「たから島のぼうけん」(光村図書3年国語)~書き表し方を工夫して、物語を書こう~

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目次

本単元で身に付けたい資質・能力

本単元では、物語を書く活動を通して、書き表し方を工夫する力を身に付ける。そして、様子や行動、気持ちや性格を表す語句の量を増やし、文章の中で使えるようにする

単元の評価基準

知識・技能

  • 様子や行動、気持ちや性格を表す語句の量を増やし、文章の中で使って語彙を豊かにしている。

思考・判断・表現

  • 「書くこと」において、書き表し方を工夫している

主体的に学習に取り組む態度

  • 学習の見通しをもって物語を創作しようとしている
  • 様子や行動、気持ちや性格を表す語句を文章の中で使おうとしている。

単元の展開【全3次(5時間)】

第1次(1時)学習の見通しをもつ

① 教科書p. 112の「たから島の地図」を黒板に貼り出し、どんな冒険が始まるか想像する。

教師:「(地図を貼り出して)これは何でしょうか。」

児童:「たから島の地図だ。」

教師:「どんな冒険が始まりそうですか。この地図を見て、想像したことを教えてください。」

児童:「大きなヘビから逃げたり、砂漠でサソリと戦ったりする冒険。」
児童:「氷の世界で白熊に襲われるけれど、仲良くなって、一緒に冒険するのはどうかな。」

② 単元の目標を確かめる。

教師:「冒険の様子がよく伝わるように、書き表し方を工夫して、読む人が楽しめるような物語を書きましょう。」

③ 地図を見て想像した内容をプリントに書き出す。

④ 次回の学習の見通しをもつ。

教師:「次回は、書き出した内容を組み立ててみましょう。」

【プリント例】

第1次(2時)物語の組み立てを考える

① 学習の見通しをもつ。

教師:「前回書き出した内容を活かしながら、物語の組み立てを考えましょう。」

② 物語の組み立て方を復習する。

教師:「物語の大きなまとまりで、『はじめ』『中』『終わり』がありました。はじめには、『始まり』を書きましたね。中には、どんなことを書くと良かったですか。」

児童:「出来事を書きます。」

教師:「そうですね。出来事が起こって、解決することを書きました。では、終わりには、何を書きますか。」

児童:「出来事や事件が解決したその後を書きます。」

③ プリントを使って、物語の組み立てを考える

教師:「前回書き出した内容を、プリントに当てはめてみましょう。」

④ 次回の学習の見通しをもつ。

教師:「次回から、組み立てに沿って物語を書いていきましょう。」

【プリント例】

第2次(3時)物語を書く①

① 学習の見通しをもつ。

教師:「様子がよく伝わるように、物語を書きましょう。」

② 教科書p. 114~115「物語のれい」を読んで、様子がよく伝わってくる表現を見つける。

教師:「『物語のれい』を読んで、『様子がよく伝わってくるな。』と感じたところはどこですか。」

児童:「『ゴーッと地ひびきのような音が』のところで、登場人物と一緒に物語の世界にいるような感じがしました。」
児童:「『二人は、とぶようににげました。』のところで、急いで逃げたことがよく伝わってきました。」

③ 書き表し方を考えるポイントを確かめる。

  • 場面や出来事、登場人物の様子を表す言葉を使おう。
  • どんな登場人物かによって、会話や行動をどう書くかを考えよう。
  • 登場人物の気持ちを表す言葉を使おう。

教師:「人物や出来事を説明するときや、自分の考えや気持ちを書いたり話したりするときには、教科書165ページの『言葉のたから箱』を役立てても良いですね。」

④ プリントを使って、「はじめ」を書く。

⑤ 次回の学習の見通しをもつ。

教師:「次回は、物語の『中』を書きましょう。」

【プリント例】

第2次(4時)物語を書く②

① 学習の見通しをもつ。

教師:「物語の『中』を書きましょう。」

② とくに読む人を引きつけたい場面で、どのような書き表し方をするといいか考える。

教師:「物語の『中』は、出来事や事件が起こり、解決するといった山場の部分ですね。山場で、読む人を引きつけるためには、どのような書き表し方をすると良いでしょうか。」

児童:「読む人が、ハラハラドキドキするような場面にしたいので、『~のような』『~みたいな』というような例えを使おうと思います。」

③ プリントを使って、「中」を書く。

④ 次回の学習の見通しをもつ。

教師:「次回は、物語の『終わり』を書きましょう。」

【プリント例】

第2次(4時)物語を書く③

① 学習の見通しをもつ。

教師:「物語の『終わり』を書き、物語を完成させましょう。」

② プリントを使って、「終わり」を書く。

教師:「『終わり』には、何を書くと良いでしょうか。」

児童:「出来事や事件が解決したその後を書きます。」
児童:「出来事や事件を通して、登場人物がどうなったかを書こうと思います。」

③ 「始まり」「中」「終わり」を自分で読み、間違いがないかを確かめ、原稿用紙に清書する。

④ 次回の学習の見通しをもつ。

教師:「次回は、友だちと物語を読み合いましょう。」

【プリント例】

第3次(5時)友だちと物語を読み合う

① 学習の見通しをもつ。

教師:「友だちと物語を読み合い、感想を伝えましょう。」

② 伝える感想のポイントを確かめる。

  • とくにおもしろかったところ
  • まねしてみたい言葉の使い方

③ 席の隣同士で物語を読み合い、感想を伝え合う。

④ 単元の復習をする。

教師:「自分の想像したことがうまく書き表せたと思うのは、どこですか。」

児童:「『ドシン』や『とほほ』といった音を使ったところです。そそっかしい登場人物が失敗する様子をうまく書き表せたと思います。」

教師:「とくに読む人を引きつけたい場面では、どのように書き表し方を工夫しましたか。」

児童:「『~のような』『~みたいな』という例えを使って、より詳しく伝わるように工夫しました。」

授業をふりかえって

本授業では、これまでに学習した内容を活かして、物語を書いていく。物語の組み立てや、伝えたいことに合う言葉を選ぶなど、授業ごとに確かめながら進めてほしい。

物語を書く材料である「たから島の地図」は、色々なことを想像でき、児童らにとって大変魅力的な教材である。しかし、あまりに多くのことを書き出してしまうと、物語としてまとめるのが難しくなる恐れがある。1時間目に内容の選定をしっかりとさせることで、2時間目以降の活動がスムーズに進むと考える。

参考・引用図書

光村図書『こくご 三下』

参考・引用URL 

https://assets.mitsumura-tosho.co.jp/8417/1031/2992/06s_k_nenkei3_03.pdf(光村図書HP内)

執筆者

MUKOせんせい

元小学校教諭としての経験を活かし、中学・高校でも講師として教壇に立つこと多数。現在は、子育てに奮闘しながら、現場で働く先生方をサポートするウェブライターとして活動中。

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この記事を書いた人

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