【夏休み前】教師は3つの準備を計画的・意図的に

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もうすぐ夏休みですね。

児童はもちろんのこと、教師にとっても夏休みは待ち遠しく、楽しみなものです。

そんな楽しい夏休みを児童も教師も気持ちよく迎えるために、今回は夏休み前にする教師の準備について解説します。

夏休み前に教師は以下の3つを計画的、意図的に準備するとよいです。

①夏休み前の準備

②夏休みの指導を準備

③夏休み明けの準備

目次

夏休み前の準備:1学期の着地点を意識しよう!

夏休み直前に教師が一番力を注ぐのは「クラスをソフトランディングさせる」です。

ソフトランディングとは、飛行機が緩やかに下降して地面に着陸することです。

つまり、「クラスが安心・安定して夏休みという空港に着陸すること」に教師は夏休み前に注力します。

そのためにも、児童が「このクラスでよかった」「1学期がんばれた」「夏休みも楽しみだけど、学校も楽しい」と実感する取り組みが重要です。

また、夏休み直前の時期は、浮ついた気持ちや気の緩みが見られる児童が多い時期です。

加えて、教師は成績処理などの事務作業で多忙な時期です。

こうした状況の中でクラスをソフトランディングさせるポイントが2点あります。

成長を実感する1学期のふり返り

児童が成長を実感できるふり返りをさせましょう。

私は「児童自身のふり返り」と「クラスのふり返り」を分けて1学期のふり返りをさせていました。

「児童自身のふり返り」では、「目標に対するふり返り」「成長点」「課題点」などをふり返ります。「4月の自分」と「今の自分」を比べるようにしましょう。

「クラスのふり返り」も「自己のふり返り」と同じように4月のクラスと比べます。

私は「クラスのふり返り」にタブレット端末を使用していました。「クラスのよいところ」「クラスの直したいところ」などを児童に書いてもらい、クラスの皆で見合えるようにしました。

自己やクラスの成長点・よさに気づいた児童は、安心感の中で夏休み前を過ごせます。

また、「ふり返り」をすると、「どんなところを頑張れたか」「何がわかった(できた)か」「何ができなかったか」など、メタ認知を促せます。

メタ認知とは「自分を客観的に見つめる力」です。

メタ認知の力が育つと、客観的に自己(クラス)の成長点や課題点を把握でき、次学期の成長エネルギーを充電できます。

クラスの力を高めるお楽しみ会

学期終わりに「お楽しみ会」を企画するクラスもあると思います。

しかし、ただの「思い出づくり」とするか、「学びの場」とするかは教師の手腕が問われます。

私は、クラスのお楽しみ会を「クラスの結束」「児童のアイディア力向上」を意図して取り組みました。

例えば「鬼ごっこ」をお楽しみ会でやりたいと児童が提案した場合、鬼ごっこ担当グループには「クラスの結束が深まる鬼ごっこ」や、「これまでにやったことのないルールの鬼ごっこ」を企画してもらうように伝えていました。

これは「何でもバスケット」でも、「ハンカチ落とし」でも同じです。

児童なりに工夫したルールを考えれば、お楽しみ会も大いに盛り上がります。

児童のアイディアが詰まったお楽しみ会は、クラスの一人ひとりの創造力がアップする上に、そのクラスのオリジナリティ満載の思い出にもなります。

中学年・高学年は自分たちの力でお楽しみ会を企画できますが、低学年は教師と児童の話合いでアイディアを練っていけるとよいでしょう。

夏休みの指導を準備

夏休みの指導の準備も重要です。

児童が安心して夏休みを過ごせるように児童に話す内容を整理しておきましょう。 

宿題についての話

夏休みの宿題がある場合は、1学期最終日に話すのではなく、1学期が残り2〜3日の時点で話すことをおすすめします。

理由は、児童と保護者が宿題を確認する時間が必要だからです。

1学期最終日に児童から質問が相次いだり、夏休み初日に保護者からの問い合わせが続出したりする状況は避けたいところ。

児童が登校している間に質問や問い合わせに対応するには、1学期が残り日数がある状況で宿題についての話をしておくとよいです。

また、児童や保護者が不安にならないように、宿題の内容・範囲・提出方法・提出期限」などを学校・学年全体で確認しておきましょう。

夏休みの過ごし方についての話

各校、生徒指導担当から夏休みの過ごし方の話があると思います。その話に合わせて(補足して)話しましょう。

以下が要点です。

  • お金(児童同士の貸し借りはトラブルの元)
  • 不審者(ついていかない)
  • 火事(お留守番中などに気をつける)
  • 水遊び(ゲリラ豪雨、川などの危険性)
  • 保護者と一緒に(プール、祭り、娯楽施設など)
  • 規則正しい生活(早寝早起き、宿題の計画など)

 

夏休みは児童にとって一大イベントです。

とにかく「休んで、楽しむ!」を後押ししながらも、安全に過ごすように伝えましょう。

また、夏休みは普段できないことに取り組める時間が教師にも児童にもあります。

夏休みに取り組みたいことや、頑張ってみたいことなどをクラスで話し合う機会があると、よりよい夏休みになりそうですね。

重要な夏休み明けの準備

意外と見落としがちなのが、夏休み明けの指導。

夏休み明けの2学期初日に児童が安心して登校できるように準備します。

2学期始業式の動きと持ち物

夏休み明け初日は始業式を行う学校がほとんどでしょう。

「登校後の動き(宿題の提出方法など)」「初日の下校時刻」などは、夏休み前に確実に伝えなければいけません。

児童によっては夏休み明けの登校に不安を感じる場合があります。

安心して登校できるように、夏休み明け(特に2学期初日)の話を夏休む前にします。

最近は、2学期初日から学校行事が立て込んでいる学校も多いと聞きます。

2学期の大まかな予定を伝えておくだけで、児童や保護者が夏休み明けに慌てて準備することを防げるでしょう。特に宿泊体験行事が夏休み明けにある場合は、金銭や持ち物の準備があるので要注意です。

まとめ  多忙の時期でも、計画的・意図的に

忙しい時期でも、計画的に準備をし、意図的に話せる(指導できる)ようにしましょう。計画的、意図的な細かい配慮の積み重ねによって、児童・保護者の信頼を得られます。この時期は、4月当初の学級開きと同じくらいの緊張感が必要です。

教師も児童も前向きな状態で1学期を終え、気持ちよく夏休みを迎えましょう。

執筆者プロフィール

マー

小学校教員を15年務めた後、フリーのWEBライターに転身。教員時代は安全主任、体育主任、生徒指導主任、学年主任を担当。現在は「物事のよさをより多くの人に」をモットーに教育系記事、金融系記事を主に執筆。趣味は野球観戦とランニングで、野球やマラソン・駅伝を応援するブログを運営している。

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