【教員採用試験 志望理由書】「自分にできること」と「教師の仕事」との関係を考えよう

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教師の仕事は大体わかっている。本当にそうですか?

教師として活躍するためには、どのような資質や能力が必要なのでしょうか? もちろん、自治体が求める教師像の中にそのヒントが書いてあるのですが、それらを参考にしつつ、自分自身が今イメージできる教師に求められる資質・能力を箇条書きで書き出してみましょう。(実際に書かなかったとしても、かなり具体的にイメージしてください)

その上で、自分の恩師や大学の先輩など、教師として実際に働いている人に会って、具体的に仕事の内容やそこで求められる資質・能力を聞いてみてください。教師をずっと目指してきた自分だから「教師の仕事については大体わかっている」と考えたとしたら、おそらくそれは誤りです。というのは、教師に限らず、どのような仕事にも、外からは見えにくい業務や苦労があるからです。「来年には自分がこの立場になっているかもしれない(なろう)」という心づもりで突っ込んで聞いてみると、教師の仕事の思いがけない側面や、想像ができなかった資質や能力が求められることにも気づくはずです。

そうでないと、教師の仕事のうちの半分くらいしか知らないまま、「教師になった自分」を想像することになってしまいます。これでは、面接で教師になるための「本気度」が疑われてしまうこともあるかもしれません。「教師になろうというのに、こんなことも知ろうとしなかったの?」と。

仕事の内容だけではなく、その仕事の「相手」にも目を向けて考えてみましょう

次に、仕事の内容だけではなく、仕事相手、つまり児童や生徒についてもきちんと目を向けてみることが必要です。例えば、あなたは今の小学生・中学生・高校生についてどれだけ理解ができているでしょうか? もしも現在22歳だとしても、中学校を卒業したのは7年ほど前ということになります。たとえ世代が違っても同じ中学生として変わらない面もあるにせよ、自分が中学生だった頃とは異なる面も少なかれあるはずです。

また、公立学校の様子は地域によって大きく異なるので、特に、自分が学生時代を過ごした地域以外の自治体で教師になろうとする人にとっては、あなたが教師として赴任する学校は別世界のように感じられるかもしれません。子どもたちへの理解について、「今も家庭教師をしているから大丈夫」「塾講師をしているから自分はわかっている」という人も要注意です。そこでの子どもたちの姿と、学校での姿は大きく異なるからです。

学校にいる今の子どもたちの多様さやリアルな姿をきちんと理解する。このことは、教師の仕事を理解する上では重要な視点だと思います。例えば、教師を志望する人で多いのは、「自分の時に教師からこのようにされて嬉しかったから、今度は自分が教師になって同じことをしたい」と考えている人。この場合も、子どもたちが多様であることを前提とすれば、「同じことをしたとしても、嬉しいと思うような子どもばかりではないかもしれない」「今の子どもたちに対して、自分が過去に嬉しかったことを、同じように嬉しいと感じてもらえるのかどうか」と考える必要があるということです。

「Want」「Must」「Can」。3つの視点で教師の仕事を自分に引きつけて考えよう

自分を知り仕事を知ったら、最後に知るべきは自分は子どもたちと毎日向き合っていくことが本当にできるのか、そして、自分には何ができそうで何が不得意そうか。このことをフラットに考えましょう。人は、思いを達成したいと思えば思うほど、自分にとって都合よく考えてしまいがちです。「頑張るつもりなので大丈夫だろう」「自分ならそのうちできるはず」と考えるのではなく、なるべく客観的に捉えるように意識しましょう。このときに必要なのは、「Want=やりたいこと・価値観」「Must=仕事で求められていること」「Can=できること・強み」の3つです。

教師になって、どのような実践をしたいかという「Want」を明確に持っておくことが重要なのは言うまでもありません。しかし、当然ながら、毎日の仕事の中では、やりたいことだけをできるわけではありません。それらを受け入れることが「Must」なのです。これは、教師の仕事を深く知れば知るほどリアルに想像できるようになるでしょう。そして、「Can」。これは、教師に必要な知識を知っているかどうかということだけではありません。あなたが今(近い将来)教師として教壇に立った時にすぐにでもできることが何なのかということです。それが明確にイメージできたのであれば、なぜできると言えるのか、そのために自分には具体的にどのようなことができるでしょうか。面接では、こうしたことを自分の言葉で語れるようにすることが大切です。

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