1 伝えたいことを簡単な手紙に書く事例
この実践は文部科学省から許可を得て、文部科学省ホームページ上の「先生応援ページ」より転載させて頂いております。ここから指導案もダウンロードできます。添付ファイル
単元の目標
お世話になった人に,小学校生活での様子を分かってもらえるように,必要な事柄を集めて簡単な手紙を書くことができる。
教材
教科書教材文 自作のモデル文章教材
主な学習活動
(1)単元の指導計画(全4時間)
【言語活動の充実の工夫】
1. 相手や目的を明確化することで書きたい思いを膨らませる
手紙を書くことは文字言語で伝え合うことの代表的な言語活動である。単元の導入に当たっては,本事例のように教師自身がもらってうれしかった手紙を紹介したり,自分の学校生活を振り返って伝えたいことや伝えたい相手への思いを膨らませたりしていくことが,児童の課題意識を高めていく上で効果的である。
2. 手紙がもつ特徴の理解を図る
本単元では,手紙を書く言語活動を通して指導をするに当たり,手紙がもつ特徴を理解できるようにしている。
- 手紙には書き手と読み手がおり,多くは特定の相手に向けて書かれるものであること。
- 手紙が相手に届き,読んでもらえるようにするため,あて名や自分の名前が必要であること。
- 実際に投函して届けてもらうためには,切手を貼ったり住所等を記載したりする必要があること。 など
なお,手紙の形式などについては,主に中学年において重点的に取り上げることとなる。 こうした指導により,学年の発達の段階に応じながら,日常生活に必要とされる書く能力を育成できるようにしている。
3. 材料収集の視点を明示
本事例では,手紙の特徴を踏まえながら,単元の指導目標である「お世話になった人に, 小学校生活での様子を分かってもらえるように,必要な事柄を集めて簡単な手紙を書く」ことができるようにするために,材料収集の視点を押さえている。具体的には以下のような視点を意識できるようにしている。
- 第一次において,学校生活を振り返る様々な視点を提示する。
- 第二次においては,書く相手を決めた上で,自分が伝えたいことと伝える相手が喜んでくれそうなことの双方の観点から材料を集めるようにする。
- 集めた材料の中から,相手に特に伝えたい事柄を選ぶようにする。
4. 書くことのよさを実感する交流場面の設定
書くことのよさを実感できるように,書いた手紙が相手に届き,その場で感想をもらえるような場の設定を工夫している。こうしたことが次に書くときの大きなエネルギーとなる。なお,校外の活動となるため,実際の指導に当たっては,保護者や関係機関に事前に協力を依頼したり,安全面で十分配慮したりすることが重要である。
5. 低学年における日常的な書くことの指導
低学年の児童の書く能力を高めるには,感じたことや伝えたい思いが膨らんでいるタイミングをとらえて書く学習を展開することが極めて効果的である。つまり,体験と表現との間隔をできるだけ縮めることが求められる。そうした場で表現される豊かな言葉を取り上げて蓄積していき,次の書く機会にも生かせるようにすることで語彙が拡充され,「楽しかった」「おもしろかった」だけではなく,自分の思いを表すのにふさわしい言葉を選 んでいけるようになる。そのためにも,長時間をかけて大作を仕上げることに偏る指導ではなく,例えば手紙を書く言語活動などを通して,短時間であっても日常的に,相手や目的を意識し自分の思いを書いて表現する機会を適切に設定するなどの工夫が重要である。
引用元
文部科学省ホームページ「先生応援ページ」(授業資料・学習評価等)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/senseiouen/index.htm
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