小学校・教員採用試験に合格したYさんの体験談です。
1 全体のスケジュール概要
大学3年生
秋(小学校の実習後)
過去問を見て出題内容や形式を知る
1月~
筆記の勉強を本格的に始める
大学4年生
4月~
出願書類・面接対策のため、志望理由や先生になってやりたいことなど、自分の軸を固め文字化する
5月~
面接・論文・模擬授業対策を始める
7月
一次試験(筆記試験、論文(論文の得点は二次に含まれる)
7月末
一次試験合格発表
8月
二次試験(面接、模擬授業、集団協議)
10月頃
合格発表
合格後
教育長面接
学校長面接
1,2月
新採用者向け学習会などに参加
3月末~
赴任校研修
4月1日
辞令交付式(先生になる)
2 各試験対策
過去問から試験イメージをつかむ
大学3年生の秋頃に受験を考えていた自治体の過去問や参考書を見て、試験内容や出題形式のイメージを持ち始めました。これは、小学校の実習が終わり、周りの教員志望者と採用試験の話をし始めた時期だったのですが、動き出すのが遅いかもしれません。学校の先生になるという思いが固まっているなら、早めに過去問や参考書に目を通して、「こんな問題が出るんだ」とイメージを持つことをオススメします。そして、試験範囲の学習量と自分に必要な時間を計算して、勉強スタートの時期を決めると良いと思います。
大学の講義も採用試験と関わる内容が少なくありません。普段の学習が試験対策に繋がっていることが理想的だと思います。
実際、私は教育行政や教育法規の講義にはあまり興味が持てませんでしたが、過去問を解いてみると、講義で扱った内容が教職教養の試験で問われていることがたくさんありました。もし1、2年生の頃から過去問を見ていたなら、講義を受ける姿勢も変わり、試験勉強にも役立てることができたかもしれない、と思います。
筆記試験対策
3年生の秋に試験イメージを持ち始め、筆記試験の本格的に勉強を始めたのは、試験まで残り半年となった3年の1月からです。(私は暗記系が得意で短期集中型だったので、周りより勉強開始が遅い方だと思います)
勉強のジャンルは、今までほとんど触れてこなかった教職教養に多くの時間をかけました。
一般教養は家庭教師で中学生を教えていて内容が重複していたので、あまり時間をかけませんでした。
専門教養は教科書の学習内容よりも、学習指導要領を覚えることに時間がかかりました。
1日の勉強時間は、毎日2時間くらいコツコツ勉強しましたが、試験1ヶ月前は5時間くらい勉強しました。
自治体によって出題傾向があるので、過去問分析をしてから学習の方向性を決めると、効率よく学習できると思います。
二次対策
4年生の4月から、出願書類・面接対策のため、志望理由や先生になってやりたいことなど、自分の教育観や軸を固めて、文字化し始めました。まずは、そこを納得いくまで固めてから、面接・論文対策に移りました。
5月頃から、面接の過去問の質問に対する自分の考えを文字にしました。
それと同じ時期に論文も書き始めました。論文は書き方の型が決まれば、あとは自分の考えをまとめることが必要なので、面接対策と論文対策は同時平行で進みました。
模擬授業は、事前にテーマが出されるので、それを基に自分が実習で行った学年の授業を考えました。
対策としては、授業案の作成よりも実際に授業をする練習の方を重視しました。
1次試験が終わった7月中旬から、週に数回、大学の知人と集まり練習しました。
3 おわりに
筆記試験では覚えることがたくさんあるので、苦手な方は早めの対策が必要になると思います。
面接や模擬授業は、人前で自分を出すことなので、講義の発表やサークル活動で人前で話す経験を積むことも有効だと思います。
面接には自分の教育に対する思いが表れるので、数ヶ月の対策でうまくいくものではないと思います。大学の講義や本、ニュースで触れた教育問題について自分の考えをまとめたり、知人と話したりする習慣が少しでもあると、直前に焦らずに対策できるでしょう。
「積小為大」という言葉があります。
教育はすぐに成果が出るものではありませんが、毎日を大切にする心を持ち、気負わず、少しずつ、がんばってください。
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