本単元で身に付けたい資質・能力
本単元で身につけたい資質・能力は、学習を通して文の中における主語と述語との関係に気づくことができる力である。主語と述語は構文の基本であるため、しっかりと理解させたい。
単元の評価基準
【知識・技術】文の中における主語と述語との関係に気づいている。
【態度】積極的に主語と述語の関係に気づき、学習課題に沿って文中から主語と述語を捉えようとしている。
単元の展開【全2時】
【1時】相手に伝わるように話したり書いたりするやり方を勉強し、主語と述語の役割を知る。
・教科書のイラストをもとに、絵の子どもがどのように言えば伝わるかを話し合う。
・教科書には、「ぼうしが。」という子ども、「どうしたの。」という女性、橋の上から帽子を落としてしまった絵の3点のイラストが掲載されている。しかしあえて子どもと女性のみを見せ、「この子の続きの言葉は何だろう。何が言いたいのかな。」と子どもたちに考えさせる。
・子どもたちからいくつかでてきたところで3つめの絵を提示し、「『ぼうしが。』の続きは何か」を考えさせる。
・「ぼうしが落ちた。」「ぼくが、ぼうしをおとしたんだ。」「はしの上から落としたんだね。」という子どもの言葉から誰が=主語、どうした=述語ということを教える。
板書例
* 黒板も教科書に合わせて主語は赤、述語は青で線を引く。教科書と黒板の色が同じことで統一感が出て学びやすくなる。
【2時】例文や「お手紙」を基に、主語と述語の定義を確認する。
・教科書の例題を使い、いろいろな文の主語と述語を見つける。
・最近の出来事について主語と述語を意識して話したり書いたりし、友達と交流する。
・「いかそう」を基に学習を振り返る。
・文の構成は主語、述語の順であることをもう一度押さえる。
・最初の例題である「かえるくんが言う。」は主語と述語のみでわかりやすいが、「兄がさといもを食べる。」は『さといも』を主語と言う子がいる。『だれが(は)・何が(は)』に『さといも』を置き換え「さといもが 食べる。」「さといもは 食べる。」はおかしいことを実感させ、さといもが主語でないことを押さえる。
・同様に「お手紙をもらって、がまくんは、とても よろこびました。」も『お手紙』が主語とする子どもがいる。「お手紙は、よろこびました。」や「お手紙が、よろこびました。」と書き、意味が通じないことを視覚でも確認する。述語は文末だが、必ずしも主語が文の冒頭にこないこと、主語と述語が続かないこともあると伝える。その上で、主語は「がまくん」か「とても」か再度考えさせ、がまくんであることを学ばせる。
・子どもたちにわかりやすいよう、分かち書きをする。
・教科書の練習課題をノートに書かせるときは教科書と同じように主語は赤、述語は青の線を引く。教科書に線を引くときも同様にする。色での区別は視覚的支援にもなり、学びやすい。
意欲的に学習に取り組むための工夫
・単元の最後に学びを深めるための手立てとして、教師がイラストや写真を用意して主語と述語を使った短文を書かせるのもよい。ご飯を食べている絵、泳いでいる絵、動物が走っている絵など単純なものや、雨の中で傘をさしている絵、鉄棒をしている絵など日常生活に結びついた絵を示すと子どもたちも考えやすい。学級の子どもたちが運動会の練習をしている写真、野菜を収穫した写真、遠足の写真などを使うのもよい。グループで考える、ペアで考える、自分で考えるなどさまざまなやり方ができる。
・クイズ形式にすると、低学年の子どもも楽しんで参加できるだろう。
・朝の会や日直のスピーチなどで、主語と述語を意識した文を話させるのもよい。
参考URL:https://www.mitsumura-tosho.co.jp/kyokasho/s-kokugo/material2nen
(光村図書webサイト)
執筆者プロフィール
もりはな先生
- 元公立小学校教諭。「みんなで聴き合う・つながる授業」をモットーに、考えたくなる課題作りに取り組んできた。現在は、忙しい先生たちや子どもたちを応援するwebライターとして活動中。
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