本単元で身に付けたい資質・能力
本単元では、教材を読み、目的を意識して、中心となる語や文を見つけて要約する力を身に付ける。また、リーフレットづくりを通して、自分の考えとそれを支える理由や事例との関係を明確にして、書き表し方を工夫する力を身に付ける。
単元の評価基準
知識・技能
- 事典の使い方を理解し使っている。
- 幅広く読書に親しみ、読書が、必要な知識や情報を得ることに役立つことに気づいている。
思考・判断・表現
- 「書くこと」において、自分の考えとそれを支える理由や事例との関係を明確にして、書き表し方を工夫している。
- 「読むこと」において、目的を意識して、中心となる語や文を見つけて要約している。
主体的に学習に取り組む態度
- 中心となる語や文を積極的に見つけて要約しようとしている。
- 自分の考えとそれを支える理由や事例との関係を明確にして、書き表し方を工夫しようとしている。
- 学習の見通しをもって、調べて分かったことをまとめて書こうとしている。
単元の展開【全4次(9時間)】
第1次(1時)教材を読み、筆者が伝えようとしていることを考える
① 教材文を読み、興味をもったことについて発表する。
教師:「『未来につなぐ工芸品』を読んで、興味をもったところはどこですか。」
児童:「工芸品が環境への負荷が少ないことや、長く使えることから、環境を未来につなぐというところに興味をもちました。」
② 単元の目標を確認する。
教師:「筆者が伝えようとしていることをとらえて要約し、考えたことを伝え合いましょう。」
③ 教科書に何段落目かを数字で書き、全体を「初め」「中」「終わり」に分ける。
教師:「教科書に、何段落目かを数字で書きましょう。文章の始まりが一マス空いているところです。……」
教師:「一段落目には、何について書かれていますか。」
児童:「工芸品について、簡単な説明が書かれています。」
教師:「その通りです。二段落目はどうですか。……」
※「初め」→①②段落、「中」→③④⑤段落、「終わり」→⑥⑦段落
④ 筆者が伝えようとしていることを考え、発表する。
⑤ 次回の学習の見通しをもつ。
教師:「次回は、中心となる語や文を整理しましょう。」
【板書例】

第2次(2時)中心となる語や文を整理する
① 学習の見通しをもつ。
教師:「中心となる語や文を整理しましょう。」
② 中心となる語や文を書き出し、発表する。
教師:「中心となる語や文を、付箋に書き出しましょう。」
教師:「書き出した語や文を教えてください。」
③ 「初め」「中」「終わり」のまとまりごとに、書き出した語や文をノートに整理する。
④ 「中」に書かれている例を確かめる。
教師:「筆者は、工芸品を未来の日本に残したい理由について、『中』で説明していましたね。どんな理由でしたか。」
児童:「一つ目の理由は、工芸品が、過去、現在と続いてきた日本の文化や芸術を、未来につないでくれるからです。」
児童:「二つ目の理由は、環境を未来につないでくれるからです。」
教師:「その通りです。では、一つ目の理由を説明するために、どのような例が書かれていますか。……」
⑤ 次回の学習の見通しをもつ。
教師:「次回は、『未来につなぐ工芸品』を要約してみましょう。」
【板書例】

第2次(3時)「未来につなぐ工芸品」を要約する
① 学習の見通しをもつ。
教師:「『未来につなぐ工芸品』を二百字以内で要約しましょう。」
② 要約の仕方を確かめる。
教師:「要約するときは、前回見つけた中心となる語や文を使いましょう。二百字以内という分量を考えて、元の文章の組み立てを活かしたり、自分の言葉を用いたりして、短くまとめましょう。」
③ 要約する。
④ 書いた文章を読み、書き間違いがないか確かめる。
⑤ 次回の学習の見通しをもつ。
教師:「次回は、工芸品について書かれた本を読みましょう。」
※要約した文章は、教師が添削した後に掲示する等して、児童同士が読めるようにする。
第3次(4時)図書室で工芸品について書かれた本を選び、読む
① 学習の見通しをもつ。
教師:「工芸品について書かれた本を選び、読みましょう。」
② 本を選び、読む。
教師:「次回から、工芸品の魅力を伝えるリーフレットづくりをします。本を読んで、『もっと調べてみたいな。』『他の人に紹介したいな。』と思うような工芸品を一つ探してみてくださいね。」
③ 次回の学習の見通しをもつ。
教師:「次回から、リーフレットづくりに取り掛かりましょう。」
第3次(5時)リーフレット(2ページ目と3ページ目)をつくる①
① 学習の見通しをもつ。
教師:「『未来につなぐ工芸品』を読んで気づいた説明の工夫を使って、選んだ工芸品の魅力を、リーフレットで分かりやすく伝えましょう。」
教師:「リーフレットとは、説明や宣伝などを記した紙で、二つ折り程度の簡単なものを言います。」
② 本やインターネットを使って調べ、調べたことを整理する。
教師:「紹介したい工芸品を一つ選びましたね。その工芸品について、本やインターネットで詳しく調べましょう。調べて分かったことは、付箋に書き出し、図を使って整理します。」
③ 次回の学習の見通しをもつ。
教師:「次回は、リーフレットに書く文章を組み立てましょう。」
【プリント例】

※余裕をもって付箋を貼れるように、A3サイズ等大きめのプリントを用意する。
【プリント記入例】

第3次(6時)リーフレット(2ページ目と3ページ目)をつくる②
① 学習の見通しをもつ。
教師:「調べた工芸品の魅力を伝える文章を、リーフレットの二ページ目と三ページ目にのせます。今日は、その文章の組み立てを考えましょう。」
② リーフレットの書き方の工夫を見つける。
教師:「教科書のリーフレットの例を読んで、書き方が工夫されていると思うところを探しましょう。」
児童:「写真や絵が使われていて、分かりやすいと思いました。」
児童:「その工芸品の良さが、例を挙げながら詳しく書かれていました。」
③ 文章の組み立てを考える。
教師:「見つけた工夫を参考にしながら、文章の組み立てを考えましょう。」
④ 次回の学習の見通しをもつ。
教師:「次回は、考えた組み立てに沿って、文章を書きましょう。」
【プリント例】

第3次(7時)リーフレット(2ページ目と3ページ目)をつくる③
① 学習の見通しをもつ。
教師:「前回考えた組み立てに沿って、文章を書きましょう。」
② 文章を書く。
③ 書いた文章を読み、書き間違いがないか確かめる。
④ 次回の学習の見通しをもつ。
教師:「次回は、表紙と裏表紙をつくりましょう。」
第3次(8時)リーフレットの表紙と裏表紙をつくる
① 学習の見通しをもつ。
教師:「リーフレットの表紙と裏表紙をつくりましょう。表紙には、選んだ工芸品の名前を書いたり、その写真や絵を載せたりします。では、裏表紙には、何を書くとよいでしょうか。」
児童:「調べた内容が書かれている本を書くと良いと思います。」
児童:「選んだ工芸品のイベントがあるので、その情報を書こうと思います。」
② 表紙と裏表紙をつくる。
③ 書いた文章を読み、書き間違いがないか確かめる。
④ 次回の学習の見通しをもつ。
教師:「次回は、つくったリーフレットを読み合いましょう。」
第4次(9時)友だちとリーフレットを読み合い、感想を伝え合う
① 学習の見通しをもつ。
教師:「リーフレットを友だちと読み合いましょう。読んだら、付箋に感想を書きます。」
② 感想の書き方を知る。
教師:「友だちのリーフレットを読んで、『いいな。』と思ったところを簡単に書きましょう。」
③ 友だちとリーフレットを読み合い、感想を書く。
※書いた付箋は、読んだリーフレットに貼る。
授業をふりかえって
本授業では、リーフレットづくりを通して、伝えたいことを分かりやすく書くことを目標としている。分かりやすく書くためには、伝えたいことをはっきりさせることが大切である。付箋を使って情報を整理し、自分が伝えたいことを視覚化することで、分かりやすい文章づくりにつながると考える。
参考・引用図書
光村図書『こくご 四下』
参考・引用URL
https://assets.mitsumura-tosho.co.jp/5717/1031/3365/06s_k_nenkei4_03.pdf(光村図書HP内)
執筆者
MUKOせんせい
元小学校教諭としての経験を活かし、中学・高校でも講師として教壇に立つこと多数。現在は、子育てに奮闘しながら、現場で働く先生方をサポートするウェブライターとして活動中。

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