「みきのたからもの」(光村図書2年国語)~お話を紹介しよう~

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目次

本単元で身に付けたい資質・能力

本単元では、読書に親しみ、登場人物の行動を具体的に想像する力や、内容の大体を捉える力を身に付ける。また、お話の好きなところを見つけ、その理由も入れて、家の人にお話を紹介する文章を書こうとする態度を養う。

単元の評価基準

知識・技能

  • 文の中における主語と述語の関係に気づいている。
  • 読書に親しみ、いろいろな本があることを知っている。

思考・判断・表現

  • 「読むこと」において、場面の様子や登場人物の行動など、内容の大体を捉えている
  • 「読むこと」において、場面の様子に着目して、登場人物の行動を具体的に想像している

主体的に学習に取り組む態度

  • 登場人物の様子を具体的に想像することに積極的に取り組み、学習の見通しをもってお話を紹介する文章を書こうとしている

単元の展開【全6次(10時間)】

第1次(1時) 学習の見通しをもつ

① 題名やあらすじから、カードの持ち主や「みきのたからもの」は何かを予想する。

教師:「みきが、公園でカードのような物を拾っていますね。誰の持ち物だと思いますか。」
児童:「公園の入り口に落ちているから、公園で遊んだ子どもの持ち物じゃないかな。」

教師:「このお話の題名は『みきのたからもの』ですね。宝物とは、何なのでしょうか。」

② 教材文を読み、お話の「いいな。」「おもしろいな。」「ふしぎだな。」と思ったところや、そう思った理由を発表する。

教師:「お話の『いいな。』『おもしろいな。』『ふしぎだな。』と思ったところはどこですか。」
児童:「ポロロン星の石が出てきたところが『いいな。』と思いました。」

教師:「どうして、そう思いましたか。」
児童:「石から聞こえる音を、わたしも聞いてみたいと思ったからです。」

③ 学習課題「お話を紹介しよう」を確認する。

教師:「『みきのたからもの』の好きなところが伝わるように、お話を家の人に紹介しましょう。」

【板書例】

第2次(2時)教材文を読み、あらすじをまとめる①

① 学習の見通しを持つ。

教師:「今日は、『だれが』『何をしたか』『どんなできごとが起こったか』を確かめましょう。」

② 教材文を読み、話の流れを確かめ、プリントにまとめる。

教師:「お話に出てきたのは誰ですか。」
児童:「みき。」
児童:「ナニヌネノン。」

教師:「お話はどのように始まりましたか。」
児童:「みきがカードを見つけたところからです。」……

③ 次回の学習の見通しを持つ。

教師:「次回は、あらすじをまとめましょう。」

【プリント例】

【プリント記入例】

第2次(3時)教材文を読み、あらすじをまとめる②

① 学習の見通しを持つ。

教師:「今日は、あらすじをまとめましょう。」

② 文章の例を参考に、あらすじをプリントにまとめる。

教師:「あらすじとは、物語のだいたいの話のことです。登場人物や大きなできごとを抜き出して、短い文章でわかりやすくまとめましょう。」

教師:「『みきのたからもの』は、〇〇〇が出てくるお話です。この〇〇〇の部分には何を書くと良いでしょうか。」
児童:「みきとナニヌネノンを書くと良いと思います。」……

③ 書いたあらすじを読み、間違いがないか確かめる。

④ 次回の学習の見通しを持つ。

教師:「次回は、みきの様子について、読み深めていきましょう。」

※プリントを回収し、添削する。

【プリント例】

※児童の学習状況に応じて、あらすじの型を追加したり無くしたりする。

第3次(4時)みきの様子について、読み深める

① 学習の見通しを持つ。

教師:「今日は、みきの様子について、詳しく読んでいきましょう。」

② 教材文を読む。

③ みきが、この日初めて見た物について考え、その時の様子が詳しく思い浮かぶ言葉を見つける。

教師:「みきが、この日初めて見た物は何ですか。」
児童:「まず、マヨネーズの容器みたいな形の乗り物を見つけました。」

教師:「その時の、みきの様子がわかる言葉はありますか。」
児童:「『おそるおそる』だと思います。」

教師:「『おそるおそる』は、どんな様子でしょう。」
児童:「ちょっと怖がっている感じ。」
児童:「ゆっくり少しずつという感じ。」

教師:「『おそるおそる』は、『怖がりながら』という意味ですね。『おそるおそる』に線を引きましょう。(線を引いたら)どうして、『おそるおそる』近よったのでしょうか。」
児童:「これまでに見たことのない物だったから。」……

※同じように、ナニヌネノンを初めて見た時の「目を丸くしました(p59の11行目)」や、ポロロン星の石を受け取ったときの「目をかがやかせて(p64の1行目)」等を取り上げる。

④ 次回の学習の見通しを持つ。

教師:「次回は、みきとナニヌネノンがしたことや言ったことを確かめて、その時の様子を考えましょう。」

【板書例】

第3次(5時)「みき」と「ナニヌネノン」の行動を確かめ、様子を思い浮かべる①

① 学習の見通しを持つ。

教師:「今日は、みきとナニヌネノンがしたことや言ったことを確かめ、そのようにした理由や、言い方、様子を考えましょう。」

② 教材文を読む。

③ みきとナニヌネノンの様子について考える。

教師:「みきが、『それにのって帰るの。』と質問した時の様子がわかる言葉はありますか。」
児童:「『むねがどきどきしました』です。」

教師:「その通りですね。『むねがどきどきしました』に線を引きましょう。(線を引いたら)どうして、みきは『むねがどきどき』したのでしょうか。」
児童:「これまでに、見たことや体験したことのない出来事が起こると思ったからだと考えました。」……

教師:「みきが、ナニヌネノンにリボンを渡した後、ナニヌネノンはどんな様子でしたか。」
児童:「『どうしてですか』と言って、首をかしげました。」

教師:「その通りですね。『首をかしげました』に線を引きましょう。(線を引いたら)なぜ、首をかしげたのでしょう。そして、その後はどう様子が変わりましたか。」……

④ 次回の学習の見通しを持つ。

教師:「次回も、みきとナニヌネノンの様子について、考えましょう。」

【板書例】

第3次(6時)「みき」と「ナニヌネノン」の行動を確かめ、様子を思い浮かべる②

① 学習の見通しを持つ。

教師:「今日も、みきとナニヌネノンの様子について考えていきましょう。」

② 教材文を読む。

③ みきとナニヌネノンの様子について考える。

教師:「ナニヌネノンが『そろそろ、わたしは、しゅっぱつします』と言った後、ナニヌネノンの様子がわかる言葉はありますか。」
児童:「『少しいそぐように言いました』です。」
児童:「『のりものに、するりとのりこみました』もそうだと思います。」

教師:「その通りです。『少しいそぐように』と『するりと』に線を引きましょう。(線を引いたら)『少しいそぐように』や『するりと』から、ナニヌネノンのどんな様子が思い浮かびますか。」……

※同じように、「ぎゅっとにぎったまま(p68の4行目)」を取り上げる。

④ 次回の学習の見通しをもつ。

教師:「次回は、『みきのたからもの』について考えましょう。」

【板書例】

第4次(7時)「みきのたからもの」について考え、お話をまとめる

① 学習の見通しを持つ。

教師:「今日は、『みきのたからもの』について考えましょう。また、このお話の好きなところについて、まとめましょう。」

② 教材文を読む。

③ 「みきのたからもの」について考える。

教師:「『みきのたからもの』は何だと思いますか。」
児童:「ナニヌネノンにもらった石だと思います。」

教師:「なぜ、そう考えましたか。」
児童:「みきが、石を大事にしまっていたからです。」
児童:「私は、ナニヌネノンに出会ったことだと思います。」

教師:「なぜ、そう考えましたか。」
児童:「『心の中に、そっとしまっておきたい、できごと』と書いてあるからです。『そっとしまっておきたい』ということは、みきにとって、大事な宝物のようなできごとなのだと考えました。」……

④ お話の好きなところとその理由をまとめる。

教師:「このお話の好きなところはどこですか。」
児童:「私が好きなのは、みきが青い石をもらうところです。」

教師:「なぜ、そう思いましたか。」
児童:「光る石の様子や、『目をかがやかせて』というみきの様子から、きれいで不思議な石が思い浮かんで、わくわくするからです。」

⑤ 次回の学習の見通しをもつ。

教師:「次回は、お話を紹介する文章を書きます。」

※プリントを回収し、添削する。

【板書例】

【プリント例】

第4次(8時)紹介文を書く

① 学習の見通しを持つ。

教師:「今日は、お話を紹介する文章を書いていきます。以前に書いたあらすじや、好きなところとその理由のプリントを参考に、原稿用紙に書きましょう。」

② あらすじとお話の好きなところ、その理由を原稿用紙に書く。

③ 書き間違いがないか、声に出して読み、確かめる。

④ 次回の学習の見通しをもつ。

教師:「次回は、書いた紹介文を読み合います。」

※書いた紹介文を回収し、次回までに評価を済ませる。

第5次(9時)紹介文を読み合う

① 学習の見通しを持つ。

教師:「今日は、書いた紹介文を、友だちと読み合いましょう。」

② 紹介文を読み合い、「いいな。」と思うところを「感想カード」に書く。

③ 「感想カード」に書いたことを伝えて、カードを渡す。

④ 次回の学習の見通しをもつ。

教師:「次回は、『みきのたからもの』の振り返りをしましょう。」

※もらったカードは、紹介文の裏に貼り付けさせる。

※宿題等で、家の人に紹介文を読んでもらう機会を設ける。また、必要に応じて、家の人にも「感想カード」を書いてもらう。

【プリント例】

第6次(10時)「みきのたからもの」を振り返り、他のお話を読む

① 学習の見通しを持つ。

教師:「今日は、『みきのたからもの』の振り返りをします。」

② 学習の振り返りをする。

教師:「『みきのたからもの』では、どんなことに気をつけて、人物の様子を思い浮かべましたか。」

教師:「次にお話を紹介する時には、どのように伝えたいですか。」

※友だちや家の人に書いてもらった「感想カード」を基に、考えさせると良い。

③ 教師が用意した本から読んでみたい本を選び、教師が読む。

教師:「『みきのたからもの』では、ナニヌネノンの様子が不思議で面白かったですね。このお話では、どんな人物が出てくるのでしょうか。」

(読んだ後)

教師:「どんなお話でしたか。」

(感想を聞いた後)

教師:「どんなお話を、もっと読んでみたいと思いましたか。」

※教科書p73にお勧めの本が紹介されているので、参考にすると良い。

授業をふりかえって

本単元では、登場人物の様子を思い浮かべながら読むことが求められる。そのためには、児童がお話を読み進める中で、様子を思い浮かべるために必要な言葉を見つける必要がある。第4時の「おそるおそる」や「目をかがやかせて」といったような、人物の様子が詳しく思い浮かぶ言葉を児童が見つけられるよう、導いてほしい。

本単元の後半には、紹介文を書く活動が設定されている。あらすじは第3時に、好きなところとその理由は第7時にといったように、少しずつ紹介文の材料を作っておくことで、どの児童も無理なく紹介文を書けると考える。

参考・引用図書

光村図書『こくご 二下』

参考・引用URL 

https://assets.mitsumura-tosho.co.jp/7617/1031/2777/06s_k_nenkei2_03.pdf(光村図書HP内)

執筆者

MUKOせんせい

元小学校教諭としての経験を活かし、中学・高校でも講師として教壇に立つこと多数。現在は、子育てに奮闘しながら、現場で働く先生方をサポートするウェブライターとして活動中。

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この記事を書いた人

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