本単元で身に付けたい資質・能力
本単元では、類語を探す活動や書く活動を通して、様子や行動、気持ちや性格を表す語句の量を増やし、話や文章の中で使うとともに、語彙を豊かにする。また、書く活動を通して、言葉には考えたことや思ったことを表す働きがあることに気づき、相手に伝わる文章を書こうとする態度を養う。
単元の評価基準
知識・技能
- 言葉には、考えたことや思ったことを表す働きがあることに気づいている。
- 様子や行動、気持ちや性格を表す語句の量を増やし、話や文章の中で使うとともに、語彙を豊かにしている。
思考・判断・表現
- 「書くこと」において、自分の考えとそれを支える理由や事例との関係を明確にして、書き表し方を工夫している。
主体的に学習に取り組む態度
- 言葉には考えたことや思ったことを表す働きがあることに気づき、学習の見通しをもって相手に伝わる文章を書こうとしている。
単元の展開【全3次(4時間)】
第1次(1時)学習の見通しをもつ
① 教科書p107のロボロボの会話から、伝えたかったことがうまく伝わらなかった理由を考える。
教師:「ロボロボが伝えたかったことが、うまく伝わらなかったのは、どうしてでしょうか。」
児童:「『すごい』が3回も出てきたからです。」
教師:「『すごい』がたくさん出てきて、どうでしたか。」
児童:「すごいのは分かったけど、何がどうすごかったのかが分からないと思いました。」
② ロボロボは、どのように話したらよいかを考える。
教師:「ロボロボは、どのように話したらよいでしょうか。」
児童:「『すごい』以外の言葉を使うといいと思います。」
教師:「例えば、どんな言葉を使うといいでしょうか。ロボロボの言う『すごい』の代わりに使えそうな言葉を考えてみましょう。」
③ 「すごい」の代わりに使えそうな言葉を考え、発表する。
④ 次回の学習の見通しをもつ。
教師:「次回は、文章を読んで、受ける感じにどんなちがいがあるかを考えていきます。」
【プリント例】

第2次(2時)言葉から受ける感じがちがうことに気づき、使える言葉を増やす
① 学習の見通しをもつ。
教師:「似た意味を表す言葉でも、言葉から受ける感じがちがうことがあります。文章を読んで、受ける感じにどんなちがいがあるかを考えましょう。」
② 文章を読んで、それぞれ、受ける感じにどんなちがいがあるかを考える。
教師:「次の文は、それぞれ、受ける感じにどんなちがいがありますか。」
- 友だちの言葉に、どきっとした。
- 友だちの言葉に、はっとした。
児童:「どちらも驚いている様子だけれど、『はっとした』は、何かに気づいたような感じがします。」
児童:「『どきっとした』は、隠し事がばれそうで『ぎくっとした』な感じがします。」
教師:「次の文は、それぞれ、受ける感じにどんなちがいがありますか。」
- 今日は、寒い一日だった。
- 今日は、肌寒い一日だった。
児童:「どちらも寒いけれど、季節がちがう感じがします。」
③ 班になって、「言いかえゲーム」をする。
教師:「使える言葉が多いと、伝えたいことにぴったり合う言葉を選ぶことができますね。使える言葉がどんどん増えるように、『言いかえゲーム』をしてみましょう。」

教師:「『すごい』と意味が似ている言葉を、空いているマスに書きましょう。班で協力して、それぞれの様子にあった言葉を探しましょう。」
※難しければ、類語辞典を使ったり、インターネットで「すごい」の言い換えを検索したりするようにする。
④ 次回の学習の見通しをもつ。
教師:「たくさんの言葉を見つけられましたね。次回は、伝えたいことが相手に伝わるように意識して、文章を書いてみましょう。」
第3次(3時)相手に伝わる文章を書く
① 学習の見通しをもつ。
教師:「相手に伝わる文章を書きましょう。冬休みの出来事とそのときの気持ちを、二百字で書きます。」
教師:「まずは、読む人が、様子や気持ちを思い浮かべられるように、言葉を選んで文章を書きましょう。」
教師:「前回、『すごい』の言い換えをみんなでしましたね。その時のように、どの言葉を使うとより相手に伝わるかを考えて、言葉を選びましょう。次に、内容が伝わるような題名を考えましょう。」
② 文章を書く。
③ 書き間違いが無いかを確かめる。
④ 題名を考える。
⑤ 次回の学習の見通しをもつ。
教師:「次回は、文章を友だちと読み合います。」
第3次(4時)文章を友だちと読み合う
① 学習の見通しをもつ。
教師:「前回書いた文章を友だちと読み合いましょう。」
② ペアを作り、文章を読み合う。
教師:「お互い読み合ったら、よく伝わる部分とそうでない部分を教え合いましょう。」
③ 付箋を使って、文章を修正する。
教師:「そうでない部分を修正します。類語辞典を使ったり、インターネットで言い換えた言葉を検索したりして、より相手に伝わる言葉を探しましょう。原稿用紙の文字は消さずに、付箋を使って修正します。」
④ 修正できた人からペアを作り、文章を読み合う。
⑤ 単元の復習をする。
教師:「様子や気持ちを伝えるときは、どんなことに気をつけるとよいでしょうか。」
教師:「伝えたいことに合う言葉を選ぶ時は、どうするとよいでしょうか。」
授業をふりかえって
本授業では、たくさんの言葉に触れさせたいという思いから「言いかえゲーム」を取り入れた。子どもたちが普段よく使っている言葉を選んで取り組ませると、より盛り上がるのではないかと考える。言葉が中々出にくい場合は、辞書を用いて取り組むのもよいだろう。
参考・引用図書
光村図書『こくご 三下』
参考・引用URL
https://assets.mitsumura-tosho.co.jp/8417/1031/2992/06s_k_nenkei3_03.pdf(光村図書HP内)
執筆者
MUKOせんせい
元小学校教諭としての経験を活かし、中学・高校でも講師として教壇に立つこと多数。現在は、子育てに奮闘しながら、現場で働く先生方をサポートするウェブライターとして活動中。
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