本単元で身に付けたい資質・能力
本単元では、これまでに学習してきた助詞やかぎ(「 」)の使い方、句読点の打ち方を文章の中で使用する力を身に付ける。また、「書くこと」においては、自身が経験したことなどから題材を見つけ、文章を書くために必要な情報を集めたり確かめたりする力も身に付けていく。家の人に知らせたいことを伝えるためには、どんな情報をどの順序で書く必要があるのか、学習の見通しをもって伝えるための文章を書こうとする態度を養っていく。
単元の評価基準
知識・技能
- 言葉には、事物の内容を表す働きや、経験を伝える働きがあることに気づいている。
- 助詞の「は」、「へ」及び「を」の使い方、句読点の打ち方、かぎ(「 」)の使い方を理解して、文や文章の中で使っている。
思考・判断・表現
- 「書くこと」において、経験などから書くことを見つけ、必要な事柄を集めたり確かめたりしている。
- 「書くこと」において、語と語や文と文との続き方に注意しながら書き表している。
主体的に学習に取り組む態度
- 知らせたいものを丁寧に観察し、学習の見通しをもって見つけたことを文章にして伝えようとしている。
単元の展開(後編)【第4~6次(4時間)】
第4次(5時)文章を声に出して読み返したり、友だちと読み合ったりして間違いがないか確かめる
- 本時の活動を確かめる。
教師:「今日は、文章を読み返して間違いがないか確かめます。まずは、自分が書いた文章を読み返しましょう。読み終えたら、チェックリストを見て確認します。間違いがあったら赤で直しましょう。」
- 自分が書いた文章を読み返し、間違いがあったら赤で直す。
- 友だちが書いた文章を読み、間違いがあったら伝える。
教師:「次は、友だちと文章を交換して読み合います。読み終えたら、友だちのチェックリストに記入しましょう。間違いがあったら伝えましょう。」
- 次回の学習の見通しをもつ。
教師:「次回は、今日直した文章を新しい作文用紙に書いていきましょう。」
【板書例】
【チェックリスト例】
第4次(6時)本番書きをする
- 本時の活動を確かめる。
教師:「今日は、前回直した文章を新しい作文用紙に書いていきます。この文章は、家の人に読んでもらうものです。家の人が読みやすい文字で書きましょう。」
- 新しい作文用紙に文章を書く。
教師:「書き終えた人は、チェックリストを確認しましょう。」
※作文用紙は、子どもの実態に応じた大きさのマス目に設定し、用意する。
※作文用紙の隅にチェックリストを付ける等して、書き終えた子どもが自分で確認できるように工夫する。
- 教科書p23を読み、次回の学習の見通しをもつ。
教師:「次回は、家の人に読んでもらった感想を伝え合いましょう。」
※授業終了後、用紙を回収し、添削する。添削出来たら返却し、家の人に文章を読んでもらうよう宿題を出す。
※完成した作文用紙に、感想カードを貼り付ける等して、家の人が読んだ後に感想を書けるようにしておく。
【板書例】
第5次(7時)家の人の感想を発表する
- 本時の活動を確かめる。
教師:「今日は、家の人に読んでもらった感想を伝え合います。」
- 班で、家の人に読んでもらった感想を伝え合う。
- 全体で、家の人に読んでもらった感想を発表する。
- 次回の学習の見通しをもつ。
教師:「次回は、『見つけたことを書いて、知らせよう』の振り返りをします。」
第6次(8時)本単元で学んだことを振り返る
- 本時の活動を確かめる。
教師:「今日は、『見つけたことを書いて、知らせよう』で学習したことを振り返ります。」
- プリント等を使って、学習の振り返りをする。
※問題は、単元の評価基準に沿って作成する。
問題例:「、」や「。」を正しく使って、次の文章をわかりやすくしましょう。
①はまぐりがすなのなかにかくれています
②あのくじらはきっとがっこうがすきなんだね
問題例:様子がよくわかるように、言葉を選んで書きましょう。
「ぴょんぴょん、ころころ、ばくばく」
①うさぎが【 】はねる。
②おなかがすいて【 】たべる。
③どんぐりが【 】ころがる。
問題例:空いているところには、「は」「へ」「を」のどれかが入ります。正しいものを選んで書きましょう。
①ぴょんのからだ【 】、みどりとちゃいろです。
②はっぱ【 】やると、むしゃむしゃとたべます。
③スーパー【 】かいものにいきます。
- 単元のまとめをする。
教師:「知らせたいことがうまく伝わると、とてもうれしい気持ちになりますね。知らせたいものをよく見て、見つけたことを書く方法を生活の中でも活かしていきましょう。」
授業をふりかえって
4月から学んできた平仮名や主語と述語の関係、句読点の打ち方などを、総合的に活かして文章を書くことが求められる単元です。
子どもたちは、「家の人に知らせたい」という気持ちをたくさん持って、意欲的に学習することでしょう。ただ、文章を書くことが苦手な子どもにとっては、その作業によって「知らせたいのにうまくできない」というつまずきから、文章作成に苦痛を感じてしまう恐れがあります。作文用紙に書く段階の前に、見つけた情報をカードで整理させたり、短冊カードに一つずつの文章を丁寧に作成させたりすることで、大きな失敗をなくし、子どもたちが楽しんで文章を書けるようにしていきたいです。
そして、家の人に読んでもらった後には、感想を書くよう協力してもらい、子どもたちが「文章を書いてよかった、楽しかった」という経験を積めるように工夫することが大切だと考えます。
参考・引用図書
光村図書『こくご 一下』
参考・引用URL
https://assets.mitsumura-tosHo.co.jp/5917/1031/2528/06s_k_nenkei1_03.pdf(光村図書HP内)
執筆者
MUKOせんせい
元小学校教諭としての経験を活かし、中学・高校でも講師として教壇に立つこと多数。現在は、子育てに奮闘しながら、現場で働く先生方をサポートするウェブライターとして活動中。
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