「志望動機=教師になろうと思ったきっかけ」だと思っていませんか?
志願書類でほぼ必ず課されるといってもよいのが「志望動機」。これを書くために必要なのは、自分がどのような教師になりたいか、どのような子どもたちを育てたいかという「未来」です。
ところが、教師を志望する人の多くは、「小学校の時の先生に憧れて」「高校の時に、先生にこんな言葉をかけられて励まされたので、自分のそんな存在になりたい」といった、教師をめざすきっかけにしか言及できていないケースが多く見受けられます。これは未来ではなく「過去」。過去に留まってしまっていては、志望動機としては不十分だといわざるをえません。ではどうすればよいか。志望動機は、教師になりたいきっかけ(=過去)に触れた上で、だからこのような教師になりたい、という未来を必ず語るようにしましょう。
「過去だけではなく未来を語る」とはどのようなこと?
では、上記のことを具体例をもとに説明しましょう。
△:過去までしか語れていないケース
高校受験のとき、受験直前になっても思うように成績が伸びないままで不安でいた私に、その時の担任の先生は放課後に私のためだけに親身になって指導をしてくれた。
私もこんなふうに一人一人の力になれる存在になりたいと思い、それ以来、教師をめざすようになった。恩師のような先生になって、生徒の力になりたいと思う。
◯:未来まできちんと語ることができているケース
高校受験のとき、受験直前になっても思うように成績が伸びないままで不安でいた私に、その時の担任の先生は放課後に私のためだけに親身になって指導をしてくれた。
私もこんなふうに一人一人の力になれる存在になりたいと思った。このように、苦しい時に誰かに寄り添ってもらったという経験をすると、自分も同じようにしてあげたいと思うものだと思う。
そして、そういう気持ちを持った子どもを一人でも多く育て、普段から助け合う気持ちを持った教室をつくり、助け合える地域社会をつくっていきたいと思う。
上記の例で言うと、△は、「きっかけ」だけを述べています。◯はきっかけとなる出来事を、自分が教師になってどのようなことをしていきたいかということにまでつなげることができています。どちらの方が、教師になってからのことを具体的にイメージできていそうかは、一目瞭然。両者を比べると、△の方は、教師になることがゴールになっているような印象を受けますし、「恩師のような先生になりたい」とあるものの、それがどのようなことなのかが曖昧です。しかし後者は、教師になってからの目標も明確なうえ、なぜそのようになりたいのかということも伝わる内容です。
志願書類はもちろん、面接でも深く問われるのが志望動機
志望動機は、「志願書類に書くから大事」でもあるのですが、志願書類にあってもなくても、面接では面接官がもっとも知りたいと思う点で、深く突っ込んで聞かれる点です。志望動機を、言葉通りに「なぜ教師になりたいと思ったか」だけで十分とは考えず、「教師になって何をしたいか」というところまで見据えて語れるようにしましょう。
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