ボイル博士の技を究める~ゆで方大研究~(家庭科 指導案)

1.1 実習レポートを基に話し合い,言葉を実感を伴って理解させる事例

この実践は文部科学省から許可を得て、文部科学省ホームページ上の「先生応援ページ」より転載させて頂いております。ここから指導案もダウンロードできます。

添付ファイル

題材の目標

ゆでる調理を通して,ゆでる調理の特性と材料や目的に応じたゆで方について理解するとともに, これらを生かしてホットサラダの調理計画を工夫し,調理することができる。

題材について

この題材では,内容「B日常の食事と調理の基礎」の(3)「調理の基礎」のウ「ゆでる調理」について,基礎的・基本的な知識及び技能の定着を図るため,材料を変えてゆでる調理を繰り返すことにより,学んだことを活用する場面を位置付けている。

ゆでる材料として,ほうれん草,卵,じゃがいもを取り上げ,観察したり,試食したりすることを通して,同じゆでる場合でも,水からゆでるものと沸騰してからゆでるものがあることに気付かせる。また,ゆでることによって,野菜は生食に比べてかさが減り多くの量を食べることができるなど,調理の特性にも気付くことができるようにした。さらに,実習での気付きをより確かなものとするため,「ボイル博士の1ポイントレッスン」(DVD)の視聴や家庭ウォッチング(野菜などのゆで方の観察)を取り入れ,ゆで方についての理解を深めるとともに,話し合いを通してゆで方の「技」としてレポートにまとめている。題材の最後には,これまでに学んだ知識及び技能を活用する「究極のホットサラダ」の実習を位置付け,家庭での実践につなげる構成としている。

主な学習活動

(1 )題材の指導計画(全12時間

(2 )本時の学習(3,4/12時間

目標

実験を通して卵のゆで方を理解し,自分の好みの固さにゆでる方法を考えたり,工夫したりする。

本時の展開

 * ゆで加減の違う3種類のゆで卵を観察し,自分のゆでたい好みの固さを決め,ゆで方を考える。* 卵をゆで,観察したり,試食したりして,予想との違いやその原因について考える。* 卵のゆで方についてグループで話し合い,ゆで方の「技」として発表し,全体でまとめをする。

【指導事例と学習指導要領との関連】

小学校学習指導要領・家庭の内容「B日常の食事と調理の基礎」の(3)「調理の基礎」のウ「ゆでる調理」に関する事例であり,第3の5において,「各内容の指導に当たっては,衣食住など生活の中の様々な言葉を実感を伴って理解する学習活動や,自分の生活における課題を解決するために言葉や図表などを用いて生活をよりよくする方法を考えたり,説明したりするなどの学習活動が充実するよう配慮するものとする。」と示されている。

製作や調理などの体験を通して生活の中の様々な言葉を実感を伴って理解できるようにするには,観察や実習の際のレポート作成や考察,思考したことを発表したりするなどの言語活動を充実させることが大切であり,それによって,教科のねらいをより確実に定着させることができる。

また,言語を活用することは,思考を深め,学んだ知識と技能を生活に生かす際の工夫する能力にもつながるものである。

本事例では,児童が「ゆでる」,「沸騰」などの言葉に触れ,実際に調理したり,目的をもって観察したり,味わったりするなどの実践的・体験的な活動を行うことによって,様々な驚きと感動とともに,一つ一つの言葉を児童自身が生活の中で生きた言葉として理解し,生活への感を高めることをねらいとしている。

そこで,これらの言葉を実感を伴って理解させるために,観察や実習の際の実習レポートを工夫したり,グループでの話し合いや発表を工夫したりすることとした。

【言語活動の充実の工夫】

実習レポートの工夫

ほうれん草,卵,じゃがいもなど,各材料ごとにゆで方の実習レポートを作成し, それらを集約することで,「ゆで方大研究」としてまとまったレポートを完成させる。

実習レポートには,ゆでる調理の実習や観察,話し合いの際に,気付いたことや発見したこと,疑問に思ったこと,うまくいかなかったことやその原因,ゆで方の工夫などを言葉や絵などで記入できるようにした。

本時では,はじめに作りたいゆで卵と予想のゆで時間を記入し,調理の後,色,固さ,味などについて観察したり,試食したりして気付いたことを自分の言葉で表現し,予想との違いやその原因について考えさせるようにした。また,グループでの話し合いを通して気付いたことについてもまとめて記入させるようにした。

グループでの話し合いや発表の工夫

各材料による調理の後に,個々の実習レポートを基に,グループで話し合う時間を設け,自分たちの言葉でゆでる「技」をまとめる活動を取り入れた。本時では,まず,卵をゆでた体験を各自の実習レポートを基にグループで発表し合った。「沸騰から3分以内では固まっていないが,5~7分くらいゆでると半熟になる」,「白身の方が黄身より早く固まる」など,話し合いの中で気付いたことをもとにグループごとにゆで方の「技」としてまとめた。次に,グループごとにゆで方の「技」を発表し,全体で共通理解を図って『卵のゆで方「技」○か条』としてまとめた。「半熟」「固ゆで」などの言葉のもつ意味とゆで方を実感を伴って理解することができた。また,ほうれん草をゆでた時の「技」との違いや「ゆで時間」以外のポイントも実習レポトに書き込むことにより,理解を深めた。

以上のように観察や実習のレポート作成を通して話し合い,考えたことを自分たちの言葉で「技」としてまとめる活動を取り入れることによって,体験と言葉とが結び付き,実感を伴った学習が可能となる。その際,児童の思考を深めるためには,観察の視点が明確で一人一人が考えた過程がわかる実習レポートの工夫が重要である。

引用元

文部科学省ホームページ「先生応援ページ」(授業資料・学習評価等) http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/newcs/senseiouen/index.html

添付ファイル

37

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA