オーバーな振り子を作って

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理科の物理的分野というのは、小学生にとってあまり面白く感じないことが多いようです。「振り子」の単元では、「長さ」「重さ」「振り幅」の3要素が変わることによって、振り子の周期が変わるかどうかを調べます。10往復を3回計測して1往復分の平均を出します。

これだけで実験を終わってしまっては、あまり面白くありません。

「重さ」「振り幅」を変えても周期は変わらず、パッとしない結果が得られるだけです。「長さ」を変える実験では周期が変わるものの、教科書に載っている50cmと100cmでは、それほど劇的な変化はありません。

目次

1.長さをオーバーに

そこで、よりおおげさな変化をつけます。天井にフックでもつけて、30cmと3mで違いを比べてみます。「超長い振り子」を作るわけです。フックを2つつけて同時にリリースするとより違いが分かって面白いです。余裕がある方は、2階の上窓あたりから「超超長い振り子(10mぐらい)」をたらして、振ってみても面白いかもしれません。ただし、安全にはくれぐれもご注意ください。

2.重さをオーバーに

ついでに重さも、超長い振り子を使って綿が入ったペットボトルとビー玉やパチンコ玉が入ったペットボトルで比較しても面白いかもしれません。ただし、少々空気抵抗の差が出ますので、振り幅をあまり大きくしない方がいいと思います。

3.振り幅をオーバーに

超長い振り子を使えば、振り幅を30cm対3mにできます。これも違いが大きくて面白いかもしれません。ただし、これも振り幅を大きくすると空気抵抗を多く受けるため、あまり差をつけると妙な結果になりかねません。できればおもりをある程度重いものにした方が、空気抵抗が影響しにくくなると思います。しっかり予備実験してやってみてください。

予想をさせながら

教科書に載っている実験例では、2倍、3倍程度の長さ、重りの重さ、振り幅で比較しているに過ぎないため、予想をしてもそれ程面白みがありません。それに比べると、オーバーに条件を変えたもので比較をすれば、予想も楽しくなります。 授業の前に、この超長い振り子を作っておいて、「ちらっと一瞬」手を離して、下まで行かないところでとめて興味を引いておくのもいいかもしれません。必ず、その時に予想を(理由付きで)させましょう。教科書通りに10gと20gで実験をやって結果が出た後でも、綿が入ったペットボトルとビー玉が入ったペットボトルであれば、「重いのだからビー玉が早い」と予想をする子供が多いと思います。同様に、振れ幅にしても、「30cmと3mでは、移動距離が全然違うのだから、3mの方が遅い」と感覚的にはとらえてしまいます。

そういった「普通の感覚」や「思い込み」を壊し、新しいイメージづくりをしていくところに理科の面白さがあるのではないかと思います。

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