本の小箱を作ってお気に入りの本を紹介しよう(国語 指導案)

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目次

1 読んだ本について好きなところを紹介する事例 

この実践は文部科学省から許可を得て、文部科学省ホームページ上の「先生応援ページ」より転載させて頂いております。ここから指導案もダウンロードできます。
添付ファイル

単元の目標

自分の好きな本を見付けながら,本や文章を選んで読むとともに,場面の様子について人物の行動や会話の描写に着目し,想像して読むことができる。

教材

文学的な文章の教科書教材 低学年向けの,繰り返しや場面の様子がおもしろい物語の本

主な学習活動

(1)単元の指導計画(全10時間)

(2)本時の学習

教材文と並行して読んできた本の中から自分のお気に 入りの本を選び,再読しながら,小箱に入れる絵カードと「おすすめカード」を作る。

  1. お話を紹介するのに大切だと思うもの(主人公などの登場人物,登場人物が持っているものや大事なもの,登場人 物が行く場所や住んでいるところ,繰り返し出てくるものなど)を見付ける。
  2. お話の一番好きなところとその理由を書いて小箱に入れる「おすすめカード」を作る。

※「おすすめカード」を作る際には,好きな場面を紹介するために,選んだ本や文章を繰り返し読んでいく。

【言語活動の充実の工夫】

○ 本事例は,「お話の好きなところを見付けて読む」という,児童の思考が活発にはたらく場を設定した上で,単元を通して場面の様子について登場人物の行動や会話などに着目して想像を広げて読むことを繰り返し位置付けたものである。

従来の指導では,教材を場面ごとに読み取った後に本を紹介することが位置付けられることが多かった。その指導過程では,「本の紹介」が付加的に位置付けられることとなるため,教材文を読む際に,「お話の好きなところを見付けて読む」という思考や判断を働かせることが難しい状況が見られた。より効果的な 指導を行うためには,「読んだ本について好きなところを紹介する」ことが,本や文章を選んで読む能力や, 場面の様子について,人物の行動を中心に想像を広げて読む能力の育成につながるようにすることが大切である。そこで,単元を通じて「本の好きなところを紹介する」という言語活動を位置付け,読む能力を 確実に指導できるよう工夫している。本事例は,以下のように構想されたものである。

1. 単元で指導すべき能力の確定

まず,当該単元で付けたい能力は何かを,年間指導計画や児童の実態を踏まえ確定する必要がある。本事例では「C読むこと」の指導事項ウ,カを重点的に指導する。

2. 言語活動の確定

続いて,1で確定した能力を指導するのにふさわしい言語活動を決める。本事例では,言語活動例オに示す言語活動を具体化した「本の小箱」づくりを位置付けている。

3. 言語活動を通して指導する国語の能力のより具体的な把握

2.で確定した言語活動を行うに当たり,必要な能力を明らかにすることで,付けたい力を一層明確にす る。本事例では,「読んだ本の好きなところを紹介する」ために,お気に入りの本や文章を選んで読んだり, 好きな場面を見付けたり,その理由を考えるために人物の行動に着目して何度も読み返したりする能力となる。

4. 具体的な能力を育成するための指導過程の構築

上記3.で挙げた能力を,単元を通して確実に身に付けられるように指導過程をつくる。例えば,下図の ように,導入の学習において教師の読み聞かせなどを通じて,選書するモデルを示したり,関連する本を並行的に読書することを位置付けたりすることが考えられる。また展開部においては,好きなところを見付けるために場面の様子や人物の行動に着目して読むことが考えられる。言語活動を基点に,付けたい力 を明確化して授業構想することが,指導過程を改善する大きな鍵となる。
(「C読むこと」第1・2学年ウ・カを重点に指導する単元の一例)

引用元

文部科学省ホームページ「先生応援ページ」(授業資料・学習評価等)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/senseiouen/index.htm
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