき要素がある、とフランクルは提唱しました。

 次に紹介する3つの欲求を満たすことができれば、人間は自殺願望では無く、生存願望を抱きやすいとされています。

 1つ目は、愛着欲求です。信頼できる他者との交流や愛している人との人間関係は、そのまま生存願望に寄与します。

 2つ目は、自己実現欲求です。人間は自分がこの世に生まれた意味を、やりたいことや、叶えたい夢、実現したい目標を通して理解します。とても重要な欲求の一つです。

 3つ目は、哲学的欲求です。「人間はどこからきて、どこへ行くのか?」「人生に先天的な意味はあるのか?」「誕生の前には何があり、死の後には何があるか?」という問いの答えを知りたいという欲求です。誰しも一度は深く考えたことがあり、考えたことがあるのではないでしょうか。

 今回は最後の哲学的欲求に絞って話を進めていきたいと思います。

臨死体験とは何か?

 人は誰しも、意識的にも無意識的にも、自分の人生に対して根本的な疑問を抱いているのではないでしょうか。

 それは「人間はどこから来て、どこへ行くのか?」という問いです。

 もしその答えを知ることができれば、人生には根本的な意味が存在し、自分の人生に対して、生きる自信が湧いてくるかもしれません。

 今回ご紹介する臨死体験の研究成果は、こうした人生の根本的な意味をめぐる研究の中で注目を集めています。

 臨死体験とは、「意識不明の重体になった患者が意識を取り戻した時に、どのような意識を経験したか」を研究するジャンルです。

 1977年には、世界中の医者や心理学者が集まる、国際臨死体験学会が設立され、盛んに研究が行われています。

国際臨死体験学会の風景

参照サイト

第2回 国際臨死体験学会 – マルセイユ 参加レポート

臨死体験の歴史的過程

 臨死体験は、2500年前のギリシャ哲学者たちがその存在を指摘したことが記録されています。

 研究として扱われるようになったのは、医学、特に蘇生医療が発達したことで一命を取り留めた患者たちが、「死後の世界」を語ったことが始まりです。

 アメリカの世論調査である、ギャラップ調査では、1990年代のアメリカ人のみで800万人は経験者がいたと記録されています。

 実際、臨死体験はどのくらいの効果があるのか研究が行われた結果、「自殺未遂をして意識を取り戻し、臨死体験を経験した患者は、その後全員が自殺願望を抱かなくなった」と報告されています。

 さらに、自殺未遂者を、臨死体験に関する知識を提供するグループと、提供しないグループの2つに分ける比較研究が行われました。

 研究の結果、臨死体験に関する知識を提供したグループでは、自殺未遂の再発率が100分の1に抑えられたと報告されています。

 これらの領域は「臨死体験」と名付けられました。

 研究の発展により、臨死体験の経験者には共通した経験内容が見られることが明らかになってきました。

 臨死体験に関する一連の研究成果を踏まえ、医学における臨死体験は、「人間の死後の運命」を考察するうえで重要な研究対象と位置付けられています。

 オランダの医師ヴァン・ロンメルによる臨死体験の詳しい研究結果を示した論文は、最も権威のある医学雑誌ランセットに掲載されました。臨死体験は存在する現象として国際的な同意が得られることになったのです。

臨死体験の過程

 では、人間は死んだ後にどのような過程を辿るのかを見ていきましょう。

 主に5段階にわたって、死後にどうなるかが明らかになっています。

①幽体離脱

 幽体離脱とは、死んだ時に起こる現象とされ、肉体から魂が分離し、魂が空間を彷徨う状態を指します。

 幽体離脱は、意識が自分の肉体から抜け出ているので、自分の肉体や、それを取り巻く環境を見ることができます。

 つまり死んだ自分の肉体を、第三者の視点で見ることができるのです。

②トンネル現象

 トンネル現象とは、死後の世界とこの世を繋ぐ通路のことです。

 その通路が死んでから時間が経つと、目の前に現れることが、世界中の臨死体験者から報告されています。

 そして、トンネル現象とは別に、お迎え現象というものもあると言われています。

 人間には1人につき1人、あの世のガイドのような存在が付いており、そのガイドが死んだ後に迎えに来るということが判明しています。

 そのガイドとの会話や、姿などを覚えているという人が大勢いることから、トンネル現象かお迎え現象のどちらかが、この世からあの世へと渡る入り口だといえるでしょう。

③至福経験

 トンネル現象や、お迎え現象であの世に来た人が抱く感覚のことを指します。

 つまり、肉体という不自由な束縛から魂が抜け出して、天国の入り口に足を踏み入れるので、その天国の心地よさを体感することになるのです。

 それは、歴史上2500年前のギリシャ哲学でもあの世のことを「至福者の島」と称するほどであり、天国がどれほど素晴らしい世界なのかを物語っています。

 臨死体験者の多くの話では、「この世に戻ってきたくないほど、美しい体験だった」と報告されています。

④走馬灯現象

 走馬灯現象は、自分の生きていた時の人生を振り返る経験のことを指します。

 死んだ後に、自分の人生を振り返ることは、その人生が良かったか悪かったかを判断するために、行わなければならないことだと言われています。

 その人生で為した、善い思いと行い、悪い思いと行いが全て見せられ、自分とガイドで考える機会が設けられています。

⑤天国と地獄

 そして最後に天国か地獄かが分けられます。

 この段階まで行く人は、とても少なく、臨死体験の中でも最深部の体験だと言われています。

 しかし、その世界に足を踏み入れた人からすれば、「天国はこの世で経験したどんなものより、素晴らしい世界だった」と語られ、「地獄は、私がこの世で味わったどんな経験よりも苦しかった」と言われています。

 天国の色彩は、あまりにも美しいとされ、帰ってきた人が、この世をモノクロのテレビを見ているようだと話した報告も挙げられています。

 一方地獄は、言い換えれば、「魂の病院」、つまり、この世で生きてきたときに身に付けてしまった悪しき傾向性を病院で直すイメージでとらえられると考えられています。

 臨死体験で、地獄の役割を「魂の病院」だと捉え始めたのは、実際に臨死体験で地獄を見てきたアンジーフェニモア氏の経験が綴られた『地獄の情景』から始まりました。

 以上が、臨死体験の説明になります。

編集後記

 『臨死体験の知識は、心理的衣食住の中の哲学的欲求に答えることができ、子どもたちは人生の根本的な意味を理解したうえで、人生を送りやすくなる』

 臨死体験の研究でこのように示されることがありますが、私も同じように感じることがあります。

 愛着欲求も自己実現欲求も、同じ心理的衣食住ではありますが、環境や状況によって失われたり、変化したりすることがあります。

 しかし、この哲学的欲求は、知識を得ることなので、一度知れば永遠に失われないと個人的に感じています。

 その知識を伝えるだけで、自殺願望が100分の1に抑えられるという研究は、他に類を見ません。

 臨死体験の知識は、人生で本当に追い詰められた時に、支えの一つとして役立つのではないでしょうか。

 小学生などのなるべく早い時期に知ることができれば、人生を通して子どもの心理的安全性に繋げることができると思っています。

 国内では研究者が少なく、京都大学のカール・ベッカー教授、中部大学の大門正幸教授がおられます。

 カール・ベッカー教授

SANYO DIGITAL

参照サイト

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メンバー|京都大学グローバルCOEプログラム「心が活きる教育のための国際的拠点」

 日本国内では自殺問題が緊急の問題となっている今だからこそ、早急に普及していく必要がある知識だと思っています。

 もし、自殺問題や子どものメンタルヘルス問題で題材を探しておりましたら、ぜひお役立てください。

(編集・文責 EDUPEDIA編集部 武田)

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