本単元で身に付けたい資質・能力
本単元では、語のまとまりや言葉の響きなどに気をつけて音読する力を身に付ける。また、場面の様子や会話文に着目し、誰が何を言ったか等、内容の大体を捉えたり、登場人物の行動を具体的に想像したりする力を養う。そして、音読発表会に向けて学習の見通しを持ち、声に出してお話を楽しもうとする力を養う。
単元の評価基準
知識・技能
- 文の中における主語と述語との関係に気づいている。
- 語のまとまりや言葉の響きなどに気をつけて音読している。
思考・判断・表現
- 「読むこと」において、場面の様子や登場人物の行動など、内容の大体を捉えている。
- 「読むこと」において、場面の様子に着目して、登場人物の行動を具体的に想像している。
主体的に学習に取り組む態度
- 登場人物の行動を進んで確かめ、学習の見通しをもって声に出してお話を楽しもうとしている。
単元の展開【全4次(8時間)】
第1次(1時) 学習の見通しをもつ
① 学習課題「お話を楽しんで読もう」を確認する。
教師:「学習の最後には、班で役割を決めて音読発表をしてもらいます。」
② お話のタイトルを確認し、「やくそく」とは何か発表する。
教師:「このお話の題名は『やくそく』です。『やくそく』とは、何でしょう。」
児童:「『後で〇〇しようね』と友だちや家族とすることです。」
児童:「守るものです。」
③ 教師の範読を聞いて、感想を発表する。
教師:「『やくそく』を読んで、面白かったところや好きなところはありましたか。思ったことや考えたことはありますか。」
児童:「『やくそく』は、いもむしたちの約束でした。」
児童:「たくさん食べて蝶になって、海まで飛んでいってほしいと思いました。」
④ 次回の学習の見通しを持つ。
教師:「次回は、『やくそく』を詳しく読んでいきましょう。」
【板書例】

第2次(2時)場面分けをし、第一場面を読み解く
① 学習の見通しを持つ。
教師:「今日は、場面分けをして、『やくそく』を詳しく読んでいきましょう。」
② 教師の範読を聞いた後、場面分けをする。
教師:「『やくそく』では、出てくる人や動物に着目して場面分けをするので、どんな人や動物が出てくるか確認しながら聞きましょうね。」
(範読を聞いた後)
教師:「どんな人や動物が出てきましたか。」
児童:「いもむしが出てきました。」
教師:「いもむしは、何匹出てきましたか。」
児童:「3匹です。」
児童:「『おおきな木』も出てきました。」
教師:「では、出てくる順番を確認しながら場面分けをしましょう。まずは、102ページを開けましょう。1行目の『あるおおきな木に』の1マス目に、『①』と書きましょう。」
(書かせた後)
教師:「第一場面は、『いっぴきのあおむし』が出てきますね。次に、2匹目のいもむしが出てくるのはどこでしょうか。」
児童:「103ページです。」
教師:「なぜ、そう考えましたか。」
児童:「『なんと、じぶんとそっくりなあおむしが、おなじ木で、はをたべています。』と書いてあるからです。」
教師:「その通りです。2匹目が出てくるのが第二場面です。『あるとき、いつものように』の1マス目に『②』と書きましょう……」
(第三場面も同様に行う)
③ 第一場面の内容を確認する。
教師:「第一場面で出てきた動物は、1匹目のあおむしでした。場所はどこでしょうか。」
児童:「『おおきな木』です。」
教師:「1匹目のあおむしは、何をしていましたか。」
児童:「『まいにち木のはをたべて、からだがちょうにかわるひをまっていました。』」
- 次回の学習の見通しを持つ。
教師:「次回は、第二場面を詳しく読んでいきましょう。」
【板書例】

第2次(3時)第二場面を読み解く
① 学習の見通しを持つ。
教師:「今日は、第二場面を詳しく読んでいきましょう。」
②第二場面を読む。
③ 登場人物と場所を確認する。
④ 「誰が」「何を言ったか」を確認する。
教師:「第二場面では、会話文が出てきますね。どんなセリフでしょうか。」
児童:「『だめだめ。この木は、ぼくの木。ぼくのはっぱ。』」
児童:「もう1つあります。『この木は、わたしの木。だから、はっぱも、わたしのはっぱ。』です。」
教師:「その通りです。さて、どのあおむしが言ったセリフでしょうか。」
児童:「はじめのセリフが、1匹目のあおむしだと思います。」
教師:「なぜ、そう思いましたか。」
児童:「セリフの後に、『あおむしがいうと、そのあおむしも、いいました。』と書いてあるからです。『そのあおむし』が2匹目のあおむしだと思いました。」
⑤ 役に分かれて、第二場面を音読する。
教師:「みんなで第二場面を音読しましょう。1匹目のあおむしのセリフを○班から○班までの人、2匹目のあおむしのセリフを○班から○班までの人が読んでください。」
⑥次回の学習の見通しを持つ。
教師:「次回は、第三場面を詳しく読んでいきましょう。」
【板書例】

第2次(4時)第三場面を読み解く
① 学習の見通しを持つ。
教師:「今日は、第三場面を詳しく読んでいきましょう。」
② 第三場面を読む。
③ 登場人物と場所を確認する。
④ 「誰が」「何を言ったか」を確認する。
教師:「第三場面では、会話文がたくさん出てきますね。どんなセリフでしょうか。」
児童:「『そのはっぱは、ぼくのだぞ。』」
児童:「『わたしのはっぱをたべないで。』」
児童:「『そんなこと、しるものか。』」……
教師:「その通りです。誰が、何を言ったかわかりますか。」
児童:「セリフの後に、『〇〇〇がいいました』と書いてあるところは分かりやすいです。」……
⑤ 役に分かれて、第三場面を音読する。
教師:「みんなで第三場面を音読しましょう。1匹目のあおむしのセリフを○班から○班までの人、2匹目のあおむしのセリフを○班から○班までの人、3匹目のあおむしのセリフを○班から○班までの人、大きな木のセリフを○班から○班までの人が読んでください。」
⑥ 次回の学習の見通しを持つ。
教師:「次回は、音読発表会に向けて、班で音読練習をします。」
【板書例】

※「あ①」→1匹目のあおむし、「あ②」→2匹目のあおむし、「あ③」→3匹目のあおむし
第3次(5時)班で場面と役割を決めて、音読練習をする
① 学習の見通しを持つ。
教師:「今日は、音読発表会に向けて、班で音読練習をしましょう。」
② 音読発表会で発表する場面を決める。
教師:「まずは、音読発表会で発表する場面を決めましょう。役割を分担してほしいので、第二場面か第三場面のどちらかで選びましょう。」
③ 役割を決める。
教師:「次に、役割を決めましょう。例えば、第二場面だったら、1匹目のあおむし、2匹目のあおむし、ナレーションという役割がありますね。ナレーションの人は、かぎがついていない部分を読みます。」
④ 班で音読の練習をする。
⑤ 次回の学習の見通しを持つ。
教師:「次回も、音読発表会に向けて、班で音読練習をします。」
第3次(6時)班で音読練習をする
① 学習の見通しを持つ。
教師:「今日は、目標を決めて、班で音読練習をしましょう。」
② 音読をするときに、どんなことに気をつけたり工夫したりすると良いか考え、発表する。
教師:「『やくそく』の音読をするとき、みんなはどんなことに気をつけたり、工夫したりしていますか。」
児童:「読む速さに気をつけています。」
児童:「声の大きさに気をつけています。」
児童:「かぎの部分を読むときは、あおむしや木になったつもりで読んでいます。」
③ 班で目標を決める。
教師:「班で、音読するときに気をつけたいことや工夫したいことについて話し、目標を立てましょう。」
④ 班で音読の練習をする。
⑤ 次回の学習の見通しを持つ。
教師:「次回は、音読発表をしましょう。」
【板書例】

第4次(7・8時)音読発表をする
① 学習の見通しを持つ。
教師:「今日は、音読発表の日です。班で立てた目標を達成できるように、がんばってくださいね。それぞれの発表の後には、聞いている人に感想を発表してもらうので、友だちの発表の良いところを見つけながら聞きましょう。」
② 順に発表した後、聞き手は感想を発表する。
③ 学習のふりかえりをする。
教師:「どの班も練習の成果を発揮できましたね。さて、みんなは『やくそく』のお話を楽しく読むことができましたか。」
教師:「『やくそく』には、誰が出てきましたか。」
教師:「あおむしや木になったつもりで、声に出して読めましたか。」
授業をふりかえって
本授業では、音読発表を学習の最後に設定した。より良い音読発表ができるように、第3次に入るまでには、場面の様子やあおむしたちの行動を捉えられているよう学習を進めてほしい。特に、第三場面ではあおむしたちの会話が続き、どのあおむしがどのセリフを言っているのかがややこしい。クラス全体で想像を膨らませながら様々な意見を発表させ、楽しくお話を読み進められるように活動してほしい。
参考・引用図書
光村図書『こくご 一上』
参考・引用URL
https://assets.mitsumura-tosho.co.jp/5917/1031/2528/06s_k_nenkei1_03.pdf(光村図書HP内)
執筆者
MUKOせんせい
元小学校教諭としての経験を活かし、中学・高校でも講師として教壇に立つこと多数。現在は、子育てに奮闘しながら、現場で働く先生方をサポートするウェブライターとして活動中。
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