学校のまわり②~学区探検、地図づくり~(シリウス)

1 はじめに

こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/

2 実践内容

<目次>
(本記事では6.以降を紹介をします。5.までは学校のまわり①~山からの景色、学区のいちおし~(シリウス)をご覧下さい。)

  1. 学校の周り山の上から見える景色
  2. 山から見て気づいたこと
  3. 東西南北を知ろう
  4. 学区のいちおしを見つけよう
  5. 学区いちおしを紹介しあおう
  6. 探検隊を作ったよ
  7. 1回目の学区探険をしよう
  8. 2回目の学区探険をしよう
  9. 地図記号を使ってもっと見やすい地図にしよう

6.探検隊を作ったよ

“学区いちおし”を紹介しあったあと、自分がまだよく知らないところを調べることにした。どの方面に行くのかが決まったので、今度はどこへどうやって行くのか探検隊を作った。

グループごと探検の計画を立てよう。

  1. どの方面に行くか
  2. チームの名前
  3. メンバー
  4. いく場所と順番
  5. 探検隊の係

この5項目をあげて相談させた。子どもたちが一番力を入れるのはチーム名である。「あーでもない、こうでもない」と白熱した議論が続く。大人から見ているとそんなものどうでもいいように思うのだが、いたって真剣なのだ。探検隊の係も誰が隊長になるか、ここ燃えるところだ。ほかには時計係、カメラ係、保健係などができた。

探検の計画を立てる中で、よくわからないことはカードを書いた友達に聞いたり、上級生に尋ねたりした。こうして「おたずね力(インタビュー能力)」「物事を見通す力」を育てていきたいと考えている。

7.1回目の学区探険をしよう

学区内を6つの方面に分けて探険活動に取り組んだ。学校の周りにはどんなものがあるかを調べ、それを絵地図にしていくのが大きな目標である。学区内を6つの方面に分けたのだが、一度に出かけるのは3方面とし2回探険することで、学区全体(6方面)をカバーした。

グループの計画に従って学区探検に出かけた。
A地区 B地区 C地区  
(1回目の探険活動)
D地区 E地区 F地区  
(2回目の探険活動)

1回目の学区探検に出かけよう。 

学級内を3つのグループにわけ、A地区・B地区・C地区の探検に出かけた。

探検の時の約束は、次の3つである。
・お店でお菓子を買いながら、この辺りのおすすめや自慢を聞く。
・デジカメで写真を撮ってくる。
・ノートに記録をとる。

ノートには、次の3つを記録させた。
・聞いたこと
・目的地の絵
・目的地の回りにあったもの

子どもたちにはこんな力をつけてほしいと願った。
・班ごとに協力して子どもの力で目的の場所へ行って帰ってくる。
・地域の人にきちんとあいさつをすることができる。
・買い物をするときに、この辺りのおすすめのものや自慢を聞いて情報を集める。
・見たこと聞いたことをメモする

 安全面については、3つのグループに対して教員が2名で対応した。1名の教員は2グループを見た。

 探険では目的地がすぐに分からずにあちこち探したり、50円以下の駄菓子がなくて困ったり、遠回りをしてしまったりなどの小さなトラブルがあったが、それも勉強である。デジカメを片手にあちこち周りの様子をとっていた。ある子は「僕たちは小学校の3年生です。社会の勉強で探険をしています。この辺のことを教えてください」ときちんと話すことができた。こうして地域の人に話しかけることが大切である

探険後、絵地図作りをした。

探険して歩いてきたところを絵地図にしよう。

グループごと思い思いに地図を作った。1回目の地図作りである。また地図に必要なものがよくわからないので、いろいろなタイプの絵地図ができた。

8.2回目の学区探険をしよう

1回目の学区探険では、A地区・B地区・C地区に出かけた。2回目の学区探険は、D地区・E地区・F地区の3方面に出かけた。

A地区 B地区 C地区  D地区 E地区 F地区
(1回目の探険活動)  (2回目の探険活動)
 グループごと行く場所と順番を決めた。行く場所については、“学区のいちおし”を中心に選んだ。

チームごと2回目の探険の計画を立てよう。

  1. 行くところ
  2. チームの名前
  3. メンバー
  4. 行くところと順番
  5. チームの係
  6. 持ち物

子どもたちが一番燃えるのがチーム名である。そんなのものどうでもいいんじゃないかと思うのだが、延々と熱く語っているのがおかしい。さてこうして計画書ができたところで2回目の学区探険に出かけた。

2回目の探険に出かけよう。

子どもたちは次のことを調べてくるように言っておいた。
・お店でお菓子を買いながら「この辺りで自慢できるはなんですか」と尋ねる。
・目的地に着いたらその絵を描いて、その周りに何があるかメモする。
・目的地の写真をデジカメで撮る。

グループごといろいろエピソードができた。お寺を回った時には、境内に入れていただき、いわれのある観音について話を伺った。木いちごを見つけて食べてみたり、クルミの樹を発見した。金属団地の中に森竹工業という会社を見つけて「先生の会社なのかな?」と大騒ぎ。途中には牛小屋があることも分かった。

質問も上手にできたようである。特に金属団地では、話を聞く前に外から工場を見て「これはお茶工場だ」と主張して考えを譲らなかった。家の周りにあるのはみなお茶工場ばかりだからだ。しかし、ガソリンスタンドで「この辺にある工場は何の工場ですか?」と質問し、金属を扱う工場が集まっているところであると教えてもらった。話を聞いた後、金属団地内の工場を一つ一つ見ていくと、確かにお茶の工場ではなく鉄や金属を扱う工場ばかりであることが分かった。

学校に戻ってからノートをまとめた。ノートには、次の3つを記録させた。
・聞いたこと
・目的地の絵
・目的地の回りにあったもの

2回目の探検を絵地図にまとめよう。

前回と同様、2回目の地図づくりをした。2度目の作業になるので、1回目よりもスムーズに絵地図を作ることができた。
 

9.地図記号を使ってもっと見やすい地図にしよう

これまで2回の学区探検を通して、絵地図づくりをしてきた。絵地図が1回目よりも2回目の方が、見やすくわかりやすくまとめられた。
絵地図を作る時には、次の4つに注意をした。
・目的地を絵で描く。
・聞いてきたことを文で書く。
・目的地の周りにあったものもかく。
・写真も貼る。

絵地図ができあがったところで

学校を中心にして地図を合わせてみよう。

6枚の地図を合わせてみると、ほぼ学区全体をカバーする大きな地図になった。子どもたちは自分たちグループが作った地図を見終わると、他のグループの地図をあちこち見て回った。「学校がこっちにも書いてあるよ」「見てわかりやすい」など自分たちの地図と比べている。そこで

自分たちが作った地図と同じものを描いてあるのに、書き方が違うものがありますか。

子どもたちはこのような比べる活動が大好きだ。「ここが違う」「あそこは違う」と見つけた違いを黒板に書き出していった。
・学校   ・田んぼ  ・お店   ・クリーニング屋
・公園   ・茶畑   ・工場   ・ガソリンスタンド  ・橋

こうしてたちまちのうちに10以上の違いを見つけた。

書く人によって地図の書き方がバラバラだと見やすいと思いますか。

これには全員が〈見にくい〉と考えた。みんな好き勝手に地図を作っていたら、何が何だか分からなくなってしまう。

誰もが見てわかる地図にするには、どうしたらいいだろう。

この質問は少し難しかった。大人は見やすい地図を作るために約束を決めていることを教えた。それは地図記号と呼ばれるものである。いつか例を紹介した後

このマークは何を表しているでしょう?

[〒]のマークを見せると「郵便局だ」の声。テンポよく次々とクイズ形式で出題すると、大変盛り上がった。絵だけ見ても、何を表しているのかよくわかった。

地図記号チャレランというサイトがある。ゲーム形式で楽しみながら地図記号を覚えることができる。子どもたちに紹介すると、何度もやりたがった。

こうして地図記号を紹介したあとに

地図記号を使って、学区全体を地図に描こう。

あらかじめ模造紙には学区全体をカバーできるように、国道などのおもな道路、川、学校を書き込んでおいた。こうして班ごとそれぞれに、地図記号を使った学区全体の地図を作った。最初に描いた絵地図と比べてみるとすっきりし、とても見やすくなったことが子どもでもよく分かった。

3 プロフィール

静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。

4 書籍のご紹介

「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)

「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)

「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)

「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)

5 編集後記

学区探検に出るに当たって、事前に計画を立てる際やインタビューをする際の注意ポイントを伝えて、後は子ども達に考えさせ実際に行う事で、うまくいけば自信になりますし、うまくいかなければどうすればよかったか考えるきっかけにもなります。また、実際に地図を作る中で、どうしたら人に伝わりやすく分かりやすい地図になるかを考えることもできます。

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 水島淳)

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