本単元で身に付けたい資質・能力
この文章は、問を出したあとすぐに答えが書かれるという構成でできている。「それぞれのじどう車は、どんなしごとをしているか」「つくりはどうなっているか」という問いに対しての答えが書かれている。この繰り返しで、文章が成り立っている。答えの文章では「そのために」という言葉を使用し「しごと」とつくりを結びつけている。
そこで、問に対しての答えになる文章を探す力、「しごと」と「つくり」のように、答えがどのような関係で書かれているのかをつかむ力、文章全体の構成に視点を向けることができる力を「変化のある繰り返し」の発問に答えることで、身に付けたい。
単元の評価基準
知識・技能
①それぞれの自動車の共通点、相違点を捉えているか
②情報を提供している順序や情報と情報の関係をつかんでいるか
思考・判断・表現
①文章の中の重要な語句「そのために」に気づいているか
②問の文章と答えの文章の関係、構造に気づいているか
③必要な情報を選び、文章にまとめることができているか
主体的に学習に取り組む態度
必要な情報を選んで文章にまとめるときに、問と答えの関係の構造にしてまとめているか
子どもの意欲を引き出すには
問に対しての答えが「しごと」「つくり」という構成で書かれている。それぞれの自動車が持つ「しごと」「つくり」という順序で書かれている。変化のある繰り返しで書かれている。この文章の構成に子ども自身で気づかせることで、子どもの意欲を引き出す。
自分にも自動車の働きがまとめられたという自信を持たせ、他の自動車についても調べてみようという意欲を引き出す。そのために、自分で選んだじどう車に対して「問の文」「答え(この文章の場合は、「しごと」と「つくり」)という構成を教えておく。
単元の展開【1時~7時】
1時(第1次) 「じどう車くらべ」の全文を音読する
- 1時間かけて、全文を音読させ、文章全体の概略をつかむ。
- 1文ごとに追い読みする(先生が1文読んだあとに子どもに1文音読させる)。
- 交代読みをする(先生が先に1文読んだあとに、次の1文を子どもが音読する)。
- 交代読みをする(子どもが先に、1文読んだあとに、次の1文を先生が音読する。これを繰り返す)。
- 交代読みをする(男の子が先に、1文読んだあとに、次の1文を女の子が音読する。全文の音読が終わったら、今度は女の子が先に読む。)
- 座席の列ごとに音読する。1人ひとりが1文を音読する。
- 文章全体が「問」と「答え」の関係で書かれていることをつかむ(問とは読者に 投げかけている問題文、1文の定義を教えておく)。
2時(第1次) バスやじょうよう車の「しごと」「つくり」をまとめる
- バスとじょうよう車に関する部分を音読する。みんなで一斉に読む。
- 先生「今、読んだ文章の中に問いの文があります。問の文に鉛筆で線を引きます」
- 答え「それぞれのじどう車は、どんなしごとをしていますか」
- 先生「この文の問いの1文字は何ですか」
- 答え「か」
- 先生「もうひとつ、問いの文がありますね。鉛筆で線を引いてごらん」
- 答え「そのためにどんなつくりになっていますか」
- ※「~ですか」のように文末に「か」がつくと疑問の文章になることがあることをつかむ。
- 答え「そのためにどんなつくりになっていますか」
- 先生「問いの文が1つありますね。ひとつめの問の文の中で大切な言葉はどれでしょう。鉛筆で〇をしてごらん」
- 答え「どんなしごと」
- 先生「バスやじょうよう車のしごとが書かれている1文を探して、線を引いてごらんなさい」
- 答え「バスやじょうよう車は、人をのせてはこぶしごとをしています」
- 先生「人をのせてはこぶためのつくりの答えが“そのために”という言葉を使って2つまとめられています。つくりがかいてある文を2つ見つけて、線を引きます」
- 答え1「ざせきのところがひろくつくってあります」
- 答え2「そとのけしきがよく見えるように大きななどがたくさんあります」
- 以上の発問と作業を通して、問に対しての答えが「しごと」「そのために」「つくりその1」「つくりその2」という構成でできていることをつかむ。
3時(第1次) トラックの「しごと」「つくり」をまとめる
- トラックに関する部分を音読する。みんなで一斉に読む。
- 問の文は、前時の「それぞれのじどう車は、どんなしごとをしていますか」
- 「そのためにどんなつくりになっていますか」であることを確認する。
- 先生「トラックはどんなしごとをしていますか。答えの1文を探してノートに書いてごらん」
- 答え「にもつをはこぶしごとをしています」
- 先生「そのために、どんなつくりになっていますか。ノートに2つ書いてごらん」
- 答え1「うんてんせきのほかはひろいにだいになっています」
- 答え2「おもいにもつをのせるトラックにはタイヤがたくさんついています」
- ※1つ書けた子にノートを持ってこさせて先生がチェックする。正解した子に2つ目を書かせる。2つ書けたから黒板に書く。書いた子に読んでもらい答え合わせをする。
- できなかった子は、黒板に書かれた答えを写す。1つずつ先生に見せるのは一度に2つ書かせて両方やり直しになると、子どもは直すのが大変になるため。
- 2つできた子に黒板に書かせるのは早く終わった子にやることのない時間を作らないためと、分からない子・まだできていない子へのヒントや時間調整のため。
- ※ここでも「そのために」という言葉を使って答えが書かれていることにも触れておく。
4時(第1次) クレーン車の「しごと」「つくり」をまとめる
- クレーン車に関する部分を音読する。みんなで一斉に読む。
- 問いの文は、ここでも
- 「それぞれのじどう車は、どんなしごとをしていますか」
- 「そのためにどんなつくりになっていますか」 であることを確認する。
- 先生「クレーン車はどんなしごとをしていますか。答えの1文を探してノートに書いてごらん」
- 答え「おもいものをつりあげるしごとをしています」
- 先生「そのために、どんなつくりになっていますか。ノートに2つ書いてごらん」
- 答え1「じょうぶなうでがのびたりうごいたりするようにつくってあります」
- 答え2「車たいがうごかないように、しっかりしたあしがついています」
- ※1つ書けた子どもにノートを持ってこさせて先生がチェックする。正解した子どもに2つ目を書かせる。2つ書けた子は、黒板に書く。書いた子に読んでもらい答え合わせをする。できなかった子は、黒板に書かれた答えを写す。
- 2つできた子に黒板に書かせるのは早く終わった子にやることのない時間を作らないためと、分からない子・まだできていない子へのヒントや時間調整のため。
- ※ここでも「そのために」という言葉を使って答えが書かれていることにも触れておく。
5時(第1次) はしご車の「しごと」「つくり」をまとめる
- 「せつめいする文しょうを読もう」のページをみんなで一斉に音読する。
- 先生「はしご車はどんなしごとをしていますか」
- ※教科書には答えが書かれていないので、子ども自身で考えて、ノートにまとめる。
- ※図鑑などを事前に用意したり、図書館で調べさせたりするのもよい。
- 子どもから出ると予想される答え
- ① 火を消すしごと
- ②火事になった家から人を助けるしごと など
- ※必要があれば、話し合いを通してより良い答えを出して、ノートにまとめる
- 先生「そのために、はしご車はどんなつくりになっていますか」
- 子どもから出ると予想される答え
- ① 高いところへ行けるようにはしごが出せるつくりになっている
- ② 火事があったことを知らせるつくりになっている
- ③ 赤い色で多くの人に目立つ赤色になっている など
- 子どもから出ると予想される答え
- ※必要があれば、話し合いを通してより良い答えを出して、ノートにまとめる。
6時(第2次) 紹介したいじどう車をえらぶ
「じどう車ずかんをつくろう」の全文を読む。先生と子どもで追い読み、交代読みをして、学習課題をつかむ。
子どもが紹介したいじどう車を選べるように事前に宿題にしたり、じどう車に関する本や図鑑などを集めておいたり、図書館で授業をしたりする。
紹介したいじどう車の本を選ぶ。
7時(第2次) 紹介したいじどう車のカードをつくる
問の文、しごと、つくりの構成でまとめられるようにする。
どの子どもも書くことができるように黒板に子どもが使う原稿用紙を拡大して貼り、見本、テンプレート(文章の型)を示しておく。
問いの文ができた段階で1度、先生に見せる。順次、しごと、つくりというように1文ずつ見せる。全文を書かせてから見せに来させると直しがあると子どもが大変になるため。また、教師が読むのにも時間がかかり、見てもらうのを待つ子を多く出してしまうため。
【じどう車カードの例】


できたカードは、教室や廊下の壁面などに掲示して、みんなで見られるようにする。
参考・引用図書
参考URL
「じどう車くらべ」「じどう車ずかんをつくろう」 実践記録 その1(旧教科書) | TOSSランド (toss-online.com)
「じどう車くらべ」「じどう車ずかんをつくろう」 実践記録 その2(令和2年度版教科書) | TOSSランド (toss-online.com)
「じどう車くらべ」全発問 | TOSSランド (toss-online.com)
「じどう車くらべ」全発問 | TOSSランド (toss-online.com)
小1国語「じどう車くらべ」指導アイデア|みんなの教育技術 (sho.jp)
小1 国語科「じどう車くらべ」全時間の板書&指導アイデア|みんなの教育技術 (sho.jp)
参考図書
「国語」授業の新法則 1年生編 企画・総監修 向山洋一p72~73
執筆者プロフィール
須貝 誠(すがい まこと)
公立小・私立小など数多くの教育現場での講師経験あり。
塾では、主として「国語」を担当。小学生、中学生、高校生に教える。
TOSS(教師が集まる民間の教育団体)で「楽しい授業」「よく分かる授業」などを学ぶ。
現在は、おもに塾講師・教育ライターとして「教育」「授業」「国語」を学びつつ、
教育に関する記事を書き、教員や保護者を応援している。

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