「雨のうた」(光村図書2年国語)~音読発表をしよう~

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目次

本単元で身に付けたい資質・能力

本単元では、語のまとまり言葉の響きなどに気をつけて音読する力を身に付ける。また、それらに気を付けて音読することを通して、楽しんで詩を読み、感じたことや分かったことを友だちと共有する力を養う。

単元の評価基準

知識・技能

  • 語のまとまり言葉の響きなどに気をつけて音読している

思考・判断・表現

  • 「読むこと」において、詩を読んで感じたことや分かったことを共有している

主体的に学習に取り組む態度

  • 語のまとまりや言葉の響きに気をつけて音読し、これまでの学習をいかして詩を楽しんで読もうとしている

単元の展開【全2次(2時間)】

第1次(1時) 詩を音読し、好きなところについて話し合う

  • 学習課題「音読発表をしよう」を確認する。

教師:「今日から『雨のうた』という詩を学習します。この学習の最後には、みんなの前で音読を発表してもらいます。」

  • 雨のイメージを出し合い、音を想像する。

教師:「雨の音と聞くと、どんな音を想像しますか。」

児童:「ぽつぽつ。」

教師:「その音がするとき、雨はどんな様子ですか。どこから音が聞こえてきますか。」

児童:「『ぽつぽつ』は、雨が優しく降っているときの音です。さしている傘に雨が当たると聞こえてきます。」

  • 教師の音読(擬音語の部分を除く)を聞く。

教師:「今から、先生が『雨のうた』を音読します。教科書は、まだ開きません。」

※教科書p115、3行目以降は、そこにどんな擬音語が入るか子どもたちに想像させるため、擬音語を飛ばして読む。

  • 教科書p115、3行目以降の雨の音を想像する。

教師:「先生が読まなかった箇所がありました。この部分には、どんな音が入るでしょう。」

児童:「ぽとぽと。」

教師:「どうして、その音だと思いましたか。」

児童:「『やねで』とあるので、屋根に雨が当たった時の音を想像したからです。」

  • 擬音語も含めた「雨のうた」を確認し、始めから終わりまで音読する。
  • 「雨のうた」の好きなところを発表する。

教師:「『雨のうた』の面白いな、好きだなと思ったところはどこですか。」

児童:「いろんな雨の音が出てくるところが面白かったです。」

児童:「『あめは ひとりじゃ うたえない』のところが、いいなと思いました。」

  • 次回の学習の見通しを持つ。

教師:「次回は、ひとりずつ音読を発表します。音読の宿題を出すので、すらすら読めるように練習をしておいてくださいね。」

【板書例】

※③で教師が音読をしながら、用意した短冊や画像を使って、詩を提示する。

※④で子どもたちの考えを聞いた後、〇〇部分の擬音語を埋める。

第2次(2時)音読発表する

  • 音読発表の方法と、気を付けるポイントを確認する。

教師:「今日は、ひとりずつ音読を発表します。ひとりで読むところは、ここ(黒板で示す)です。それ以外の部分は、全員で読みます。」

教師:「音読で気を付けるポイントは3つです。はきはき読むこと、すらすら読むこと、リズムよく読むことです。」

  • 音読発表をする。
  • 友だちの音読について、よかったところを伝え合う。

教師:「Aさんの音読で、良かったところを教えてください。」

児童:「詰まらずに、すらすら読めていたところが良かったです。」

※①では、友だちの発表を聞き続けると中弛みする場合があるため、みんなで読む箇所を設定。

【板書例】

※必要に応じて、音読で気を付けるポイントを示す。

授業をふりかえって

本授業では、音読する力思いを共有する力詩を楽しんで読む力を養うことを主に設定して組み立てました。

まず、音読する力においては、語のまとまり言葉の響きなどに気をつけて音読することが求められます。しかし、子どもたちにとっては、「どうすると良いのか」といった正解が見えづらい状態です。そこで、ポイントを3つに絞り、「これができれば良い」というゴールを設定しました。このポイントについては、普段の音読の取り組みや、子どもたちの実態に応じて、先生方が設定すると良いと思います。

次に、思いを共有する力についてです。詩を聞いたり音読したりして、「面白いな、好きだな」と感じたところについて、なるべくたくさんの子どもたちに発表をさせたいです。難しい場合は、「〇〇さんと同じで、……。」といったように、友だちの思いを参考にするようアドバイスするのも手段のひとつです。

最後に、詩を楽しんで読む力についてです。「雨のうた」は大変興味深い作品ですが、単に教科書を開いて「みんなで読んでみましょう」という流れにしてしまうと、その魅力が半減されてしまいます。そこで、導入では教科書を開かず、教師の音読と一緒に黒板に詩を示したり、擬音語の部分を隠したりすることで、子どもたちに「次はどんな言葉がくるだろう」と想像させる楽しみを増やすきっかけを作りました。

短い単元ですが、身に付けさせたい力がぎゅっと詰まっています。単調な流れにならないよう工夫して、楽しい授業づくりに励んでください。

参考・引用図書

光村図書『こくご 二上』

参考・引用URL

https://assets.mitsumura-tosho.co.jp/7617/1031/2777/06s_k_nenkei2_03.pdf(光村図書HP内)

執筆者

MUKOせんせい

元小学校教諭としての経験を活かし、中学・高校でも講師として教壇に立つこと多数。現在は、子育てに奮闘しながら、現場で働く先生方をサポートするウェブライターとして活動中。

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