本単元で身に付けたい資質・能力
本単元では、⾝の回りの動物を探す中で、それらの様⼦や周辺の環境を⽐較しながら、⽣物と環境との関わりを調べる活動を通して、それらについての理解を図り、観察、実験などに関する技能を⾝に付けるとともに、主に差異点や共通点を基に、問題を⾒いだす⼒や⽣物を愛護する態度、主体的に問題解決しようとする態度を養うことができるようにする。
単元の評価基準
- 知識・技能:生物はその周辺の環境と関わって生きていることを理解している。
- 思考・判断・表現:身の回りの生物の様子について追求する中で、違いや共通点を基に、身の回りの生物と環境との関わりについての問題を見いだし、表現できる。
- 主体的に学習に取り組む態度:⽣物と環境との関わりについての事物・現象に進んで関わり、他者と関わりながら問題解決しようとしている。
他教科とのつながり
本単元は、生活科「(7)動植物の飼育・栽培」の学習をふまえ、「生命」についての基本的な概念を柱とした内容の「生物と環境の関わり」に関わるものであり、第4学年「B(2)季節と生物」、第6学年「生物と環境」の学習につながるものである。
単元の展開【全4時】
1時(第1次)動物とすみかとの関係を予想する
- これまでに学校でどんな動物を見たことがあるか思い出し、発表する。
- それぞれの動物がどんな場所に住んでいると思うか、予想を考える。
- ※予想を立てる時は、必ず理由とともに考えることを身につけさせておく。
- (児童の反応例)
- 「ダンゴムシは石の下で見つけたことがあるから、暗いところにいるんじゃないかな」
- 「バッタは草むらにいると思うよ」
- 「プールでトンボを見たからトンボは水が好きなのかな」
- ※地域や学校によって生息している動物の違いが大きいため、実態に応じて指導する。特に都会の学校では生息している動物が限られている点に留意する。
- どこで、どんな動物を探すのか、観察の計画を立てる。
2時(第2次)校内の動物を観察する
- 前時で立てた計画をもとに学校内の動物を観察しに行く。
- 動物を観察し、観察カードに記録する。
- ※「動物の色や形、大きさや見つけた場所など」を観察する視点として伝えておく。
- 可能であればタブレットなどの端末でも写真を撮り記録しておく。
- ※1人1台が難しければグループで1台など、実態に応じて使用するようにする。
- 観察カードへの記録が間に合わない場合は、タブレットで写真を撮り、教室に帰ってから記録するように伝える。
第3時(第2次)観察結果から動物とすみかの関係を考える
- 観察カードやタブレットの記録をもとに、動物とすみかの関係について共通点やちがいを考える。
- (児童の反応例)
- 「だんごむしやミミズは暗い場所にいたよ」
- 「バッタやカマキリは草むらにいたね」
- 「運動場にはあまり動物がいなかったよ」
- 似た場所で見つけた動物の共通点や、すみかが異なる動物にはどんな違いがあるかを考えるように伝える。
- 個人でまとめたことをグループで共有する。
- ※グループ共有する際には観察カードの使用だけでなく、タブレットなどICT機器も活用してまとめられるとなお良い。
第4時(第3次)動物のすみかについて考えたことを発表する
- グループで共有したことをもとに、動物がなぜその場所で見つけられるのか話し合う。
- (児童の反応例)
- 「ダンゴムシやミミズは太陽が苦手だから暗い場所にいると思う」
- 「バッタは草を食べるから草むらにいたんだと思う」
- 「トンボがプールにいたのは卵を産むためかな」
- 「どうして動物によってすみかが違っているのかな」
- グループごとに動物を見つけた場所、その場所にいた理由を考え発表する。
- ※発表の際は書画カメラや電子黒板、スライドなどを利用し、児童が興味をもって発表したり友だちの発表を聞いたりすることができるようにする。
- 理由とともに動物とすみかの関係を発表するように伝える。
実践にあたっての注意点
教科書では本単元の指導時期は9月となっているため、観察に際しては熱中症予防に特に気をつけたい。
具体的には以下の点に留意し、安全に観察ができるようにしましょう。
- 必ず帽子をかぶって観察する。
- 観察前に必ず水分を補給する。
- 水筒を持参する。
- 観察に熱中して水分補給を忘れる児童もいるので、タイミングを見て水分を摂るように伝える。
また、昆虫などの虫が苦手な児童もいると考えられる。苦手な児童に無理強いはできないため、その場合はグループでうまく役割分担できるように促すとよい。
参考・引用URL
https://www.dainippon-tosho.co.jp/rika/files/r6rika3rdSH.pdf(大日本図書HP内)
執筆者プロフィール
こうすけ先生
小学校で正採用や非常勤講師として10年以上勤務。現在は理想の働き方を目指し、教員と副業の両立を模索している。
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