iPadを活用したとび箱の授業

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目次

1 はじめに

この記事は、2012年11月9日(金) に東京学芸大学附属小金井小学校で行われた公開授業をまとめたものです。現在小金井小では積極的にICTを活用した授業づくりに取り組んでいます。その中でも、今回は3年生担任の三浦尚介先生の跳び箱の授業を紹介します。
体育の授業における、iPadと電子黒板の効果的な活用の仕方に注目です。

使用機材

電子黒板、iPad

2 単元概要

領域・単元名

B器械運動領域「とび箱運動」

学習指導計画(4/8)

児童の実態

<とび箱について>

  • 低学年でとび箱遊びの学習を行なっている。
  • 全体的に技能レベルは高いが、極端に技能の落ちる児童も数名存在する。

<教え合い学習について>

  • 1学期の鉄棒運動では異能力グループでの教え合い学習に取り組んだ。
  • 雰囲気よく学習に取り組んでいたが、応援や漠然としたアドバイスが多く、具体的で適切なアドバイスができた児童は少なかった。

<ICT機器の使用について>

  • 電子黒板は2学期から導入され、教師が資料提示等に日常的に使用している。
  • iPadは9月半ばごろのハンドボールの学習でチームに1台与え、5時間ほど自由に使用させた。
  • 本単元が始まってから交代で自宅に持ち帰らせているので、操作はかなり慣れてきたようである。

本時の学習

【ねらい】

〇ペアやチームで協力し、個々の技を高めることができる。

〇自分のめあてに応じた技に取り組み、その技を高めることができる。

【学習の流れ】

ICT活用のポイント

①電子黒板でめあて、学習の流れ、場の設置の仕方を提示。
データは教室のPCで作成し、それをUSBメモリで移動して使用している。

☆拡大印刷したり模造紙に手書きをしたりする手間がなく、手軽に活用できる。

②動画の学習資料を電子黒板で提示しながら行う。電子黒板用のコンテンツ一覧表はICT支援員に作成を依頼した。

☆電子黒板の機能を使うと、その場で動画を切り出してポイントを書き加えながら指導することができる。

③「技の到達度表」を作成。表を背景に設置し、その上に児童名のテキストデータを置いた。

☆子どもが、毎時間の自分の成長を自分の目で確かめることができる。

★表を崩すことなく児童でも動かせるようにしたいと考えたがやや操作が難しい。

★一度に一人しか操作できない。

→休み時間などを活用して教師が児童の声を聞きながら行なっている。

④前半ペア10組と後半ペア10組に分かれてiPadを使用している。台数の都合上、前半組と後半組で兄弟ペアをつくりiPadを共有している。今回は教室の座席をもとに作った異能力グループで活動している。台数が確保できれば、3人1 組のトリオ学習などで運用可能。

☆自分たちで撮影したものをもとに、撮影した子どもと跳んだ子どもが、一連の動きを振り返る。撮影者になった子どもは、とんだ子に対して、具体的なアドバイスができる。

☆iPadの中に、とび方のお手本や解説の動画が入っているので、子どもたちが見たい時に、跳ぶポイントを復習することができる。

⑤iPadで使用している主なアプリ

  • iBook:デジタル学習資料の閲覧
  • VideoPix:動画のスロー再生
  • CoachMvideo:動画への書き込み
  • Ubersense動画を並べて再生

⑥テレビにiPadを繋ぎ、遅延装置として設定した。使用アプリは「PastVid」。リアルタイムから約10秒前まで設定できる。本時は4~5 秒前で設定してある。この授業では、より高度な技や高さに挑戦する子どもが、自分のとび方を自分で振り返り、次の練習に生かせるように設置されていた。

⑦撮影した動画は評価や保護者への発信に活用する。本時は切り返し系のまとめのため撮影タイムを設けた。

3 編集後記

 
実際に、三浦先生の跳び箱の授業を見学させてもらいました。最初に学習の流れや跳び箱の配置 を電子黒板で視覚的に確認し、子どもがしっかりと理解しているので、授業の流れがスムーズでした。また、日常的にiPadを使用しているので、操作も難なくこなし、iPadの目的外の使用もありませんでした。ICTの活用は、実技の授業にとても効果的ですので、ぜひご活用ください。
(編集・文責 EDUPEDIA編集部 佐藤 睦)

4 実践者プロフィール

三浦尚介先生
 東京学芸大学附属小金井小学校教諭。

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