「つながりに気をつけよう」(光村図書4年国語)~文章をよりよく書き直そう~

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目次

本単元で身に付けたい資質・能力

本単元では、文章を分かりやすく書き直す活動を通して、間違いを正したり、相手や目的を意識した表現になっているかを確かめたりして、文や文章を整える力を身に付ける。また、主語と述語との関係修飾と被修飾との関係指示する語句と接続する語句の役割について理解し、つながりに気をつけて文章を書こうとする態度を養う。

単元の評価基準

知識・技能

  • 主語と述語との関係修飾と被修飾との関係指示する語句と接続する語句の役割について理解している。

思考・判断・表現

  • 「書くこと」において、間違いを正したり、相手や目的を意識した表現になっているかを確かめたりして、文や文章を整えている。

主体的に学習に取り組む態度

  • 主語と述語との関係、修飾と被修飾との関係、指示する語句と接続する語句の役割について理解し、これまでの学習をいかして、つながりに気をつけて文章を書こうとしている

単元の展開【全2次(3時間)】

第1次(1時)言葉と言葉のつながりについて考える

① ロボロボの手紙を読み、問いをもつ。

教師:「ロボロボの手紙を読んでみましょう。みなさんがふみや君だったら、どちらの場所(黒板に『白い時計の前のベンチ』と『時計前の白いベンチ』の絵を貼る)で待ちますか。」

児童:「白い時計なのか、白いベンチなのか分からないな。」

② ロボロボの手紙を書き直す。

教師:「どうしたら、ロボロボの手紙は分かりやすくなるでしょうか。『白いベンチ』の場所で待ち合わせできるように、手紙を書き直しましょう。」

③ 隣の人と、書き直した手紙を読み合う。

教師:「友だちが書き直した手紙を読んで、文章が分かりやすくなったと思うところを教えてください。」

児童:「『待ち合わせの場所は、公園の中にある時計前の白いベンチです。』と言葉の順序を入れ替えていて分かりやすいと思いました。」

④ 文才ポイント「言葉と言葉のつながりをはっきりさせるとき」を確かめる。

教師:「分かりやすい文章にするためのポイントがたくさん出てきましたね。みなさんの文章を書く力がメキメキ伸びるように、『文才(ぶんさい)ポイント』にまとめました。みんなで確認しましょう。」

  • 主語と述語を対応させよう。
  • 修飾語がどの言葉に係るかが、はっきり分かるようにしよう。
  • 読点を打ったり、言葉の順序を入れ替えたりして、言葉と言葉の関係を分かりやすくしよう。

⑤ 次回の学習の見通しをもつ。

教師:「次回は、文と文のつながりについて考えてみましょう。」

第1次(2時)文と文のつながりについて考える

① 学習の見通しをもつ。

教師:「文と文のつながりについて考えましょう。」

② 二つの文章を読み比べて、どちらが読みやすいか、その理由も合わせて考える。

教師:「次の文章を読み比べましょう。どちらの方が、読みやすいと思いましたか。」

(ア)
野鳥が、庭の木に来て、巣を作り、たまごを産んだので、家の中から野鳥の様子を見守ったところ、天候が悪い日もあり、風雨の強い日もあり、庭の木に作った巣がこわれないか心配だったが、ひなは無事に巣立っていった。

(イ)
野鳥が、庭の木に来て、巣を作り、たまごを産んだ。そこで、家の中からその様子を見守った。天候が悪い日や、風雨の強い日もあり、巣がこわれないか心配だった。しかし、ひなは無事に巣立っていった。

児童:「(イ)の文章の方が読みやすかったです。」

教師:「そう思ったのはなぜでしょう。」

児童:「(ア)は句点が一つしかなくて、文がとても長くて読みにくいです。」
児童:「(イ)は、『そこで』や『しかし』のようなつなぐ言葉があって、読みやすかったです。」

③ 三つ目の文章と一つ目の文章を読み比べ、思ったことを発表する。

教師:「三つ目の文章も読んでみましょう。」

④ 野鳥が、庭の木に来た。野鳥が、巣を作った。野鳥が、たまごを産んだ。

教師:「(イ)の文章と比べて、どう思いますか。」

児童:「同じ言葉が何度も出てきて、変な感じがしました。」
児童:「一文を短くすれば良いわけではないと思いました。」

教師:「主語が同じ文が続くときは、一文にまとめた方が良さそうですね。」

④ 文才ポイント「文と文のつながりをはっきりさせるとき」を確かめる。

  • 長い文は、内容の切れ目で分けよう。
  • 必要に応じて、文と文の間につなぎ言葉を入れよう。
  • 同じような言葉を繰り返しているところを省いたり、こそあど言葉に置き換えたりしよう。

⑤ 次回の学習の見通しをもつ。

教師:「次回は、より分かりやすい文章になるように、文章を書き直しましょう。」

第2次(3時)より分かりやすくなるように、文章を書き直す

① 学習の見通しをもつ。

教師:「より分かりやすくなるように、文章を書き直しましょう。」

② 1、2時間目で学習した「文才ポイント」を確かめる。

③ 問題の文章を読み、分かりやすくなるように書き直す。

教師:「『文才ポイント』が使えたら、チェックを入れましょう。」

④ 隣の人と、書き直した文章を読み合う。

教師:「友だちが書き直した文章を読んで、分かりやすくなったと思うところを教えてください。」

児童:「『シリウス』と同じ主語が続くところで、こそあど言葉を使っていて分かりやすかったです。」
児童:「長い一文を句点で切ったところや、文と文の間に『そして』とつなぎ言葉を入れたところです。」

教師:「学習したポイントを押さえて、読む人にとって分かりやすい文章になるように、言葉や文のつながりに気をつけて書きましょうね。」

【プリント例】

【解答例】

冬の夜空を観察して感じたことは、夏よりも明るい星が多く見えることだ。特に、青白く光るシリウスが気になった。姉と調べたところ、シリウスは太陽と同じように自ら光る星で、夜空で最も明るく見えることが分かった。また、地球から約八十一兆三千億キロメートルもはなれたところにあることも知った。これから、ぼくは姉と父にお願いして、望遠鏡を買ってもらうつもりだ。

授業をふりかえって

本授業では、言葉や文のつながりをはっきりさせる書き方のポイントを「文才ポイント」として提示した。「使えたらチェックを入れる」とすることで、ポイントに気をつけて書き直そうとする児童の姿が見られるのではないかと考える。

参考・引用図書

光村図書『国語 四下』

参考・引用URL 

https://assets.mitsumura-tosho.co.jp/5717/1031/3365/06s_k_nenkei4_03.pdf(光村図書HP内)

執筆者

MUKOせんせい

元小学校教諭としての経験を活かし、中学・高校でも講師として教壇に立つこと多数。現在は、子育てに奮闘しながら、現場で働く先生方をサポートするウェブライターとして活動中。

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この記事を書いた人

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